えんばたけ

たいしたことではないけれど、
言葉にせずにはいられないんです。
聞いてくださる?

灯油

2005年11月16日 04時11分53秒 | 晴れどきどき介護
灯油が必要な季節になると、毎年思い出します。



いいえ、灯油を給油するたびに思い出しています。



母が左半身マヒになって、はじめての冬。

不自由になってしまった自分の身と将来を悲観して、
会えば泣いていた母。



母は、灯油をかぶって火を点けようと
本気で思っていたそうです。


家に父がいない時間、
灯油タンクをひきずるように部屋へ運び・・・。


右手でフタを開けようとするも、
固くしまったフタは、どうやっても開かず・・・。


死ぬことすらできないのかと、
畳みを叩いて泣きじゃくった母。


家に帰った父が見たのは、
電気も点けずに嗚咽している母と、
室内に置かれたオレンジ色の灯油タンク。



このことを聞いたのは、
完全に母が立ち直ったあとでした。



倒れた日も、この日も、
死なずにいてくれてありがとう。。。