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[麦類] 食生活について語ろう  

2021年06月26日 | 美容ダイエット

◎麦類Family of wheat  むぎるい
 
 麦類で小麦の消費が戦後より増加を示していましたが、最近では横ばい傾向です。私たちの食生活に深く関わってきた小麦を中心に麦類についてです。
麦類としてあげられる代表的な食品として小麦、ライ麦、大麦、裸麦、燕麦があります。主に利用頻度の多い小麦を中心として解説します。

小麦の消費量、生産量等の推移 - 農林水産省
◇小麦Wheat こむぎ
  イネ科、原産地は、イラン、イラク、アフガニスタンといわれ世界で最も多く古くから栽培し、野生種は、メソポタミヤ高原といわれています。アメリカ、オーストラリア、ソ連、中国の寒冷で乾燥した地域で主に栽培されパン用の小麦が多く、欧米ではパン食を主食とすることから重要な作物となっています。
2000年以降は、飼料としてのトウモロコシの栽培が多く今まで世界の生産量首位の座を明渡し世界第2の生産量です。
日本の供給量は平成8年(1996年)1人当たり年間33kgをピークとし横ばいないし減少がみられています。1人当たり消費量は 31 ~ 33㎏で推移しています。

畑地で栽培される1、2年生の植物で草丈1m程に生長、茎が直立して分けつが4~5本程度あります。分類は、播種期、粒の固さ、皮の色により分けられています。春播きを春小麦、冬播きを冬小麦、粒の硬さで硬質、中間質、軟質小麦に、粒の赤いものを赤小麦、白いものを白小麦としての種類があります。一般にたんぱく質を多く含むのは春小麦、硬質小麦、赤小麦に多い傾向があります。

日本では、冬小麦(赤色、中間質)が多く中力粉が大部分を占めます。北海道、関東から九州での種まきは、9月下旬から11月初めに掛けて行なわれ霜避(よ)けのための麦踏みが翌年の3月頃まで随時され、その後穂が出、白く小さく花が咲き出して6月下旬より穂の中の実が入ってきて、やがて黄色く硬くなり、その頃に刈り取り収穫しています。雨の降りやすい時期であり、天気のよい日を選んで手早く刈り取りがされます。

外皮が硬いので粒のままでは食糧に適さず粉にしてふるいわけ製粉(歩留まり70~75%)されています。特性として粘着性を示すグルテン(タンパク質)を含んで品種、粉にした等級により、パン、うどん、スパゲティー(強力粉)、菓子類(薄力粉)、麩等に加工され一部は、家庭用揚げ衣、醤油の原料、飼料に用いられます。
小麦粉 こむぎこ
  小麦を粉砕し振るいにかけますが、小麦の外皮は、堅く粒で消化が悪く、溝があり、胚乳部が軟らかで米のように外皮をそのままで取り除くのが困難で精白しにくく小麦の粒の表皮に水を吸わせ全体をローラで砕き振るいフスマを取り除き粉を得ています。メリケン粉は、石臼で引いた内地のうどん粉の小麦粉に比べ品質のよいロール製粉である皮部の少ないAmerican flour(アメリカの小麦粉)という意味で使われたといいます。

小麦の中心部は、たん白質が少なく、外皮の方になるにつれ灰分(かいぶん)等多くなり等級が下がります。3等粉は、灰分が多く味、色がよくないので主に工業用とし澱粉(グルテンを取り除いた副産物とし得られる)、グルタミン酸、糊の原料にされます。用途別には小麦粉の種類により強力粉、中力粉、薄力粉に分けています。

🍞🥪パン、🍜麺類、🥟餃子の皮、🍕パイ、🍩ドーナツ、🎂🍰ケーキ、揚げ衣、スープのとろみづけ、打ち粉等に利用されます。

パンに適する強力一等粉で硬質小麦が多く用いられ湿ぷ量(グルテンの含水物のままの量)40~45%、乾ぷ量(一旦加熱乾燥したものの量)13~15%でおもにアメリカ、カナダからの輸入に頼っています。
スパゲティ、マカロニに利用されるのは、硬質小麦(デュラム小麦)、で作られ、たん白質13%(ほぼグルテンの量)を含みカナダ、アメリカより輸入されます。
麺(うどん・ソーメン・中華麺類)に使われるのは、中力粉で中間質小麦が多く用いられ湿ぷ量25~30%、乾ぷ量8~10%でオーストラリアからの輸入が多く、国内産が使われます。
洋菓子、天ぷらに利用される薄力粉で軟質小麦が多く用いられ湿ぷ量20~25%、乾ぷ量7~8%でアメリカから輸入されます。
日本で使われている小麦の約85%が輸入小麦でまかなわれているのです。

中華麺は、小麦粉のフラボノイドがアルカリで黄変しかん水(炭酸ナトリウム+炭酸カリ:天然水としてもある)で色がつくことによるものです。小麦粉、粉類(米粉、ライ麦粉など)は、水で練っただけでは油で揚げる菓子を作るときに破裂してやけどをする危険性があり、ドーナツ、アメリカンドッグなど水で練った生地の場合は、小麦粉100gに対しベーキングパウダー3g以上と砂糖10g以上の両方を必ずいれることなどが必要とされています。小麦粉100g中でエネルギー368kcal、水分14.0g、たんぱく質8.0g、脂質1.7g、炭水化物75.9g、食物繊維2.5gを含みます。
小麦蛋白質 こむぎたんぱくしつ
 全粒は、果種皮、糊粉層、胚、盤状体、胚乳部に分かれ小麦粒に10%(軟質小麦)~13%(硬質小麦)の蛋白質を含んでいます。果種皮を除いた外側に多く含み糊粉層、胚部にアルブミン、グロブリンが多くなってます。胚乳部はグルテニンとグリアジンでほぼ同じ量で小麦蛋白質の80%を占め、グルテンと呼ばれます。小麦粉の蛋白質は、グルテニンとグリアジンよりなるグルテンが多く、その影響でトリプトファン、スレオニン、リジンの必須アミノ酸が少なくなっています。

 パンに使われる麦としてライ麦があります。

◇ライ麦 らいむぎ
  イネ科、小アジア(アナトリア半島:現トルコ)原産で北欧、ロシアの寒冷、乾燥地での栽培が多くなっています。小麦、大麦の成育しにくい地方での栽培がされ日本には明治初期に導入されて主に北海道で栽培されています。小麦より、穂、種子が細長く高さ1.5~3mにも長くなります。麦角菌(有毒)が繁殖しやすい品種ですが小麦同様に製粉して小麦粉と混合しパンにして、黒パンともいわれ利用されます。

他にウイスキー、ウオッカの原料にされています。蛋白質は、小麦と同程度に含まれますが粘ちょう性のあるグルテンがなくパンを作るのに酵母の代わりに乳酸発酵、酢酸発酵の酸によっての発酵方法が取られその有機酸によって膨張させています。そこで小麦粉を半分以上混ぜ作られることもあるのです。ライ麦には、色素成分が粉にした部分にもあるのでパンの色が黒っぽくなりますが特有の香りがあり小麦パンより保存性が高くなっています。粘性に乏しいのでぱさつきがあり、味覚は劣ると言います。
 100g中で全粒粉エネルギー334kcal、水分12.5g、たんぱく質12.7g、脂質2.7g、炭水化物70.7g、食物繊維13.3g、ライ麦粉100g中でエネルギー351kcal、水分13.5g、たんぱく質8.5g、脂質1.6g、炭水化物75.8g、食物繊維12.9gを含む。ライ麦パンは、ライ麦粉50%を含んで100g中でエネルギー264kcal、水分35.0g、たんぱく質8.4g、脂質2.2g、炭水化物52.7g、食物繊維5.6gとなります。

  パン(Bread 麺麭)の語源は、ポルトガル語Pao(糧:かて)で16世紀室町時代に南蛮船によって伝わったといいます。一般に普及したのは明治以降とされ、イースト(酵母)が使われるようになったのは19世紀後半からといわれます。パンは、グルテンを多く含む小麦粉で作られていますが、ライ麦パンは、ライ麦のタンパク質が酸に合うとグルテンと同じような働きをすることからパンが作られます。

小麦粉パン(アメリカ式白パン・フランスパン)とライ麦パン(黒パン)に大別されます。フランスパン(グルテンが少ない)は、そのままでバターを塗ったりして利用されています。食パン(グルテンの多い強力粉)はトーストすることによって香ばしく、サンドイッチにしたりして利用の頻度が高くなっています。

グルテンの多い強力粉で作られたパンは、保水力が大きく水分が食パン38%、フランスパン30%程度です。パンはホットドッグ、クルトン、パン粉にも使われています。

水分蒸発量が2%/1日あり硬くなり老化しやすく香りもなくなるので空気に触れさせないよう包装し冷蔵、冷凍保存するとよいでしょう。菓子パン称されるアンパン、クリームパン、ジャムパン、チョコレートパン類は日本独自の製品です。アミノ酸スコアは、精白米65(リジン、スレオニンが不足)に対し食パン44と不足しているアミノ酸が多くバランスがよくなく副食として他のたん白源と組み合わせて取る必要があるのです。


その他の主に食料とされる燕麦、大麦についてです。
◇燕麦Ozt えんばく
  イネ科、欧州、アジア原産。欧米で多く生産、栽培されており、日本では、明治の初めにアメリカから輸入され北海道での栽培が主で冷涼多湿な地帯、海洋的気候に適し生産されます。世界的には、トウモロコシ、小麦、稲に次いで大麦と共に世界第四位、五位の栽培面積を占め青刈りしたものが乳牛の牧草として飼料にされます。
日本では、麹、アルコール、味噌などの原料に最近では家畜の飼料とされることが多いようです。カラス麦ともいわれ主に細長い種子を精白し粉砕(オートミール:牛乳、砂糖を加え加熱し粥状にして食べられており消化がよい。)、扁平(ロールドオーツ:日本では押し大麦で米に混ぜて用いられていた)として利用されています。
オートミール100g中でエネルギー380kcal.蛋白質13.7g.脂質5.7g.炭水化物69.1gを含み脂肪、たんぱく質が多くなっています。

◇大麦 おおむぎ(裸麦)
  イネ科、コーカサス付近を原産地とする説があります。世界各国で広く栽培され、トウモロコシ、小麦、米についで燕麦とともに生産量の多い穀物ですが主に飼料とし利用されています。栽培方法は小麦とほぼ同様で春蒔き、秋蒔きがあるが日本の北海道以外、秋蒔きがほとんどですが、消費量の90%近くは輸入に頼っています。
 主に六条種と二条種(ビール麦)、裸麦があり日本では食用として押し麦(米と混炊)、麦とろ(麦だけのご飯にとろろをかけたもの)、香煎(こうせん、麦焦がし、はったいこ)、麦茶、麦味噌、醤油、麦芽して水あめ、ビール醸造に利用されます。
米(精白米:タンパク質6.1g、脂質0.9g、炭水化物77.1g、カリウム88mg、ビタミンB1:0.08mgB2:0.02mg食物繊維0.5g/100g中)に比較して大麦押し麦(タンパク質6.2g、脂質1.3g、炭水化物77.8g、カリウム170mg、ビタミンB1:0.06mg、B2:0.04mg、食物繊維9.6g/100g中)でありカリウムと食物繊維を多く含みます。
 高血圧の予防、血清脂質、血糖値の改善に適した食品としている。大麦若葉に食物繊維、鉄分、ナイアシンを多く含むとして青汁の健康食品に利用されています。

麦類の中で小麦は、特に重要で世界中の人の半分もの人々の主食としての食料となっています。日本人でもほぼ主食の1/3を麦に頼っているのが現状です。

 

ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

(2021,6,26)

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