黒鯛寅次郎さんは、その名のごとくチヌ釣りに命をかけている男です。
26歳から15年間、チヌ釣り一筋に生きてきました。驚いたことに、息子さんの三平くんは2才半で小さなチヌを釣り、6歳で47センチのチヌを釣り上げたとのこと。
黒鯛さんは、これからの夢を次のように語ります。
「プロのチヌ釣り師が、釣りだけで食べていけるような世の中にしたいですね。そのためには、チヌ釣り文化のレベルアップを図らなければいけません」
詳細⇒http://www.epocaclub.com/
<一言メモ> 黒鯛寅次郎さんは本名が羽納純一。チヌ釣りをライフワークにしている。
チヌ釣りの魅力について尋ねると、
「チヌの銀色の魚体に黒い縞模様がある姿は、魅力的・神秘的です。釣れるときは手がしびれるほど釣れますが、釣れないときはいくら撒き餌をしてもまるっきり反応がありません。チヌは狡猾・貪欲といわれながらも、気高く純真といえる魚です。
チヌ釣りは、磯のほかに防波堤、いかだでもできるのが魅力ですね」
と彼は答えた。
黒鯛さんがチヌ釣りを始めたのは26歳だった。
27歳のときに結婚。結納の前日に船で磯に渡った。初めての磯釣りだった。大雨と強風という最悪のコンディションのなかで、50センチと45センチのチヌを釣り上げた。
ところが、思わぬアクシデントが起きた。強風のため金網の底が抜けてチヌが逃げ出したのである。彼はチヌが泳いで逃げていくのを見て涙が出たという。
それから大スランブに陥り、まったく釣れなくなった。それにもう一つ大きな悩みがあった。結婚して6年にもなるのに、子どもができないのである。
彼は思いあぐねて、1年間は釣りをしないと願をかけたところ、すぐに子どもに恵まれた。さっそく釣りを再開する。不思議なことに大物がばくばく釣れ始めた。彼は釣りの神様がいると思ったそうだ。
生まれた息子の三平くんは、お父さんの血を確実にひいたいた。2歳半のとき小さなチヌを釣り、6歳のときにはなんと47センチのチヌを釣りた上げたのである。
黒鯛さんは、これからの夢を語る。
「プロのチヌ釣り師が、釣りだけで食べていける世の中にしたいですね。アメリカではバスフィッシングで、年間2億円の収入のある人がいるそうです。
広島は全国的にみてもチヌがよく釣れるところで、広島のチヌ釣りは非常にレベルが高いんです。広島からチヌ釣り文化を広げていきたいと思っています。
現在のいちばんの課題は、釣り場が汚れていることです。われわれプロ仲間は、1つずつゴミを拾って帰ろうと意識を合わせています」
彼は、夢の実現に向けて、フリーマガジン「ヒロシマスタートライン」(10ページ程度のカラー版)を年約4回発行し、広島のチヌ釣り情報を発信している。また、BSテレビ局が発信している広島の釣り情報のお手伝いもしている。
最後に彼は次のように語った。
「プロのチヌ釣り師、一般の釣り愛好者、釣具店等協力会社の三者が、みんなプラスになるようなことをしたい。1人でやれることには限りがあるので、理解者・協力者を1人でも増やしていきたい」