香川文人さんは、広島市佐伯区美鈴が丘とその周辺地域を中心に、不動産業を展開している。彼は無類の勉強家で、広島市で二番目に不動産のホームページを立ちあげた。最近は、ファイナンシャルプランナーや公認ホームインスペクターなどの資格をとり、不動産業務の深化を目指している。「ちょっと変わった不動産屋さん」が、香川さんのプロフィールである。
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<一言メモ>
香川文人さんのアットホームを初めて訪れたときは、正直なところ、これで商売ができるのだろうかと思った。
アットホームは2階建ての住宅が立ち並ぶなかにあり、幟が2本と看板があるだけで、窓にも不動産屋独特のちらしがまったく張られていない。
玄関に入ると、ピンポーンとドアホンの音がして、香川さんと奥さんが玄関に出てくる。靴を脱いで部屋に入ると、10畳くらいの部屋に、ところ狭しとパソコンや印刷機などいろいろな機器が置かれていた。
不動産のPRはどのようにしてやっているのかと聞くと、
「10年位前から、ホームページを中心に雑誌広告やチラシ広告などでPRしています。16年前、初めてホームページを作ったときは、当社が広島市内の不動産会社のホームページの中で2番目でした。おかげさまで当分の間、たくさんの受注がありました。
今では不動産情報のホームページも増えましたので、ターゲットをしぼり美鈴が丘とその周辺地域を重点にやっています」
と香川さんは笑う。
謹厳・誠実・努力といった言葉が似合う人だ。
パソコンとのつきあいも長い。当初はMS/DOSのパソコンを使っていたが、1995年に、アップル・マッキントッシュのパソコンを購入し、現在まで、17年間マックとつきあっているとのこと。現在、アップルユーザーグループの委員をしているそうだ。
iPadもやっていると聞いたので、どんなメリットがあるのか尋ねると、
「最近は、一物件につき50~60枚写真を撮っていますが、印刷はとうていムリです。そこで、iPadでお客さんに見てもらうようにしています」
どんな仕事に重点を置いているかと聞くと、
「これからの不動産の仕事は、片手間(不動産情報だけ)ではできないと思います。昔はお客さんに一部の情報だけ知らせていましたが、現在は消費者保護が強くいわれるようになり、情報公開が求められています。古いやり方では若い人に通用しません。そこででき
るだけ多くの情報を公開するように心がけています。
そのほかに、ホームインスペクション(建物診断)やリフォーム、ライフプランなど不動産に関わる様々な提案ができる能力が求められるようになってきました。これに対応していくため、一生、勉強だと思っています」
と彼は答えた。
いちばん大切に思っていることは何かと尋ねると、
「お客さんの笑顔。それだけを楽しみに仕事をしています」
ぼくの頭の中にあった不動産屋さんとは、かけ離れた人だった。