部活が忙しく、アルバイトもままならない状態ですので、みんなでお金をだしあって美白化粧水や美容液を共用品として購入したりもしました。大きな透明のビニールシートで水面を覆い、日光で無理やり水温を上げて、4月からプールに入っていました。水の中に飛び込むと、底の方は氷水のように冷たく感じます。夏が近づき、日焼け止めを手にするたびに、あれでもないこれでもないと仲間と吟味しあったことを思い出してしまうのでした。もちろん、気温も低く、肌寒い状態です。そんな思い出深い部活動では、水泳部に所属していました。
プールサイドのマネージャーは足がつって溺れてしまう部員のために、ビート板の束を近くにおいていて、溺れるとビート板を投げてくれます。一応、水温計は20度をさしてはいますが、温かいのはビニールシート効果であたたまっている水面近くだけです。私の高校生活の一番の思い出は、必死で打ち込んだ部活動のことになるかと思います。気温も水温も低いですが、紫外線や日差しはわりと強いので、5月には全身こんがりと日焼けした状態になってしまっています。笑った真っ黒な顔から歯だけが白く光って見えている感じです。いくら部活で仕方無いとはいえ、10代の女の子ですから、美容にも興味が出だすころです。
なるべくなら、肌を傷めないように日焼け止めのひとつも塗って水に入りたいところですが、プールの水が汚れてしまうので、もちろん禁止です。公立高校の水泳部ですから、プールはもちろん屋外にありました。ほとんど罰ゲームですよね。溺れた部員はプールからあげられると、プールサイドで用意してある毛布をはおってぶるぶる震えて体が温まるのを待ちます。今だに同じ部の仲間とは、何かと連絡をとりあい、新年会や忘年会、花見にバーベキューと家族ぐるみの付き合いをしています。温まりしだい、また水の中に戻るのです。
確か、５月に卒業写真を撮ったのですが、私はすでにかなり色黒になってしまっている状態で写真に写り込んでいました。女子部員同士で日焼けに効く化粧品の口コミの情報交換やボディケアの方法の伝授をしあったりしたのもいい思い出です。購入する前には、コーセー、カネボウ、資生堂、ランコムなど、たくさんのメーカーの試供品を大量にもらってきて、みんなでどのメーカーのものが効果があるのか試してみて投票して商品を決めたのもいい思い出です。美白とは一番遠いところに水泳部のメンバーはいました。プールの壁をけってけのびをした途端に、体が冷え切っているので筋肉が固まってしまい、足がつることもしばしばあります。