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★ New!Kimmy's Diary ★

地域づくりから英語教育まで
さまざまな現場で
さまざまな人と関わることについて
書きます

研修の醍醐味

2014年08月05日 | 教育あれこれ
グローバル人材育成が叫ばれる昨今、英語を学ぶ機会は徐々に増えてきていますが、学校で学んだ英語の知識や運用能力を培う機会や場所はまだまだ足りません。そのために、教育現場では、なるべく英語を使って指導したり活動したりすることが望まれます。しかし、英語のご専門でない小学校教員が、児童の前で英語を話すことや、英語活動を行うことに、苦手意識を持たれるお気持ちも理解できます。

母語でない言葉を使って意思疎通を図るときは、間違えるのが当然です。母語ではないのですから。しかし、この「間違えて当たり前」という良い意味での開き直りが、頭では理解できても、体が拒否してしまうのが大人です。間違えるのはカッコ悪いですし、恥ずかしいですし、自信がどんどんなくなります。

みなさんはmistakeとerrorの違いをご存知ですか。自分で「あっ」と気づくことのできる過ちは、【mistake】ですが、自分で気づくことのできない過ちは【error】です。応用言語学者のRod Ellis が書いた‘Second Language Acquisition’を学んだとき、ミスを沢山すればするほど、言語運用能力はより発達するということを知りました。理論でそう書かれていて、納得したのです。たくさん間違えて、たくさん気づく機会を得る方が言語習得には早道なのです。三単元のS、複数のS、a、the などは、日本語にない言語機能ですから、間違えて当たり前なのです。「語学に王道なし」とよく言われますが、王道があるとしたら、とにかく使っていっぱい間違えて、気づいて、自分で修正できるようになり、いずれは間違えないようになることではないでしょうか。

夏季研修の受講生には、いろいろな先生方がいらっしゃいますが、研修は「学びの場」として捉えていただき、からだのさまざまな器官を使って、五感をフル稼働させながら積極的に活動に参加いただけるとたとえ半日の研修でも効果は絶大です。児童役として、積極的に参加し、ジェスチャーをしたり、チャンツを歌ったり、ことばを繰り返すうちに、ことばを自分のものとされていくプロセスが見えます。これがいわゆる「身につく」ということなのだと感じます。研修終了後の表情が輝いています。

講師としての満足感は、研修後のアンケートを読ませていただいたときに味わうことができます。
コメント欄に「どうやってかかわっていいのか、よくわからなかったのですが、2学期からは担任として自信を持ってアシスタントさんと一緒に授業ができます。」と書いていただけると本当に嬉しく思います。ここが私自身のゴールでもあります。ティームティーチングは役割分担を明確にしながらもお互いにサポートし合うこと。そして、間違えても「アハハ」と笑い合えること。そこがまさにコミュニケーション活動の醍醐味でもあります。







共に取り組むネット社会の課題

2013年07月17日 | 教育あれこれ
「eメール」ということばを初めて聞いたのは1995年頃。当時、諸外国との用件は、文書やファックス、緊急な時は電話でやりとりをしていたのですが、アメリカ人から来た文面の中に「e-mailでやりとりをできないか」と書いてありました。事務所にいたスタッフ総勢3人でいろいろと調べたり想像したりしましたが、全く何のことなのかわからず、首をひねるばかりでしたので、確認の電話を先方に入れました。

コンピューターで業務をするのが当たり前でなかった時代-文書はワープロで作成していて、パソコンということばは一般的ではなく、まだ私たちの手元にはありませんでした。ですから、パソコンで、インターネットにアクセスして、フリーメールアドレスを取得して、手紙のようにやり取りをする、という説明を聞いても、パソコン自体を知らなかった私たちにとって、何がなんだかさっぱりわからず、アメリカにはそういうものがあるらしい、手紙もタダで送れるらしい、といった程度の理解がせいぜいでした。

その後まもなく中古のパソコンを導入し、インターネットに接続して初めてヤフーで検索サーチをした時、ガリバー旅行記に出てきた毛むくじゃらの野蛮な動物「ヤフー」の名前がなぜここに出てくるのか不思議でたまりませんでした。そして、そこから飛び出てくるさまざまな情報に感心するやら、驚くやら・・・。

パソコンはそれから瞬く間に私たちの生活の必需品になりました。

今では機械にそれほど強くない私の住環境にも、オフィスにはデスクトップパソコンと、自宅にはラップトップパソコン、もちろん携帯とスマホ、そこにタブレットが加わりました。使う場面や使い勝手の良さ、まさに生活の中でのTPOに合わせて、自分が必要な情報や、つながっていたい相手を選びながらデザインしていく感覚です。

今まで、情報機器がなくても過ぎてきた時代を生きてきた世代にとって、スマホやパソコン、タブレットはあってもなくても大丈夫だけれど、高度情報社会の真っ只中に生まれた世代の子どもたちにとってみれば、きっとテレビやCD,DVDと同様にあって当たり前の道具なのでしょう。「ない」という状態を経験していない世代の人たちのことを、「あったら便利。でもなくてもかまわない」世代の私たちが理解することは、すでに感覚的にも難しいにちがいありません。

好むと好まざるとにかかわらず、ネット社会を作り上げてきた大人たちは、次世代を担う子どもたちと一緒に、ネット由来と考えられる複雑な事象に対して取り組んでいくことが必要だと感じています。スマホの「LINE」で悪口を言われたというだけで、ネット上の2ちゃんねるで書き込まれたと言うだけで、殺人事件にまで発展してしまう恐ろしさを、私たちはまだ、誰も経験したことがないのですから。

真のスポーツマインド育成をめざして

2013年02月01日 | 教育あれこれ
やっと日本のスポーツ界に、世界水準のスポーツマインド育成の時代がやってきました。スポーツが大好きで日々精進している若者、それに続く子どもたち、支援し見守る親たちは、心のどこかで「ほっ」としているのではないでしょうか。

学校教育現場において、特に部活動ではビンタや頭を小突かれる等、いわゆる体罰はある程度あって当たり前で、精神的に喝を入れるためにも容認されるひとつの指導方法とみられてきました。私自身の二人の子育ての中で、初めてそういう指導方法を見聞きした時には、その事実を信じられませんでした。

でも、実際に体罰は行われていました。そして、それを歓迎する保護者も少なからず存在しています。現役の時は辛く悔しい思いをしても、卒業後は「あの時、先生に殴られて、俺・・・立ち直れました。」という美談もたくさん見聞きします。だから、今まで問題になってこなかったのでしょう。

私の子どもたちは幸い指導者との強い信頼関係があり、二人共体育学部に進みました。人生のほとんどの時間をスポーツで過ごしてきた彼らにとって、愛情ある恩師の指導ならきっとどんなことも受け入れることができたのでしょう。社会で必要なことはすべて部活で学んだといっても過言ではない二人です。私自身、心から恩師の皆様には感謝しています。でも、信頼関係というのは難しいものです。本当に相手がどう思っているかを理解できていなかったのが今回の園田監督の「一方的な信頼関係」ということだったのでしょう。

学校教育基本法の第11条には「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と明記されていますが、さまざまな問題行動をする子どもたちに対する対処の難しさから、文部科学省は平成19年に「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について(通知)」を出しています。

懲戒と体罰の定義の曖昧さが今回のような事態を招いているとは思えませんが、日本のスポーツ史の中に「体罰は愛の鞭である。」という考え方が今だに漣漣と続いて来ているのは確かです。今こそ、身体的苦痛を与えて力でねじ伏せるような、プリミティブな指導方法は全面的に放棄しなければなりません。世界一に導く有能な指導者がすることはすべて「是」か?と問われれば、答えは「否」であることをはっきりと示さなければなりません。今回JOCに告発した15名の女子柔道選手たちは歴史を変えてくれたのです。彼女たちの勇気と英断に心から拍手と感謝の気持ちを送ります。

「根性論」「精神論」で牽引されてきた日本のスポーツ界は、人間の身体的能力の成長だけでなく、科学的な根拠にもとづいたメンタルなサポートや、自ら発するモティベーションによって、より高次元な伸びしろを求める時代に入っていけるはずです。オリンピック憲章が掲げる目的にむかって、体罰や暴力のない平和の象徴としてのスポーツを追求するすることでもっと素晴らしいスポーツの世界を切り開いていってほしいと切に願っています。

自信が子どもを育てる

2013年01月20日 | 教育あれこれ
KEC英会話スクールのサタデークラス(一週間に一度、土曜日の一日を英語で過ごすクラス)とインテンシブクラス(一週間に二度、二時間ずつを英語で過ごすクラス)の子どもたちのプレゼンテーションコンテストファイナルが長久手市の文化の家で開催されました。

このコンテストに出場できるのはそれぞれのクラスで代表に選出された小学生の子どもたち。英語の発音、流暢さ、イントネーションだけでなく、内容を十分伝えているか、自分なりの工夫があるか、そして自信を持って堂々と発表できているか、というポイントで審査します。

クラスコンテストの結果、代表に選ばれたあとのモティベーションは格段に上がります。大きなホールに来て、たくさんの観客のいる舞台で、納得のいく成果を出すために再び自分の発表に磨きをかけていきます。このプロセスは子どもを大きく成長させます。

直前に「調子はどう?」と様子を聞いて回ると、子どもたちはみんな自分が賞を取れる気持ちで来ているのです。これは毎年の傾向ですが、その自信に驚かされます。それほど彼らは自分の中で精一杯、努力しているのだということがわかります。親御さんたちにも家での様子を聞くと、「自分が入賞することを疑っていないようですよ。」というコメントをいただくことが多々あります。

自信は子どもが成長する上で一番大事な土台です。何かに取り組み、そのことについての評価を自分自身で下した結果が「自信」になります。文字通り、自分を信じることができるのです。親や周囲が褒めて認める言葉がけとともに、自分は自分なりに一所懸命に取り組んだという日々の努力が、その基礎を作ります。

今日エントリーして来た子どもたちは全員、この自信を身につけていました。舞台の上でひとりひとりがそれぞれに輝いていました。絵本を紹介した子どもたちは、絵本の世界に私たち聴衆を誘って、その中で楽しませてくれました。主人公の喜怒哀楽を一緒に味わわせてくれました。自分の経験を発表してくれた子どもたちは、その珍しい体験や感動を分かち合ってくれました。英語で堂々と大人たちを感動させてくれたのです。

子どもたちの持てる素晴らしい底力を、私たち大人はどれくらい引き出せているのでしょうか。彼らが彼ららしく、十分に伸び伸びと、みずみずしい感性を持って欲しい知識や能力、技術や技能を獲得していけるように、環境を作っていくことが私たちの役割だと再認識しました。日本にいながらにして、ここまでのプレゼンテーション力を身につけることができることに対して、私たちがやってきた教育は間違っていなかったと自信を持って言えるのは、彼らのおかげです。彼らの未来の先にどんな世界が広がっていくのか、本当に楽しみです。

素晴らしいパフォーマンスをしてくれた子どもたち!大きな感動をありがとう!
You are all absolutely fabulous!



一体感は幸福感

2012年04月13日 | 教育あれこれ
今日はキッズインターナショナルスクールに新しく入園してきた子どもたちが初めてスペシャルミュージックを体験する大事な「はじめまして」の日でした。

「音楽と動きのポイント」は、音楽をしっかり聞いて、音楽が止まったらみんなも一緒に止まること。3歳児さんでも見事に全員が同じタイミングで「フリーズ」できました。呼吸を合わせることや同じ動作や同じ音を出すことが楽しかったり、嬉しかったりする体験の積み重ねは、後に美しいハーモニーを楽しめる素地になっていきます。

今日の絵本はエリック・カールの’Mixed-up Chameleon’(「ごちゃまぜカメレオン」)。
カメレオンは動物園でいろいろな動物を見ます。その時から、不思議なことにカメレオンの願ったことが叶ってしまいます。「僕はなんて弱々しくてのろまなんだろう。あの白くまのように大きくなりたーい。」と願うと白い大きなカメレオンになります。「フラミンゴのように美しくなりたい。」と願えば美しい長いピンクの脚が生えます。「狐のように賢くなりたいなー。」と願うと狐のようなしっぽが生えます。「魚のように泳げたらどんなに気持ちいいだろうなー。」と願うと白くて大きくてピンクの羽根と脚と茶色でふさふさのしっぽを持ったカメレオンにヒレが生えてしまいます。

そんなふうにどんどんごちゃまぜになってしまったカメレオンはとってもおなかがすいてきて、見つけた自分の食べ物のハエを食べることができませんでした。そして「そんな自分は嫌だ!」と言って元の自分に戻りました。このお話の素敵な動画を見つけましたのでよかったらご覧になってみてください。

一ページずつ読むごとにどんどんごちゃごちゃになっていき、どんどん変になっていくカメレオン・・・。自分らしさを無くしてしまったとき「自分が自分であることの大切さ」に気づいたのです。読み終わった後に子どもたちに尋ねてみました。’Are you happy as you are?' 全員が声を揃えて’YES!’と答えました。

ゆかり先生の奏でる即興のBGMが絵本の内容を理解するのを助け、そして絵本の世界の中へ全員を誘ってくれました。読み手であることをすっかり忘れて、どんどんヘンテコになっていくカメレオンを笑ったり、少し哀れに感じたりしながら、私は子どもたちの真剣な表情や眼差しを楽しみました。ひとりも置いてきぼりにすることなく、一緒にこのお話の中に遊べるという、子どもたちとの一体感が、私の達成感と幸福感につながっています。

読み手の醍醐味はなんといっても子どもたちをどこまでこの絵本の世界に連れてこられるか、ということ。ストーリーが進むにしたがって、彼らの表情はどんどん真剣になります。これは子どもの特権です。大人はなかなか邪念や雑念が多くてすんなりと素直に絵本の風景の中に入っていけない人が多いのではないでしょうか。私と一緒に音楽を楽しんでくれる子どもたちに来月もまた何かワクワクすることを用意して次回を待ちたいと思います。