俳優の小沢昭一さんが、「週刊ポスト」のリレーエッセイ『言わずに死ねるか!』で
このように書いています。
「世の中の是は疑え」…。
……振り返ると、私は焼け跡の中で、
「生きていくための心構え」としての処世観を身をもって体得したようだ。
それは、「世の中が是としていることは疑う」ということだ。
正しいかどうかなど問題ではない。
皆が喜んでいたり楽しんでいることには、
とにかく眉がビタビタになるまで唾をつけて疑う。
一つの方向に皆の関心が向いていると感じたら、
鼻先で笑って眺めて見向きもしないに限る。
……
私は保守的な人間だ。
戦争が終わったときの実感を65年もの間持ち続けている。
65年の保守が育て上げた真心の叫びを、
遺言と思っていただければ幸いです。
良質の批判的精神。
忘れかけていた自分の原点を思い起こさせてくれるとても印象的な言葉でした。
学研CAIスクール徳島本部校
代表 松前 義明