-196℃の部屋

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今日の実験~アセトアニリドの合成~

2008-10-30 22:02:25 | 学校
明日から火曜まで大学祭関係でお休み。5連休なり。

さておき、今日の実験ではアニリンからアセトアニリドを合成した。
アセトアニリドはアニリンに無水酢酸を反応さることで合成できて、アニリンの-NH2が-NH-COCH3になったものである。

まずアニリン水溶液に塩酸を加え、続いて無水酢酸、酢酸ナトリウム水溶液を加えてかき混ぜる。
ちょっと結晶が出てきたら、氷水で冷やしてさらに混ぜ混ぜ。
これで出てきた結晶がアセトアニリドである。
これを吸引濾過して回収すると、このようなものが。


白色結晶である。

次はこの結晶から水分を奪う作業。
これには蒸気浴を用いた。
ナスフラスコに入れた結晶を下からあっつい蒸気で加熱して、結晶の水分を蒸発させようということである。
発生した水蒸気はポンプで吸引してフラスコ内に残らないようにした。

そして加熱することしばし…
あれ…? 何かうすーいピンクぽい色に…
これは不純物の混ざってそうな予感。

結晶の水分を飛ばしたら、最後に「こいつ本当にアセトアニリドか?」という確認作業。
これは融点測定で確かめる。
アセトアニリドの融点は文献値によると溶け初めが113℃、溶け終わりが115℃であるらしい。
もしこれに極めて近いに値にならなかった場合は、結晶を水に溶かして再結晶させ、これを吸引濾過し、再び蒸気浴で水分飛ばす作業を行い、再び融点を測定する。
それでもダメだったら再びみz(ry

融点測定の結果、109-112℃。
再結晶突入だコレ!(涙)

惜しかったけど、どうやら不純物が混じってたらしい。
あの色だし8割ぐらい覚悟してたけどさっ

ということでアセトアニリドを水に溶かす作業。
アセトアニリドは水には溶けにくいけど、100℃近い熱水だと溶解度は1g/20mlになる。
そんなわけで3.2gあった結晶を溶かすために約65mlの水へ。
混ぜ混ぜ。混ぜ混ぜ。
……微妙に溶けきんない!
悔しかったので5mlほど水増し。
すると溶けた! 時間かかったけど!

これを冷水で再結晶させて、求引濾過して…!

……と、ここでタイムアップ。(うちは午後7まで)

なんと融点測定は来週水曜に持ち越されてしまったのであった。
終わんなかったよorz

そんなわけで来週はH-NMR+融点測定になったのであった。

しかしボクは信じている。
再結晶させたんだ、お前はPureなんだと!

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-12-06 00:15:21
再結晶法で得られたアセトアニリドの確認方法を調べていたらこのブログにたどり着いたので拝見させていただきました!
私は学生なのですが、やはり融点測定法や沸点測定法が説明しやすいですよね。NMRなどは未知すぎてわからないので。。
アセトアニリドに何かを加えて反応させて得られる生成物が一通りのものがあったらそういうのもありかな、とも思ったのですが。。
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コメントありがとうございます。 (液体窒素)
2013-12-06 18:51:37
NMRは、ボクも学部生時代だったときはさっぱりでしたw
経験則ですが、NMRは参考書などで読んでもまず頭には入ってきませんね。
研究室に入って日常的に使い始めてようやくわかるようになり、わかるようになるとむしろ融点測定とかめんどくさいことはやってられなくなりますw
今の世の中はデータベースが充実しているので、アセトアニリドのような単純な化合物ならチャートを比較するだけで確認もできますしね。
化合物に何か反応させて~はそういった機器分析がなかった昔では基本的な手法ですが、化合物の量がある程度ないと試せないのがネックではあります。
そういう意味では融点測定でも試料の回収は難しいですし、最低1~5mgの量で程度で分析でき、かつ試料も回収容易なNMRはなくてはならない分析法と思います。
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返信ありがとうございます (しぐれ)
2013-12-08 17:33:47
実際に見て使わないとわからないこと、沢山ありますものね!試料の量も関係してきますよね、なるほど。。
化学に重きを置いている学科ではない、と思いたいので、
NMRは省かせていただくことにします^^
ありがとうございます
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