・馬肉Horse flesh ばにく
ウマ科、近年北海道からの産出があるが輸入物が増加している。豚肉が普及する大正時代までは、昔から役用であった老馬を食用にして広く親しまれ用いられていた。全体に肉質はミオグロビンを多く含み暗赤色で硬いがひれ、ももと呼ばれるところを食用としている。さくら肉の由来は肉色より桜の花びらの色に似ている、検印に桜の形の印が押されたこととか、牛肉に混合され用いられさくらというようになったとか諸説ある。食用には、生後3~5年飼育したものでグリコーゲン、リノレン酸が多く脂肪の融点が30℃前後で溶け、牛脂より溶けやすく鑑別に利用し、脂肪は霜降りとはならない。すじが多く臭みがあり、熱を加えるとより臭気を強く感じ、煮沸によって泡立ちがみられ硬いがアミノ酸組成が牛肉に似ている。
脂肪がやわらかく甘味があり新鮮なものは寄生虫が少ないとして馬刺し、桜鍋、もも肉の燻製として賞味している。大和煮、コンビーフ、ソーセージ、プレスハムにも加工する。
100g中でエネルギー110kcal、タンパク質20.1g、脂質2.5g、鉄4.3mg、亜鉛2.8mg、銅0.11mg、ビタミンB12:7.1μgを含み貧血予防によい。馬油(ばあゆ)は動物性脂肪にもかかわらず、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれて民間薬としてやけど、虫さされ、傷などに使われていた。肌のトラブル、髪をつややかにするとしてシャンプーにも利用している。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。