美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

こんな学校でこんな子どもを育てたい

2006年03月29日 | 学校・教師考
先日、大阪の府立高校の民間出身の校長が辞任するというニュースがありました。新聞記事からだけでは事の真意はわかりませんが、そこにあったのは現場とのコミュニケーション不足ではなかったのかと思います。

校長・教頭に限らず、現場の先生方の気持ちの中に「こんな学校にしたい、こんな生徒を育てたい」という強い思いが満ちていないと、なかなか学校は活性化していきません。これは教師一人一人の自覚と言うよりは、そのような気持ちにさせるという管理職の大切な指導性ともいえます。
管理職からは「個々の教師の取り組み意欲が低いからなかなか学校づくりがうまくいかない・・・」現場の教師からは「管理職がしっかりしていないから・・・」とすれ違いの思いがよく生まれます。責任のなすり合いとまでいかなくても、基本的に教師の思いがばらばらになっている典型と言えます。

校長は学校をどうしていきたいかという舵取り役でなければはなりません。「皆さんの意見を伺ってから・・・」という姿勢ばかりでは、学校のビジョンは見えてこないでしょう。
校長自らが教育ビジョンをしっかりと持って、そして、多くの情報分析をしっかりと行い、「学校をこうしていきたい・・・」というビジョンを示せば、現場の教師はそれぞれの立場から、賛成意見、反対意見、修正案など様々な意見を出すこともできます。そこからコミュニケーションを深め合うことがよき学校づくりの始まりとなるのではないでしょうか。
しっかりとしたビジョンとコミュニケーションが3年後5年後の学校作りのベースとなります。


今は学校現場でも、数値目標・・・成果主義・・・効率化・・・などがよく言われます。
しかし、まだまだ未成熟な学生の成長を見守るのが学校の役割であるのだから、いっぱい失敗もし、数値では計れないことの中にも一人一人の価値観の充足があり、時には効率の悪いやり方のほうが生徒の心を大きく育てる事だってあるということを、一人一人の教師が、そして、学校という組織体が決して見失わないようにしたいものです。


<こんな学校を作りたい>
清潔で規律ある学校……豊かな感性を養うために、落ち着いた気品ある環境が整った学校

心が通い、活気があり、賢くなる学校……友達とつながり、先生と出会い、それぞれの持つすばらしさに共に学んで高めあう学校

心豊かで、思いやりの心、温かさと潤いのある学校……一人一人が自分を大切にして、生命をいつくしむ心を大切にする学校


<こんな子どもに育てたい>
意欲ある子ども……自ら学ぶ意欲・姿勢を持ち、心豊かにたくましく生きる子ども

強い子ども……柔軟な身体を持つ子ども

やさしい子ども……自然や人間の生命を敬虔な心で見つめる子ども

素直な子ども……事象の本質を見極め、物事を正しくとらえ、真実を追究する子ども

喜びを持つこども……粘りぬく子ども・・・物事を成し遂げる喜びを知り、次への取り組みにつなげる子ども

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どんな教師を目指すか・・・ | トップ | “対話・2006” 展  ―2006年4... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

学校・教師考」カテゴリの最新記事