煙草を吸う方はビタミンCのサプリメントを重点的に摂取するように心掛けたり、また美容の面でも食事では摂取が難しいコラーゲンなどのサプリメントも有効ではないでしょうか。けれど多忙な現代社会では、毎日3食規則正しい時間に栄養バランスを完璧にして食事をすることは、ほとんど不可能といっても良いでしょう。けれどサプリメントは本来健康に良いものですから、健康に良いものを多く摂っている=良いことをしている、という図式が頭の中から消えず、悪いことをしているのではないのだから、と本人の「過剰さ」を意識しにくいのです。従ってどうしても足りない栄養素というものが出てきますから、そうした補充的な意味ではサプリメントは利用価値のあるものだと思われます。定期的に飲み続けることも大事ですが、飲み忘れることで効果がなくなる、とパニックになったり思いつめてしまうようでは、精神的にも健康とは言えません。
サプリメント依存症の方が自分では依存症だと認識できなかったり、分かっていてもやめられない、という状態に陥るのは、目的が「健康」にあることが大きく関係しているようです。従来アルコールや薬物、煙草やギャンブルといった依存症の代表である依存対象は、それ自体「悪い」ものです。要はサプリメントを「全く摂らない」や「過剰に摂取する」のではなく、個人の生活と目的に合わせ、バランスよく取り入れることが大切なのです。まだサプリメントを実際に飲んだことがない、と言う方は、どんなサプリメントがあるのかを調べるだけでも、身体に必要な栄養素の種類を知ることができますし、少し依存気味かもしれない、という方は、もう1度1日に摂取しているサプリメントの量と種類を見直し、食事で補えるものは食事に切り替えるなどの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
栄養面だけではなく、咀嚼は健康に欠かせません。反対派は科学的エビデンスが立証されていない、害があるかも知れない、といった理由を挙げ、食事だけで栄養素は十分に摂取できると主張します。よく噛んで食べることで、唾液が分泌され、身体の新陳代謝を高めたり、空腹感を満たして肥満予防に繋がったりします。今、サプリメントに対しては「必要」、「不必要」という2つの相反する意見が存在します。
サプリメントに頼り過ぎることはお勧めできません。咀嚼なしに摂取できるサプリメントはその手軽さが便利なのですが、そういう意味で「栄養だけ」という機能しか持ちません。健康のためのサプリメントによって、食事が疎かになっては本末転倒です。サプリメント中心の食生活では、食事に対して満足感を得ることができず、極端に食事の量を減らすといった摂食障害を引き起こす恐れすらあります。