2018/12/23(日) 午後 3:44
「中国千人計画」とは2008年12月から実施されてきた海外企業と大学に勤務する中国人研究者や技術者の”超ハイレベル人材”を選抜するプログラムのことで、中国の科学的発展に貢献させる目的とされ、知的財産や技術保護担当者の中国人幹部を対象に、開始から現在までに既に千人どころか8千人の専門家を募ったと言われている。
ところが今やこの人材に選ばれた研究者達は「知財泥棒」として米国などで逮捕投獄されることから海外にいる中国人の間で「入獄計画」とまで揶揄されているそうだ。
今年の6月に米国防総省は米下院軍事委員会の公聴会で「同プログラムの目的は米国の知的財産を獲得することにある」と警告。更にマイク・ペンス米副大統領はハドソン研究所で10月4日に行った演説の中で「中国の安全保障機関が最先端の計画を含む米国の技術の大規模な窃盗の黒幕」と言及。
FBIは今年の8月、米国企業の重要技術情報を個人メールアドレスに転送して中国企業に提供した容疑で、米ゼネラル・エレクトリック社の中国国籍の元チーフエンジニアを逮捕。その他の例として「千人計画に参加する教員の処罰する」声明を発表したテキサステック大学が客員教授に就任予定だった中国人教授の招聘をキャンセルするなど、中国人研究者の逮捕、解雇が続出しているそうだ。
「FBIが『千人計画』のリストに基づいて違反者を摘発している」という情報から、中国教育部(文部科学省に相当)は一部の大学に対して、同計画の情報を削除するよう指示し、「千人計画」の4文字の含まれた情報や名簿をウェブサイトから次々と削除。千人計画の面接時などに「メールを使わず電話とファックスを使用」「千人計画の文字を伏せる」などを指示。
しかしその後、台湾の中央通信社(10月5日付)などにより「『千人計画青年項目評審工作小組』の通達を国家自然科学基金委員会計画局が代筆した9月29日付の文書の存在」が暴かれてしまう事態に。
実は今月1日に中国企業ファーウェイの副会長兼CFO(最高財務責任者)の孟晩舟氏が米国からの要請でカナダ当局に逮捕された同じ日に、「千人計画」に選ばれていた米スタンフォード大学の張首晟教授(享年55)という人物がスタンフォード大で催されたパーティー後にサンフランシスコに戻ってビルから飛び降り自殺したというニュースが報じられていた。
張氏は同僚の多くが「ノーベル賞に一番近い天才肌の学者」と太鼓判をおすほどの業績を挙げた「中国の頭脳」といえる人物だったそうで、30歳でスタンフォード大学の物理学教授になり、99年には理科系の最高峰である清華大学高等研究所(北京)の招聘教授となり、今年の5月には上海科技大学の特任教授に推挙されていた。
清華大学の学長は江沢民の息子江綿恒氏で、張教授は中国の半導体産業発展に学術的観点からのアドバイスを行うようになり、「丹華資本」(デジタル・ホライゾン・キャピタル)というファンドを立ち上げてAI研究の学者に資金提供するような立場に置かれていたそうだ。
「丹華資本」の運用資金は400億円で、このような資金やAI技術や量子物理学の先端エンジニアに投資する動きに対し、米通商代表部(USTR)が「スーパー301条」の対象リストに挙げ、つまり、米国は張教授のファンドをスパイ機関と疑っており、彼と孟CFOは繋がりをもっていたと見ていたようだ。
優秀であるが故に母国から「千人計画」に選ばれるべくして選ばれたわけではあるが張教授にとってはむしろ選ばれたことが不幸の始まりでもあり、純粋な科学者としての逸脱だったとも言える。
こうして「千人計画」はトランプ政権が力を入れている中国による”知財泥棒狩り”にあっている一方、中国の「科学技術強国」への野望はしぶといと思うべき。
というのも実は「千人計画」と並行して2011年8月から「外専千人計画」も稼働しており、これは米国や日本、ドイツなどから超ハイレベル人材をリクルートする計画だそうだ。2014年6月9日の「人民網(日本語版)」にはこれまで4期に渡り29か国・196人(外専千人計画前からのトータルの数は計242人)の外国人専門家が同計画に「入選」などと報じていた。現在までの「入選者」の数は不明。
今年の9月末日李克強首相は北京の人民大会堂で「2018年度中国政府友諠賞」の「外国専門家」(中国のために働く外国籍スパイ)とその親族らと面会した際、「外国人専門家と外国人の才能のため、より多くの便宜を提供すべく積極的な措置をとっていく」と語ったそうで、つまり、中国人だと露骨にスパイとわかるために中国の為に働く外国人スパイ科学者を(外国で知財を盗むべく)今後は益々支援するという考えのようだ。
中国が知財を不法に盗むことによる日本の経済的損失のみならず、「科学技術強国」を目指す先にあって、日本の脅威となり得る「軍事目的への転用」にいずれ加担することになる中国の「外専千人計画」に日本人は加わってはならない。
引用
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181114/soc1811140005-n1.html
https://www.epochtimes.jp/2018/10/36797.html
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12151-147895/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33814570U8A800C1000000/
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html
http://j.people.com.cn/n/2014/0609/c95952-8738655.html
コメント
ファーウェイの副会長兼CFOの孟晩舟氏が米国からの要請でカナダ当局に逮捕されたニューはテレビや新聞で知っていましたが、スタンフォード大学の張首晟教授の自殺のことは初めて知りました。
中国の外専千人計画に参加しているのが米・独・日で1~3位を占めていることに驚かされました。
日本・米国・中国の人口はそれぞれ大体1.3億人、3億人、13億人くらいですから、単純の考えても中国の国家予算は大変なものでしょうから、それだけでも中国は脅威ですね。
ノーベル医学・生理学賞を受賞した東工大教授の大隅良栄教授の
「『こうすれば必ず結果が出ます』というのは科学ではありません。わからないことに挑戦してみようという精神を失ってはいけない。成果がありそうなところに集中投資ばかりしていたら、新しい研究の芽が生まれてくることはないと思います」
のことばは大切なことを言っているように思います。
2018/12/23(日) 午後 10:11 [ weeping_reddish_ogre(泣いた赤鬼) ]
kamakuraboyさん、こんばんは
千人計画の張教授は、やはりファーウェイと大いに関係しているようです。
張教授はファーウェイの量子半導体を開発していたようで、この量子コンピュータの開発・応用に成功すればインターネット上の暗号化された情報が簡単に解析・解読されて中国当局に流れることになっていたそうです。
張教授は自殺なのか、それとも・・・・。
また、ファーウェイのCFO孟晩舟容疑者は、7通の旅券を所持していたといいますから一般人とは考えらず完全にスパイです。
中国共産党のやっていることは恐ろしい近未来の統制の世界ですね。ブルルル。
2018/12/23(日) 午後 11:03 泉城
> weeping_reddish_ogre(泣いた赤鬼)さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。中国の科学者達は純粋に探究心から自然科学系の研究は技術開発に携わっていても、国家が彼らを管理して利用しようとするところがある意味で悲劇のように感じます。
自殺した張教授は大変優秀な方だったようで、中国にとってのみならず自然科学の発展にとって惜しいことをしたのではないかと思います。
2018/12/23(日) 午後 11:39 kamakuraboy
> 泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。ファーウェイの孟晩舟氏は確かに完全なスパイだと思います。張教授は仰るように本当に自殺だったのか、殺されたのか真相はわかりませんね。
やはり孟晩舟氏と繋がっていたのでしょうが、その悲劇的な最後はやはり気の毒な気がします。中国は中国人科学者らを囲い込んで自分たちの集団独裁体制の国家の存続のために悪用しており(中国という国家や中国国民のためではなく)、その意味で自然科学の発展にとってむしろ妨げとなっているようにさえ思えます。
2018/12/23(日) 午後 11:48 kamakuraboy
張教授は天才的な科学者だったようですから生きていてまっとうに研究開発していれば科学の発展に寄与されたことでしょう。惜しい人を亡くしました。
2018/12/24(月) 午前 0:22 泉城
> 泉城さん
中国人に生まれた不幸というべきなのでしょうか。思い切って亡命して米国籍などに変えられなかったのは、両親や親族がやはり中国に残っていたためなのではないかと思います。
2018/12/24(月) 午前 0:33 kamakuraboy
「中国千人計画」とは2008年12月から実施されてきた海外企業と大学に勤務する中国人研究者や技術者の”超ハイレベル人材”を選抜するプログラムのことで、中国の科学的発展に貢献させる目的とされ、知的財産や技術保護担当者の中国人幹部を対象に、開始から現在までに既に千人どころか8千人の専門家を募ったと言われている。
ところが今やこの人材に選ばれた研究者達は「知財泥棒」として米国などで逮捕投獄されることから海外にいる中国人の間で「入獄計画」とまで揶揄されているそうだ。
今年の6月に米国防総省は米下院軍事委員会の公聴会で「同プログラムの目的は米国の知的財産を獲得することにある」と警告。更にマイク・ペンス米副大統領はハドソン研究所で10月4日に行った演説の中で「中国の安全保障機関が最先端の計画を含む米国の技術の大規模な窃盗の黒幕」と言及。
FBIは今年の8月、米国企業の重要技術情報を個人メールアドレスに転送して中国企業に提供した容疑で、米ゼネラル・エレクトリック社の中国国籍の元チーフエンジニアを逮捕。その他の例として「千人計画に参加する教員の処罰する」声明を発表したテキサステック大学が客員教授に就任予定だった中国人教授の招聘をキャンセルするなど、中国人研究者の逮捕、解雇が続出しているそうだ。
「FBIが『千人計画』のリストに基づいて違反者を摘発している」という情報から、中国教育部(文部科学省に相当)は一部の大学に対して、同計画の情報を削除するよう指示し、「千人計画」の4文字の含まれた情報や名簿をウェブサイトから次々と削除。千人計画の面接時などに「メールを使わず電話とファックスを使用」「千人計画の文字を伏せる」などを指示。
しかしその後、台湾の中央通信社(10月5日付)などにより「『千人計画青年項目評審工作小組』の通達を国家自然科学基金委員会計画局が代筆した9月29日付の文書の存在」が暴かれてしまう事態に。
実は今月1日に中国企業ファーウェイの副会長兼CFO(最高財務責任者)の孟晩舟氏が米国からの要請でカナダ当局に逮捕された同じ日に、「千人計画」に選ばれていた米スタンフォード大学の張首晟教授(享年55)という人物がスタンフォード大で催されたパーティー後にサンフランシスコに戻ってビルから飛び降り自殺したというニュースが報じられていた。
張氏は同僚の多くが「ノーベル賞に一番近い天才肌の学者」と太鼓判をおすほどの業績を挙げた「中国の頭脳」といえる人物だったそうで、30歳でスタンフォード大学の物理学教授になり、99年には理科系の最高峰である清華大学高等研究所(北京)の招聘教授となり、今年の5月には上海科技大学の特任教授に推挙されていた。
清華大学の学長は江沢民の息子江綿恒氏で、張教授は中国の半導体産業発展に学術的観点からのアドバイスを行うようになり、「丹華資本」(デジタル・ホライゾン・キャピタル)というファンドを立ち上げてAI研究の学者に資金提供するような立場に置かれていたそうだ。
「丹華資本」の運用資金は400億円で、このような資金やAI技術や量子物理学の先端エンジニアに投資する動きに対し、米通商代表部(USTR)が「スーパー301条」の対象リストに挙げ、つまり、米国は張教授のファンドをスパイ機関と疑っており、彼と孟CFOは繋がりをもっていたと見ていたようだ。
優秀であるが故に母国から「千人計画」に選ばれるべくして選ばれたわけではあるが張教授にとってはむしろ選ばれたことが不幸の始まりでもあり、純粋な科学者としての逸脱だったとも言える。
こうして「千人計画」はトランプ政権が力を入れている中国による”知財泥棒狩り”にあっている一方、中国の「科学技術強国」への野望はしぶといと思うべき。
というのも実は「千人計画」と並行して2011年8月から「外専千人計画」も稼働しており、これは米国や日本、ドイツなどから超ハイレベル人材をリクルートする計画だそうだ。2014年6月9日の「人民網(日本語版)」にはこれまで4期に渡り29か国・196人(外専千人計画前からのトータルの数は計242人)の外国人専門家が同計画に「入選」などと報じていた。現在までの「入選者」の数は不明。
今年の9月末日李克強首相は北京の人民大会堂で「2018年度中国政府友諠賞」の「外国専門家」(中国のために働く外国籍スパイ)とその親族らと面会した際、「外国人専門家と外国人の才能のため、より多くの便宜を提供すべく積極的な措置をとっていく」と語ったそうで、つまり、中国人だと露骨にスパイとわかるために中国の為に働く外国人スパイ科学者を(外国で知財を盗むべく)今後は益々支援するという考えのようだ。
中国が知財を不法に盗むことによる日本の経済的損失のみならず、「科学技術強国」を目指す先にあって、日本の脅威となり得る「軍事目的への転用」にいずれ加担することになる中国の「外専千人計画」に日本人は加わってはならない。
引用
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181114/soc1811140005-n1.html
https://www.epochtimes.jp/2018/10/36797.html
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12151-147895/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33814570U8A800C1000000/
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html
http://j.people.com.cn/n/2014/0609/c95952-8738655.html
コメント
ファーウェイの副会長兼CFOの孟晩舟氏が米国からの要請でカナダ当局に逮捕されたニューはテレビや新聞で知っていましたが、スタンフォード大学の張首晟教授の自殺のことは初めて知りました。
中国の外専千人計画に参加しているのが米・独・日で1~3位を占めていることに驚かされました。
日本・米国・中国の人口はそれぞれ大体1.3億人、3億人、13億人くらいですから、単純の考えても中国の国家予算は大変なものでしょうから、それだけでも中国は脅威ですね。
ノーベル医学・生理学賞を受賞した東工大教授の大隅良栄教授の
「『こうすれば必ず結果が出ます』というのは科学ではありません。わからないことに挑戦してみようという精神を失ってはいけない。成果がありそうなところに集中投資ばかりしていたら、新しい研究の芽が生まれてくることはないと思います」
のことばは大切なことを言っているように思います。
2018/12/23(日) 午後 10:11 [ weeping_reddish_ogre(泣いた赤鬼) ]
kamakuraboyさん、こんばんは
千人計画の張教授は、やはりファーウェイと大いに関係しているようです。
張教授はファーウェイの量子半導体を開発していたようで、この量子コンピュータの開発・応用に成功すればインターネット上の暗号化された情報が簡単に解析・解読されて中国当局に流れることになっていたそうです。
張教授は自殺なのか、それとも・・・・。
また、ファーウェイのCFO孟晩舟容疑者は、7通の旅券を所持していたといいますから一般人とは考えらず完全にスパイです。
中国共産党のやっていることは恐ろしい近未来の統制の世界ですね。ブルルル。
2018/12/23(日) 午後 11:03 泉城
> weeping_reddish_ogre(泣いた赤鬼)さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。中国の科学者達は純粋に探究心から自然科学系の研究は技術開発に携わっていても、国家が彼らを管理して利用しようとするところがある意味で悲劇のように感じます。
自殺した張教授は大変優秀な方だったようで、中国にとってのみならず自然科学の発展にとって惜しいことをしたのではないかと思います。
2018/12/23(日) 午後 11:39 kamakuraboy
> 泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。ファーウェイの孟晩舟氏は確かに完全なスパイだと思います。張教授は仰るように本当に自殺だったのか、殺されたのか真相はわかりませんね。
やはり孟晩舟氏と繋がっていたのでしょうが、その悲劇的な最後はやはり気の毒な気がします。中国は中国人科学者らを囲い込んで自分たちの集団独裁体制の国家の存続のために悪用しており(中国という国家や中国国民のためではなく)、その意味で自然科学の発展にとってむしろ妨げとなっているようにさえ思えます。
2018/12/23(日) 午後 11:48 kamakuraboy
張教授は天才的な科学者だったようですから生きていてまっとうに研究開発していれば科学の発展に寄与されたことでしょう。惜しい人を亡くしました。
2018/12/24(月) 午前 0:22 泉城
> 泉城さん
中国人に生まれた不幸というべきなのでしょうか。思い切って亡命して米国籍などに変えられなかったのは、両親や親族がやはり中国に残っていたためなのではないかと思います。
2018/12/24(月) 午前 0:33 kamakuraboy