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★ New!Kimmy's Diary ★

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中学校で絶対にやってほしいこと

2016年02月11日 | 英語
先週、2月3日に以下のような内容のニュースが流れたのをご存じだろうか。

文部科学省は2日、全国の国公立の中学3年生と高校3年生を対象にした、
英語の「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能に関する2015年度の
調査結果を公表した。初めて調査した中3は、「書く」以外で国が卒業時の
目標に掲げる「英検3級程度」に届かない層が約7〜8割を占めた。
「書く」は英検3級程度が約4割と比較的高い一方、0点が1割強とばらつき
が見られた。14年度に続き2回目の調査の高校生は4技能とも依然低水準だった。

ー毎日新聞.jp 2016.2.3よりー

ここで多くは語れないけれど、ひとつだけ、文部科学省にお願いしたいことがある。

中学校1年生の教科書の裏表紙にCDを付けて渡していただけないだろうか。
全国の中学校のICT環境が整う前の過渡期として
350万4000人の全国の中学生に1枚のCDを渡していただけないだろうか。

アルファベットという記号だらけの紙の上にある文字を
意味のある「音」として認識できるように
2次元の世界から3次元の世界に立ちあがっていく場面を
中学1年生の段階から経験させていただけないだろうか。

真似する音源を手元に持たずして
外国語の「聞く」「話す」を学ぶことはできない。

聞いた音を、自分の口から出してみる・・・。

思春期の人たちにとってはとても恥ずかしいことだったりするけれど
授業中のコーラスリーディングはしないかもしれないけれど
自宅だったら、こっそり、やってくれるかもしれない。

耳から入ってきた音を、そのまま、真似して言ってみる・・・。
文字を追いながら、聞いてみる・・・。
聞こえた音、自分が発話した音と文字とがなんとなくつながってくる。

やがて教科書が、英語らしく読めるようになる。
それを誰かが聞いて、ほめてやれば、
英語を好きだと言える人は、まちがいなく増える。

ほめられれば、もっと、読みたくなる。
知らず知らずのうちに、イントネーションやアクセントが気になってくる。

はじめの聞き方より、もっと耳を傾けて、集中して聞くようになる。
発音記号も気になりはじめる。

「わからない!」というイライラ、不安、怒り、
そんな気持ちが出てきたらしめたもの。

指導者は、そこで、学習の支援者になれる。

指導者は、音源を活かした学習方法を教えてほしい。
音読を奨励してほしい。

Practice makes perfect.

私たちはネイティブスピーカーではないけれど
理解可能な英語を話すことをめざすべきであり
そういう人を育てたいと思っている。








「英語を話す」文化再考

2015年08月13日 | 英語
夏休みは、私にとって繁忙期です。毎年、実施しているキャンプがありますし、何日か続く教員研修や、免許更新講座などをお手伝いさせていただいているからです。夏休みは子どもも大人も、日頃得られないまとまった時間をブロックして、英語を話す環境に身を置くことができます。参加者の皆さんと一緒に、英語の体験活動に参加しながら、私自身も毎年、さまざまな発見をさせてもらうことができます。             

今年の研修メニューにも、英語指導助手(ALT)の先生と協働しながら進める研修があります。その打ち合わせに出かけたときのことです。

文科省の副教材「Hi, Friends!2」のレッスン6“What time do you get up?"を題材に取り上げる研修で、いつも話題になることがあります。 "What time do you go to school?" (何時に学校に行きますか?)という質問は、学校に到着する時刻を答えるのが正しいのか、それとも家を出る時刻を答えるのが正解なのか、どちらでしょうか。副教材のイラストは「学校に到着する絵」です。

同じページにある"What time do you go home?" (何時に帰りますか?)のイラストは、家の前を歩いているところです。これをそのまま当てはめると、"What time do you go to school? "の場合は、学校に到着する時刻になるような気もします。

さてネイティブスピーカーはどちらを使うでしょうか?
どう思われますか?また、どのように今まで使っていましたか?
What time do you go to work? と聞かれて何と答えますか?

そのALTは・・・

「どちらも使うのでどちらも正解」と言いました。

「なんだか腑に落ちないですよね?どちらも正解なんて・・・。じゃあどうやって区別するのですか?」

時間や時刻は世界的に重要な話題です。打ち合わせなどで誤解が生じる可能性はないでしょうか?

そのネイティブの先生がおっしゃったことは、考えさせられるものでした。

「今までの経験から言うと、英語を使うネイティブスピーカーはどちらも使っているよ。到着する時刻として言う人もいれば、家を出る時刻を答える人もいるんだよ。いつも答えはひとつじゃない。日本人はひとつの答えを求めたがるけど、答え方がひとつじゃないことはたくさんあるよ。」

「じゃあ、どうやってわかるのですか?学校に付く時刻なのか、家を出る時刻なのか、区別できないと困ることはないのですか?混乱を招きますよね?」とくどいですが尋ねてみました。

「そういう時は、確認すればいいだけ。You mean you get to school at ~? or leave your house at ~? って、聞き返せばいいんじゃない?そのためのコミュニケーションだよね。ことばってそのために使うんだよね?」

なるほど。

英語を話すということは、英語を話す人たちの文化を理解することでもあります。
また、その文化を学ぶことによって、英語を話す人たちとの意思疎通がスムーズになります。

答えは、ひとつではないかもしれない。
たくさんの正解があることもある。
だから、自分が理解している内容を言い換えてみる。

自分の認識を確認してみる。
そのために「ことば」が行き交うこと。
そのために「ことば」は存在するということ。
だから英語は、スポーツに例えるとテニスや卓球のようであり
日本語は、ゴルフのようなのですね。

英語の文化を再発見したような気がしています。








21世紀型学力について

2014年07月20日 | 英語
第26回愛知サマーセミナーで松香洋子先生による講演がありました。
松香先生は難しい英語教育改革に対し、ユーモアあふれる語り口調でご自身のご経験やお考えをわかりやすく話してくださいました。

今日のテーマは「21世紀型学力 子どもの特性を生かす英語学習とは」。
一番印象深かったのは、日本だけでなくどこの国でも、21世紀型学力については模索しているとおっしゃったことです。

先生がお示しになった「グローバル人材の育成(文部科学省)」では、キーワードが3グループに整理されていました。

1グループ:語学力、コミュニケーション能力
2グループ:主体性、積極性、チャレンジ精神、協調性、柔軟性、責任感、使命感
3グループ:異文化に対する理解、日本人としてのアイデンティティ

今までは1グループの内容と3グループの異文化理解が英語教育だけに求められていたように感じます。これで、グローバルな人材を育成するためには、英語教育だけでなしえるものではないことが明らかになっているのではないでしょうか。

その後、オーストラリアのブリスベン市にある私立中学の校長先生のお話を引き合いに出されました。お孫さんが通学されているインターナショナルバカロレア認定校で、非常にレベルが高い教育熱心な学校だそうです。

その校長先生がお考えになる21世紀型学力はー

①Information Literacy(情報読み取り能力)
②Creativity and Innovation(創造と革新)
③Problem Solving(問題解決)
④Communication(コミュニケーション)
⑤Collaboration(協働・共同)
⑥Responsible citizenship(責任ある市民としての行動)

これらの力をつけるために州内の学校間で、それぞれの学校の選抜チームを構成させ、共同作業をしながら問題を解決するような、多種多様なコンテストを実施し、頻繁に競わせているということでした。

英語教育で著名な上智大学の吉田研作先生が、おっしゃっていたことを引用されたのも印象に残りました。いろいろなところで英語教育改革を支援してきたけれど、どこに行っても言われたのは「大学入試が変わらなければ英語教育は変わらない」ということだそうです。大学入試で英語の面接やエッセイを書かせる、といったような四技能が試されれば中・高の英語教育が変わらざるを得ないでしょう。

目指す力を持った日本人を育成するためには、そういった指導者を育成することが急務です。英語指導に関わっている私たちが、現在の指導方法や立場に甘んじることなく、21世紀型学力をめざして指導できるように、指導力を磨いていく必要があることを痛感しました。




英語教育には絵本を

2013年08月08日 | 英語
「小学校外国語活動における絵本の活用」というテーマで講習のお手伝いをさせていただきました。

受講者の方の中にはすでに絵本を小学校で読み聞かせとして活用されている方もありましたが、読み聞かせだけでなく、なにかもっとできないか、とアイデアをお探しのようでした。また、中学校の英語教員の方は、中学校でも読み聞かせを活用したいのだけれど、どんな本がいいのだろうか、と思っていらっしゃる方も受講されていました。

私が子どもに英語を教えるときの基本を、良質の英語の絵本にしている理由は5つあります。

第1の理由は「本物(authentic)」であること。
英語を教えるために、大人が作為的に作ったもの(textbook)ではなく、子どもたち伝えたいメッセージを絵とシンプルな文章で表現した「こころの栄養」だからです。本物の絵本作家が描いた絵や文は、ことばの壁を飛び越えて、すーっと子どもたちのこころに届けられます。人間が持つ本質的な部分に訴えるのです。「理解できる」とか「理解できない」といったような頭脳による分析をしはじめる前に、人間の本質的な部分に訴えるのです。

第2の理由は「プロソディ」。
英語には英語ということばの持つ独特のリズムがあり、音の強弱や高低、間、欠落、連続などがそれを特徴づけています。私たち日本語話者は英語のプロソディを習得する必要があります。絵本の読み聞かせでは、そのシンプルな英語表現の中で、プロソディを再生することができるので、無意識のうちに英語独特のリズムやイントネーションを聴かせることができるのです。

第3の理由は、異文化に触れる機会をかんたんに作れること。
英語は子どもたちにとって異文化であり、外国語に触れることで今まで無意識に使っていた母語に対する意識が深まります。私たちの生活は、外国から入ってきたさまざまなことばをすでにたくさん取り入れて成り立っています。カタカナ英語や和製英語(これは日本語です)など挙げたらキリがないほどです。パンも、トーストも、バターも、ミルクも、サラダも、ドレッシングも、ヨーグルトも!
そして、絵で表現されている自然や家の中の風景、登場人物の着ているものや食べ物など、日本文化にないものがたくさんあり、「これは何だろう?」と思えるきっかけがたくさん詰まっています。

第4の理由は、素敵な空間を作れること。
誰かに本を読んでもらう時はお互いにゆったりとした気持ちになるとき。怒りながら読み聞かせをすることは不可能ですし、読んでもらって嫌な気分になる人もいないはずです。コミュニケーションの基本である「聞く」という行為が必ず守られる場所を作ることができるのです。読み手である大人の愛情をたっぷり感じられる時間と空間が「読み聞かせ」の時間ではないでしょうか。お膝の上で、ベッドサイドで、または教室で、読み手も聞き手も一緒になってお話の中で過ごす楽しい時間です。

一番重要なポイントは「あいまいな寛容性(ambiguity tolerance)」があることです。
絵本の表紙から裏表紙まで、全部をまるごと英語で読み聞かせることは、聞き手の立場になればわからないことばの連続でしょう。それでも、ことばの壁を乗り越えて絵をじっと見つめ、話し手の表情や声の調子、スピードを感じながら何とか理解しようとするところに大きな意味があると感じています。「聞く」という受動的でありながら、かつ非常に能動的な活動になっているはずです。聞こえてくること、見ているもの、前のページからのストーリーの展開など、脳の中ではすべての情報を統合して、一生けんめい理解しようとします。このことこそが、英語を絵本で教える大きな理由です。全部理解できなくても、自分に備わっている本能的感性や知識で、何とかお話についてこようとするその過程こそが、外国語習得には必要不可欠な機会なのです。

「全部理解できないと前で進めない」のではなく「全部理解できなくても、理解できているところを足がかりにして、何とか前に進もうとする」ことも「生きる力」につながっていくのではないかと思うのです。(この世の中、「全部」が本当に「全部」ではないことも多々あります。)

「英語は英語で授業をする」という指導法もここに通じます。わかることをつなぎ合わせ、それらを足がかりに想像力を駆使して理解しようとする力、そしてそれをスピード感を持って成し遂げ、手に入れた情報を使って、次に価値あるものを創り出していく力ーーーそんな力が高度情報化社会には求められているような気がします。



英語でワンピース

2012年10月25日 | 英語
今日は名古屋市内の小学校で、現職教育の研修講師を務めさせていただきました。小学校6年生が学習する単元‘Let’s go to Italy.’(イタリアに行こう!)がテーマです。外国に行くことは比較的身近になっていますが、それでも海外留学生は減少しているというニュースを聞きますので、外の世界を知ること自体に興味関心が薄くなっているのかもしれません。世界遺産の写真や海外の見所を扱ったこの単元では、児童が外国について知る機会を作ることができます。

今日の授業実践は、6年担任のK先生と一緒にティームティーチングでした。研修で私がアシスタント役をする時は、担任の先生にできるだけ授業案を作成してもらいます。その理由は簡単です。児童のことを一番知っている担任の先生が「自分のクラスの児童に何を伝えたいのか」という視点で作っていただく方が、より実態に沿ったものになるからです。

K先生は、児童に大人気のアニメ「ワンピース」を題材にして、海外でも日本のアニメが現地の言葉で放映されていることを導入部分で持ってこられました。K先生がアメリカに行ったとき、テレビでワンピースを放映していてびっくりした!というストーリーを話されたのです。この導入は、子どもたちの日頃の興味関心をよくご存知だからこそ、しかけられた内容です。英語版「ワンピース」の冒頭部分「テーマソング」をみんなで聞きました。参加者の先生方も、楽しんでいらっしゃいました。

K先生が私に「Why?」と尋ねられたので、咄嗟に「私たち日本人にとって面白いもの、素晴らしいものは、外国の人々と分かち合うことができる共通の価値があるのでは?」とお答えしました。

最近フランスで日本独自の家具「KOTATSU」の良さを広めようとしている人がいると聞きました。また日本独自の食文化「お弁当箱」の素晴らしさを世界に紹介している方もいらっしゃるようです。比較文化論で言えば、独自の文化は、自国民より外国人のほうがその価値を理解しやすいのは明らかです。2004年にノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリマータイさんが世界に発信してくださった「MOTTAINAI(もったいない)」の文化もそのひとつ。

外の文化に触れることで、初めて自国の価値や素晴らしさに気づくという道順は遠回りかもしれませんが、非常に説得力のある異文化理解・自分化理解の手法でしょう。日本文化の良さは「すし」や「とうふ」だけではないです。外国人の視点に立って、日本文化を再発見してみるのも面白そうです。