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Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

めげない・・・その2

2008-04-14 13:00:15 | お気に入り
先ほどブログを書いてから、家事をしながら…のつもりが、ついつい引き込まれて

昨晩、放送のETV特集 第221回

「神聖喜劇ふたたび~作家・大西巨人の闘い~」の録画を観てきました。(以下引用)
 
『「神聖喜劇」。原稿用紙にして4700枚、全5巻からなる作家・大西巨人の長編小説である。みずからの長崎県対馬での軍隊経験を基に、陸軍内部の理不尽さを、初年兵の痛烈な批評眼からあぶり出した作品。重厚かつユーモアにあふれ、戦後文学の金字塔と言われる。』(引用ここまで)

初めて知った「91歳で現役の作家」の姿は、私には

おそらく「書かずにはいられない人間としての強い衝動を抱えた人」そのままに見えました。

「作家とは、どんなものでしょうか?」の問いに「…俺のようなものさ」との答は

まさに、納得!!です。

番組の構成は、実際に戦争時代に過ごした対馬を訪ねる様子や
作家の生きてきた軌跡を追いながら
小説の重要な場面を、俳優による朗読と漫画の絵でつないで重層的に再現していました。

こんな極限の状況をくぐり抜けながらも…

ナニモノにも屈しない強さと、めげない…明るさのようなもの
そして、人間としての厳しくもあたたかなまなざしを感じました。


それにしても…戦争なんてものが、なんであるのでしょうか~?


先日、傾聴ボランティア講座で知り合った方のご紹介で、
福祉協議会で開かれた遺族会主催の映画鑑賞会に参加して

クリント・イーストウッド監督作品「硫黄島からの手紙」を観ました。

目を背けたくなるようなシーンがたくさんあって、私はどうにも胸が苦しくなってしまいましたが
実際にその戦場に、私の父より少し歳上のごくフツウの人たちがかり出されて
そして、多くの方が亡くなったんですよね…

そんな歴史を考えながら…
一体、これから何をどうすればいいのか…思いあぐねてしまう私です。


さて…そんなことをツラツラと考えつつ

先日ご紹介した菅野覚明著「武士道の逆襲」と
宮尾登美子著『天璋院篤姫』の下巻を、ほぼ同時に読みきりました。

(夢中になると、ついつい寝食を忘れて
家事もしないで読みふけってしまうので・・・ほんとうに困りものデスが。)


前書は、いわゆる武士が闘っていた時期の「武士道」のありさまを明らかにしている点と

明治期以降に、「武士道」と言う必要があった事情などを教えてくれている点が

とっても面白く、特に新鮮に感じました。

武士やお侍さん…というと、私などはドラマのイメージが先に立ちますが…

実際の歴史をよくよく観てみれば、そこは斬った張ったの「生き死に」の現場だったのですね。

私が特に興味を惹いたのは、第3章の「主君と家来」の中の武士たちの姿でしょうか?(以下引用)

「家の子郎党という言葉がよく表しているように、武士というのは、家族ぐるみの戦闘者である。何の誰兵衛という一人の武士は、決して一匹狼の武芸者ではない。特定の土地(所領)の上で生計を共にする「妻子眷属(けんぞく)」に根ざした戦闘者。それが武士というものだ。個人としての武士の名は、血族や譜代の従者、郎党を含んだ共同体を代表しているのである。
 武士は、必ず背後に親密な共同体を背負っている。(中略)武士の共同体が、大まかには、妻子家族と、従者郎党を構成要因としていると見るなら、そこにおける人間関係は、親子関係(儒教的な説明概念としては孝)と主従関係(同じく忠)の二つに分けられよう。」(引用ここまで)

そうそう…たまたま鎌倉の小中学校に通っておりましたので
「鎌倉子ども風土記」を学んだり(今は、どこに行ってしまったのでしょうか?)

学習発表会では、源氏と平家の歴史ものや
鎌倉幕府をテーマにした劇をやったことがありましたっけ。

有名な逸話では「鉢の木」とかが、ありましたね。

それからツラツラと思いだすに…私が母のピンク色の道行きを着て源実朝を演じて

下駄履きの公暁役の背の高いIクンが、大銀杏の影から飛び出してきて…
暗殺されるというシーンがありました。

それにしても、恐ろしくも懐かしい…想い出の出現です。

サテ・・・そんな武士の生き様を読み進める中…

大河ドラマ「篤姫」の『一方聞いて沙汰するな』のセリフに惹かれて
読み始めた小説『天璋院篤姫』は、いよいよその武士たちの世の最後の一場面です。

(ぜひ、男の方の描いた明治維新へ進んでいく様子も読んでみたくなりましたが…)

上巻は、ノンビリと「原作から、ドラマってこんなふうに膨らませて作っていくんだなぁ・・」なんて、
感心したり驚きながら、ゆっくりと読み進めましたが

下巻に入る辺りから、篤姫の波乱に満ちた一生と
徳川幕府の命運がひとつの織物のように絡み合うさまに

思わず引き込まれながら、一気に
(細かい歴史的なややこしいところは飛ばしながら…2日ほどで)読みきりました。

後世に伝えられている歴史の在り様と「一人の女の一生」とを
(良い意味での)女性の作家が描くことの面白さを
十二分に堪能させていただいたような気がします。

作品から浮かび上がる「篤姫」という人が
頼りがいのあるリーダーに成長していく様子も面白かったですし

しっかりとしつつしなやかで、筋を曲げない強さと
ものを真っ直ぐに見通す眼力と…時に激しくも、人の情に篤い…

そして血の通った、揺れ動く心を秘めた篤姫の姿と
作者の宮尾登美子さんのまなざしを重ね合わせていたような気がします。

私自身はこれまでに、宮尾登美子さんの本は読んだことがなくて
新聞連載の「序の舞」だったか「松風の家」か
「クレオパトラ」が、おぼろげな記憶に残っています。

またまた、これからもっと読んでみたい本が目白押しです。

(ところで…最後のほうに出てくる「里見八犬伝」といえば…

私は、NHKの人形劇を観ていましたが、確か辻村ジュサブロウさんのお人形でしたね。

あれも、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」がキーワードでしたっけ。)


お話は現在に飛んで、ふと思い出したのは…


お正月に放送していた『NHKBS特集 33か国共同制作 “民主主義”
 リベリアの「女の内閣」(Iron Ladies of Liberia)』

ジョンソン=サーリーフ大統領の姿です。

大らかでいながら、細やかで…

まさに「肝っ玉母さん」という感じの方でしたね~!!


女性ならではの視点と特長を生かしつつ

さらに、男性・女性にかかわらず…

大きな視点とあたたかなまなざしで人を見つめる姿を…

私も…少しずつでも見習いたいと想いました。


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