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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

米朝首脳会談の行方

2019-03-12 21:11:37 | 時事
シンガポールで行われた1回目の米朝会談の前に書いた記事です。

2018/5/16(水) 午後 11:43

5月11日から始まった米韓軍事演習(定例の共同訓練)に難癖をつけて、南北の閣僚級会談をドタキャンし、「リビア方式の一方的核廃棄は受け入れられない」と反発して、来月12日にシンガポールで開かれる予定だった米朝首脳会談を、北朝鮮が一方的にキャンセルしたと報じられたあとで、「やはり12日を再検討」と発表してみたりして北朝鮮はかなり葛藤に陥っている模様。今のところ米に対しては延期と伝えてきてはいないそうで、米側は「準備を継続中」ということらしい。


イギリスなども今年の3月に「北朝鮮が米国との対話のを引き延ばせば、大気圏再突入に耐える弾頭を含む核兵器備蓄を拡大・改良する時間稼ぎが可能になる」と指摘していたが、やはり会談の日取りを無期限延期する形での時間稼ぎを始めたかったということだ。中国が背後におり、前には韓国が盾になっているかっこうだ。しかし、もはや時間稼ぎは許されないはず。


北朝鮮の非核化に対するアメリカの強硬姿勢が本気であっても、そもそも、北朝鮮の完全な非核化自体がもはや不可能だということはかねがね専門家が口をそろえて指摘していることであり、この数か月間、文在寅大統領が、平昌五輪の南北合同チームだの、「板門店宣言」だのと、平和ムードを無理に演出し、米朝による朝鮮戦争終結宣言→南北朝鮮統一という幻想に酔っていたに過ぎないのでは。


北朝鮮が本気で「非核化」を受け入れるとは誰も信じていなかったし、北朝鮮自体が信用できる相手でないことは何度も騙されてわかっていることで、米は北が既に保有している核弾頭と濃縮ウランを全て回収し、核開発に関わってきた技術者を北朝鮮国外に退去させるというプランを提示し、それが完了したあとに経済制裁解除して、北の「韓国程度の発展を助ける」などと言っていた。


いずれにしても相手が北朝鮮だから「完全かつ不可逆的で検証可能な非核化」自体が「絵に描いた餅だった」ということで、つまり、最初からトランプ大統領と北正恩朝鮮労働党委員長が会っても会わなくても、両者が満足できる何らかの合意に至ること自体が実質不可能ということなのだ。


「白頭山血統の金王朝の三代目」である金正恩には「核開発とミサイル開発の成功」以外に何も自国民に示せる実績などないのだから、国内的な意味での「体制の維持」と「核やミサイル放棄」ということは両立し得ない話なのだ。核放棄すればいずれはリビアのカダフィ大佐と同じような運命をたどることになると恐れているのだという。(41年間独裁政権だったリビアは核放棄した後に反政府運動が起こり、2011年にカダフィ大佐は民兵によって殺害された)


ここに「金正恩一家をスイスに亡命させる」というようなアイデアすらあったようだが、これはやはり「主体思想に基づく体制の維持」にならないから、金正恩が飲むはずはないのだし。


トランプ大統領と会って合意に至らずに決裂すれば、直ちに核施設や化学兵器製造施設その他の軍事施設への空爆の危険性が増し、決裂せずに「核の完全放棄」の合意をすれば、北朝鮮国内向けに何も「虚勢」をはれるものがなくなってしまい、飢餓状態の北朝鮮が内部崩壊しかねない。


北朝鮮としては、文在寅に必死でアメリカの軍事行動を防いでもらいながら、のらりくらりと引き延ばせるだけ引き延ばして、自国に有利な「核の凍結」と同時に「核を含む在韓米軍ごと朝鮮半島から撤退」=「朝鮮半島の非核化」といった条件を引き出すまで引き延ばしたいところではあるのだろう。


トランプ大統領は11月に中間選挙が控えており、何らかの形で北朝鮮問題における「実績」を示しておきたいが、もう1つの選択肢である「軍事行動」ということになれば、ブッシュ政権などではむしろ支持率上がったのが米社会なのだ。トランプ大統領は次にはどのようなカードをきるのだろうか。


文在寅大統領は今月中に訪米して、トランプ大統領と北朝鮮との交渉を何とか繋げられるよう必死で画策するつもりのようだが、最初から北朝鮮は自国の核放棄などとは「一言も」いっておらず、文在寅が腹話術のように、「北朝鮮に非核化の意向がある」といっていただけだったのだ。


麻生さんが「見てくれの悪い飛行機がシンガポールまで無事に飛ぶことを期待するが、途中で落ちたら話にならん」という冗談のようなことを自民党議員のパーティーでのたまったそうで、内心では皆が思っていることをはっきり仰るあたり本当に言いたい放題で面白い。座布団1枚。



引用:https://jp.reuters.com/article/nk-talks-us-nuc-idJPKCN1GK0PW


http://japanese.joins.com/article/444/241444.html?servcode=500§code=500&cloc=jp|main|top_news
   

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30567300W8A510C1000000/



コメント

結局、米朝首脳会談では、朝鮮半島の完全な非核化を謳ったものの、北朝鮮は何一つ実行せずミサイル基地を増加させており、やはり金正恩は言葉だけで、これまでどおり約束は絶対に守らない信頼がおけない人物です。

世界の人はそんなことは疾うの昔から知っていたのですが、あらためて自分かわいさで延命策をとっているということがはっきりしましたね。
これからもこの調子でのらりくらりでしょう。

独裁政権・恐怖政治の下にある北朝鮮の国民がかわいそうです。ただ、歴史が証明しているとおり、いずれ独裁政権は倒れます。
2018/11/13(火) 午後 10:09 泉城


> 石田泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。確かに1番哀れなのは飢餓に苦しんでいる北朝鮮の人々ですね。彼らは内心では金正恩のことなど崇拝してなどいないと思います。でもクーデターを起こそうと思うと、周囲が密告して親子でも身内でも相手を「売りかねない」という深刻な不信に満ちた社会のようですね。

脱北者は今では韓国政府からも拒絶されかねない空気で、南北朝鮮はどんどん人権が実質的にはない前近代的な地域に戻りつつありますね。

人権どころか「条約」という国際法の最低限のルールさえ守れない「法治国家」ですらない有り様ですし。

韓国が北朝鮮の体制維持を助けているのも、体制崩壊によって北朝鮮から押し寄せてくる「同胞」という名の難民を支える気がないからなのでしょうし。
2018/11/14(水) 午前 2:02 kamakuraboy


韓国が北朝鮮にフッ化水素を横流しし核製造に加担していたようで、韓国への輸出は世界的に禁止のようですね。
フッ化水素は半導体の製造にも使用されるガスとのことですから韓国の半導体事業にも影響がでるのかもしれません。

いずれにしても韓国が裏で北朝鮮の核開発に加担していたとなれば、もはや北朝鮮と韓国は同罪です。
文在寅大統領の罪は重い。
2018/11/14(水) 午後 9:56 泉城


> 石田泉城さん
こんばんは。コメントをありがとうございます。フッ化水素は戦略的な輸出品目で日本企業が独占的に製造しており、米国が日本政府に韓国への輸出許可を出さないように言ってきたという話ですね。

韓国の主要紙ではまだ報じられていないようですが、ネット上では韓国の半導体製造に必要なフッ化水素はあと4か月分しかないらしく、焦りの声も出ているようですね。

韓国が北朝鮮に横流ししていたということは、韓国はもはや米国にとっても同盟国ではありえないということらしいですね。在韓米軍基地や在日米軍基地への韓国人の立ち入りの制限がかかるようになったそうですね。文在寅大統領はやはり北朝鮮の工作員であったとみるべきなのかもしれませんね。

韓国国内で、文在寅大統領に対するロウソクデモ→弾劾という流れがそろそろ出始めているようですね。やはり「歴史は繰り返される」ということですね。
2018/11/14(水) 午後 10:32 kamakuraboy

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