-196℃の部屋

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と、とっても大きいお…(//ω//) ~パリトキシン~

2011-02-14 23:11:13 | なんとなく有機化学がわかった気になる
どうも、ここ最近は劇毒物や薬関連の記事を上げてることが多いボクです。

やぁ、でもこういうの好きなんですよ。高校のときにソレ系の本を買ってしまう程度には…(ΦωΦ)
や、危ない目的じゃないですよ? 単純にこんな分子がどうして人体に影響を与えるのかが気になっただけなんですよ。
以前に上げたカフェインやテオブロミンみたいに、分子上ではたかが1ヶ所がHかMeか違うだけなのに、効能はだいぶ変わってくるわけで、そういうのが不思議であり面白いんですよね。

さておき、今回の毒物はこれだっ!



このブログでも以前取り上げたことのある、超巨大海洋性天然毒物「パリトキシン(PTX)」!
はい、今回がんばって書いてみました!
ちなみに以前の記事はこれ→パリトキシン関係の論文をゲットした(`・ω・´)
これはパリトキシンの全合成に関する論文関連を一部リンクした記事です。
名前の由来は別にパリで見つかった毒だから、ってわけではなく、パリソア(Palythoa)という原始的なサンゴがから初めて単離された毒だから、パリトキシンってなったのよ。

構造は…まぁ、とにかくでかいっすね( =ω=)
分子量2680もあるし…
少し面白いのは、割と単結合や二重結合なんかで繋がっているって点ですかね。
海洋系天然物ってマイトトキシン(MTX)にしてもシガトキシン(CTX)にしても、割とでかい分子のやつってエーテル環がいくつも縮環したポリエーテル環構造を主骨格に持つものが多いですよ。もちろんそればかりじゃないけど。
でこれ、末端同士が繋がったりして超でかい環構造を作ってるってわけでもなく、うねうねとした直鎖的な構造なわけで、割といろんな部位がくるくる回転してフレキシブルに動きますね。
こういうのって結構厄介なんですよ。何か体内のタンパク質なんかにくっついたとき、それだけ自由度があるってことは、形状がいろいろ変えられるわけで、そうするといろいろと生体内でのいろんな働きを阻害したりして。
ポリエーテル環構造のものでも、大抵は六員環や五員環のエーテル環がメインになるんだけど、一部、七員環や八員環のエーテル環が縮環してる部分もあって、そういう部分はやはり、動きの自由度が大きくなったりするらしいです。

ちなみに、パリトキシンはどう作用してるかはあまりわかってないらしいけど、とりあえず、テトロドトキシンやサキシトキシンとは逆で、Naチャネルを開けっ放しにすることで神経細胞の脱分極を阻害するそうで。シガトキシンと似たような感じなんですかね。
なお、この化合物は上記のサンゴだけでなく、いろんなやつが持っていたりする割とポピュラーな毒なので、渦鞭毛藻類のプランクトンが生産してるんじゃ
ないかって話です。

やぁ、海って毒の宝庫ですね、怖いですね(´=ω=)

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