★ New!Kimmy's Diary ★

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「英語を話す」文化再考

2015年08月13日 | 英語
夏休みは、私にとって繁忙期です。毎年、実施しているキャンプがありますし、何日か続く教員研修や、免許更新講座などをお手伝いさせていただいているからです。夏休みは子どもも大人も、日頃得られないまとまった時間をブロックして、英語を話す環境に身を置くことができます。参加者の皆さんと一緒に、英語の体験活動に参加しながら、私自身も毎年、さまざまな発見をさせてもらうことができます。             

今年の研修メニューにも、英語指導助手(ALT)の先生と協働しながら進める研修があります。その打ち合わせに出かけたときのことです。

文科省の副教材「Hi, Friends!2」のレッスン6“What time do you get up?"を題材に取り上げる研修で、いつも話題になることがあります。 "What time do you go to school?" (何時に学校に行きますか?)という質問は、学校に到着する時刻を答えるのが正しいのか、それとも家を出る時刻を答えるのが正解なのか、どちらでしょうか。副教材のイラストは「学校に到着する絵」です。

同じページにある"What time do you go home?" (何時に帰りますか?)のイラストは、家の前を歩いているところです。これをそのまま当てはめると、"What time do you go to school? "の場合は、学校に到着する時刻になるような気もします。

さてネイティブスピーカーはどちらを使うでしょうか?
どう思われますか?また、どのように今まで使っていましたか?
What time do you go to work? と聞かれて何と答えますか?

そのALTは・・・

「どちらも使うのでどちらも正解」と言いました。

「なんだか腑に落ちないですよね?どちらも正解なんて・・・。じゃあどうやって区別するのですか?」

時間や時刻は世界的に重要な話題です。打ち合わせなどで誤解が生じる可能性はないでしょうか?

そのネイティブの先生がおっしゃったことは、考えさせられるものでした。

「今までの経験から言うと、英語を使うネイティブスピーカーはどちらも使っているよ。到着する時刻として言う人もいれば、家を出る時刻を答える人もいるんだよ。いつも答えはひとつじゃない。日本人はひとつの答えを求めたがるけど、答え方がひとつじゃないことはたくさんあるよ。」

「じゃあ、どうやってわかるのですか?学校に付く時刻なのか、家を出る時刻なのか、区別できないと困ることはないのですか?混乱を招きますよね?」とくどいですが尋ねてみました。

「そういう時は、確認すればいいだけ。You mean you get to school at ~? or leave your house at ~? って、聞き返せばいいんじゃない?そのためのコミュニケーションだよね。ことばってそのために使うんだよね?」

なるほど。

英語を話すということは、英語を話す人たちの文化を理解することでもあります。
また、その文化を学ぶことによって、英語を話す人たちとの意思疎通がスムーズになります。

答えは、ひとつではないかもしれない。
たくさんの正解があることもある。
だから、自分が理解している内容を言い換えてみる。

自分の認識を確認してみる。
そのために「ことば」が行き交うこと。
そのために「ことば」は存在するということ。
だから英語は、スポーツに例えるとテニスや卓球のようであり
日本語は、ゴルフのようなのですね。

英語の文化を再発見したような気がしています。