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青葉城恋唄

仙台生まれ、仙台育ちの40代女性。
日々の生活で考えたことを記す雑記帳。

読書感想「虹の彼方」

2011年11月15日 | ほん
大人の恋、でも切羽詰った恋。

『虹の彼方』
著:小池真理子
発行:集英社

図書館で借りて読みました。
面白かったら買おうと思ったけど、結末がいまいちだった。



小池真理子は不倫の関係を描く恋が多いような気がする。
しかもどちらも結婚しているという設定。

この作品の主人公、志摩子と正臣もお互いに家族がある。
40代になって出会った2人が一目で恋に落ちる。
夫も妻も子どもも意識の外に追いやられ、
互いが互いのことしか考えられなくなる。
少しの間も離れていられなくなって、
仕事に支障をきたすようになってしまう。

まるで高校生の恋。

これまで読んだ小池真理子作品と違うのは、
彼らが有名人である事によって、
お互いの家族だけではなく、世間の目が介入してくる点。

女優の志摩子と作家の正臣の恋は人に知られるところとなり、
世間を少なからず騒がせ、各々の家族をも巻き込んでしまう。
2人の行き着いた先は?


これまで読んだいくつかの小池作品のように、
最後は心中してしまうのかと思ったけど違った。ホッ。


女性の側の夫婦に子どもがいないという設定も多い。
その原因は夫にあることもある。
女性側の夫婦は穏やかに暮らしている。
志摩子の夫、坂本も病気をしてからすっかり生気をなくしてしまっている。

そういう背景を踏まえてみると、
志摩子は正臣との恋に文字通り「性」を求めていたのかな。
夫との生活で失われてしまった性。


男女は身体でつながっているのが幸せか。
それとも心でつながっているほうがいいのか。
どっち、とも言えないんじゃないかな~。

2人は世間の目から逃れるため、上海へ飛ぶ。
ここからどういう風に日本へ帰ってくるのかが気になったんだけど。


私の好きな小池作品は
「恋」とか「無伴奏」のように、
主人公の回想形式で展開する話の方かも。
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