ネアンデルタール人が絶滅したときに、最後の人が必ずやいた。NHKスペシャルで国分拓ディレクターを務めた「アウラ」を見た。ブラジルのアマゾンの奥地に文明と未接触の原住民は「イゾラド」と呼ばれる。多くの原住民集団が絶滅していった。ポルトガル人たちが入り込んできては病原菌を持ち込み、耐性のないイゾラドは絶滅していった。文明人と接すると病気になることを知ったブラジル政府は慎重にも慎重に接し、現在では保護区として従来からの生活を保障して原住民の保護に努めている。
その昔、アマゾンに入り込んだのはキリスト教の布教者である。とくに福音派やイエズス会は半端じゃない。原始キリスト教の使徒さながらに、過酷な布教を行うのである。全部成功するわけではないが、聖職者の次にはだいたいが軍隊がやってきて、つぎにはガリンペイロ(金などを求めて開拓に入ってくるもの)が銃を持って入ってくる。
そんなアマゾンの奥地で二人のイゾラドが発見されたのは確か1987年だった。この二人が話す言葉は他の原住民も理解できなかった。彼らは文明人に怯えた。その後、言語学者が三十年に渡って調査に入ったのだが、それでも言語の全容はわからず、どうして二人だけになってしまったのか、何が彼らの村に起こったのか、正確にはわからないが、ちょっとづつ単語の意味がわかってきて、その単語によって想像することが可能な段階に入ってきた。火、大きい、音、空・・・・・・。2015年、相棒のアウレが死んだ。片脚の不自由なアウラが今も生き残っている。言語学者がちょっとわかる程度で、他の職員はわからない。アウラは一方的に何かにつけてを話すがわからない。
彼がいた集団があったはずだ。その集団には独特の言語があった。三十年前の二人はすっぽんぽんの裸であった。三十年後も文明に溶け込もうとしない。小さい頃弓矢を作る役割を与えられていたようで、まだ大型の動物を狩る技術は教えてもらっていなかったようだ。ある時、村で何事かが起こり、幼い二人は運良く災難を免れたのだろう。それから移動しつつアマゾンの恵みを受けて生き延びてきた。
アウレが死にアウラもそれほど長く生きられないだろう。最後の一人である。
アマゾンに入り込み、一攫千金を夢見る荒くれたち。荒くれが集まる村ができると、バーができる。女もやってくる。これはオレの土地だと、ここで金を採れば、3割与える。米と豆、道具も与えるものがでてくる。
国分拓はガリンペイロをも取材した。「ノモレ」という本もだし、イゾラドを画像で追うばかりでなく、文にもしている。やはり「ヤノマミ」とともに暮らして取材する勇気には根性というものを感じる。彼はアマゾンの歴史と現在を先住民を軸に取材している稀有なディレクターである。
その昔、アマゾンに入り込んだのはキリスト教の布教者である。とくに福音派やイエズス会は半端じゃない。原始キリスト教の使徒さながらに、過酷な布教を行うのである。全部成功するわけではないが、聖職者の次にはだいたいが軍隊がやってきて、つぎにはガリンペイロ(金などを求めて開拓に入ってくるもの)が銃を持って入ってくる。
そんなアマゾンの奥地で二人のイゾラドが発見されたのは確か1987年だった。この二人が話す言葉は他の原住民も理解できなかった。彼らは文明人に怯えた。その後、言語学者が三十年に渡って調査に入ったのだが、それでも言語の全容はわからず、どうして二人だけになってしまったのか、何が彼らの村に起こったのか、正確にはわからないが、ちょっとづつ単語の意味がわかってきて、その単語によって想像することが可能な段階に入ってきた。火、大きい、音、空・・・・・・。2015年、相棒のアウレが死んだ。片脚の不自由なアウラが今も生き残っている。言語学者がちょっとわかる程度で、他の職員はわからない。アウラは一方的に何かにつけてを話すがわからない。
彼がいた集団があったはずだ。その集団には独特の言語があった。三十年前の二人はすっぽんぽんの裸であった。三十年後も文明に溶け込もうとしない。小さい頃弓矢を作る役割を与えられていたようで、まだ大型の動物を狩る技術は教えてもらっていなかったようだ。ある時、村で何事かが起こり、幼い二人は運良く災難を免れたのだろう。それから移動しつつアマゾンの恵みを受けて生き延びてきた。
アウレが死にアウラもそれほど長く生きられないだろう。最後の一人である。
アマゾンに入り込み、一攫千金を夢見る荒くれたち。荒くれが集まる村ができると、バーができる。女もやってくる。これはオレの土地だと、ここで金を採れば、3割与える。米と豆、道具も与えるものがでてくる。
国分拓はガリンペイロをも取材した。「ノモレ」という本もだし、イゾラドを画像で追うばかりでなく、文にもしている。やはり「ヤノマミ」とともに暮らして取材する勇気には根性というものを感じる。彼はアマゾンの歴史と現在を先住民を軸に取材している稀有なディレクターである。
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