★ New!Kimmy's Diary ★

地域づくりから英語教育まで
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さまざまな人と関わることについて
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Human-diversity時代の幕開け

2010年10月31日 | 英語
私の働いている会社では社内公用語は日本語と英語です。それはもう何十年も前からです。その理由は単純です。一緒に働いている人の中に、日本語を理解しない人たちがいるからです。外国人の講師や教師がいる職場なので、朝、‘Good morning! How are you? ’から始まります。特に宣言することもなく、日本語が得意でない人がいれば「英語」が共通語として使われます。それは日本語を理解しない人たちに対する配慮です。

新聞記事「英語会議 効果グッド!」という見出しが目に留まりました。

三井物産中部支社では、アメリカ人研修生の存在によって、自然に英語で資料を作って会議をするようになったとのこと。その効果に興味深いものがありました。

1.会議時間が短くなった(無駄話で時間を浪費しなくなった)
2.主語や目的語が明確な英語の文法構造が狙いを明確にする会議の進行に適している
3.議事録も簡潔に書けるし、海外拠点に資料を送るときにわざわざ翻訳する手間が省ける

1.英語でも無駄話、という状況はありうることでしょうが、会議に集まっている人たちの気持ちが引き締まるのでしょうね。

2.は、英語の特徴をメリットとして活用している証拠でしょう。
英語の文法構造は、不明瞭な気持ちや考えを整理し、自分の意見や気持ちを明確に認識し、それを表現するのに適していると、私もそう感じます。日本語では主語や目的語が省かれることが多く、話を聞いてから「誰が?」とか「誰に対して?」とか聞かなければわからないこともあります。英語はその語がないと文章自体が成立しないので、より明確になります。

3.も、その通りです。日本語でまず書いておいて、それを英語に翻訳しようと思うと、はじめから英語で書き始める時間の3倍はかかります。また、日本語発想が先に来ると英語表現に悩んだり迷ったりする時間が増えます。もし、英語で表現する必要のある文書の場合は、はじめから英語で発想して英語で書いたほうがスムーズにいきます。

楽天、ファストリテイリングに続き、シャープの研究開発部門も電気メーカーとしては初の「社内公用語の英語化」を図ると2,3日前に発表されました。すでに海外に多くの拠点を持ち、従業員も現地採用が多く、海外マーケットが売り上げに響く会社は英語は必須にちがいありません。

楽天の従業員6000人のうち、すでに300人は日本語を理解しないインド人や中国人の人たちだそうです。そうであれば、各現場では英語公用化はきっとすでにされているのでしょう。日本で物議を醸し出しているのは、会議参加者が全員日本人であっても英語を使う、というところでしょうが、「何語で話すのか」ということが重要課題ではなく、「何を話し合い、どうコンセンサスを得るのか」ということのほうが、企業にとってははるかに重要事項のはずです。

生物多様性(biodiversity) という言葉が何度も聞かれたここ半年を振り返ってみると、世界の各地域の個性や特徴や資源が、地球上に住む人類みんなの財産なのだということを痛感しました。

そのことを当てはめて考えるなら、世界の各地域に住む多様な言語や文化や生活習慣を持った人種や民族は、地球上に住む人類みんなのためにその多様性で貢献する役目を持つことができるわけですよね。ひとりひとりの地球上でのミッションを効果的に、お互いのために実行することが大切であり、それを「何語でするのか」というのは大きな問題ではなくなってきているのではないでしょうか。

human-diversityということばがあるかどうかは知りませんが、人類多様性というコンセプトを持ち、すべての人類の営みを地球規模で考えていく必要性のある時代に突入したのかもしれません。

言葉と習慣が壁?!

2010年10月30日 | 英語

「名古屋議定書を採択」

今朝の朝刊の一面を飾った大きな見出しを見た時、素直に嬉しかったです。
先進国と途上国の争点が真っ向から対立し、どちらも譲れない状況が続いた中で、議長国としての日本が「議長案」を出し、「根回し」と「リーダーシップ」と「支援策(お金ですが)」で全会一致にこぎつけたとのことでした。

今後の生態系保護の新戦略目標「愛知ターゲット」も同時に採択され、何はともあれ本当によかったです。

しかし、新聞記事にはまた、ちょっと気になる見出しも…。
「言葉・習慣 交流に壁」
どういう意味なのでしょうか。それは以下のような内容でした。

1.中国環境省のブース
言葉の壁:中国職員4人は英語は話せるが日本語は出来ない。パネル展示やパンフレットもすべて英語表記。準備段階では言葉の壁に問題があることに気づかなかった。

ふむふむ…。さすが日本より英語教育先進国!まさか日本人の英語力がこんなに低かったなんて!?というのがきっとあちらの弁なのでしょうね。

習慣の壁:ブースは18日に開設(遅い!というニュアンスかな?)来場者の多い唯一の週末はブースは休み。「商売ではなく仕事の一貫だから土日に休むのは当然」とブース担当者の弁。

ふむふむ…。仰る通りかもしれません。

2.韓国の団体担当者
言葉の壁&習慣の壁:「日本人は恥ずかしがり屋なので、話しかけても立ち止まってくれなかった。」
恥ずかしがり屋さんだから立ち止まらないのかしら?

③インドの団体担当者
言葉の壁はなかったの弁:「英語でもゆっくり話せば理解しあえた。日本人に良いアピールが出来た。」

こういうポジティブな意見を聞くとほっとしますね。

④日本人来場者
言葉の壁:「英語が理解できないから、外国のブースには足が向かない。通訳を置くなど配慮が欲しかった。」と50代の愛知県の来場者。

う~ん…。

国もいろいろ。習慣もいろいろ。担当者もいろいろ。来場者もいろいろ。というのが率直な感想ですが、
「英語ができないから」「外国ブースへ足が向かない」

このコメントが一番こたえました。

会場に、足を運んだ方ですから、きっと環境問題に関心があり、生きることに前向きな積極的な方なのではないかと思うのです。そんな方でも、やはりしり込みされてしまうのでしょうね。

国や生活習慣や人と人との違いを乗り越えて、お互いがお互いに「興味・関心を持つ」ことが一番大切なのではないのでしょうか。そしてこれは、現代の日本社会の中でも、共通の課題ですよね。「家庭内暴力」「児童虐待」「高齢者の孤独死」「戸籍問題」など「興味・関心」をお互いに持つことで防げる小さい事例がきっと星の数ほどあるでしょう。

「国際理解」は「相互理解」
いつもそんなふうに研修ではお話をさせていただいています。

お隣に座っているお友達のことに関心を持ち、困っているときはお互いに助け合い、嬉しいときはお互いに喜びあう…。そんな交流が日常的に持てているクラスなら、間違いなく「外国からのお客様」との交流は上手くいくでしょう。

少なくとも「習慣の違い」が交流の壁になることなく、「違いは魅力」だと感じられるような子どもになってほしい。そして「ことばの壁」は、英語学習の強い動機付けになるように導いていきたいものです。



Hallowe'en の語源

2010年10月28日 | 英語
私たちが児童英語を教え始めた20年前、ハロウィーンはアメリカ、カナダ、英国あたりの特有の文化として、とても珍しい異国の行事でした。教材もデコレーションも販売されておらず、アメリカの教材会社から直輸入して準備をしたものでした。

ハロウィーンの遊びを思い切り楽しませたくて、一泊二日の「ハロウィーンキャンプ」を企画し、文字通りの手作りハロウィーンイベントをしていました。子どもたちに大人気のこのキャンプは、今年で13回目を迎えます。10月31日はちょうど日曜日なので、ハロウィーンのムード満点に盛り上がることと思います。

ハロウィーンにちなんだゲームや歌やことばは、普段使うことばとは違うので、そこがワクワク感を誘うところなのでしょうね。

ghost(お化け) goblin(鬼) spider web(蜘蛛の巣) skeleton(骸骨) skull(頭蓋骨) grave yard(墓地)tomb stone(墓石) vampire(ヴアンパイア) Frankenstein(フランケンシュタイン) witch (魔女)broom (箒)black cat(黒猫)float(浮遊する) fly(飛ぶ) scratch(引掻く) scary(怖い)spooky(不気味な) frighten(怖がらせる) scream(叫ぶ)など…。

ハロウィーンのための絵本や歌もたくさんありますので、10月のアクティビティで困ることはありません。いつもはあまり使わないような短調な歌のメロディーも、この時期にはしっくりきます。子どもたちもその気になって、不気味な雰囲気の声を出したり、こわ~い声を出したりして、盛り上げています。

普段、「早く寝なさい!」と親から口うるさく言われる「夜」。普段なら寝ているはずの時間。子どもの外出など許されるはずもない「闇夜」。思い思いのコスチュームを身にまとい‘TRICK OR TREAT!’(お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうゾ~!)と、反社会的(?!)なことばを言いながら隣近所をまわる、一年にたった一度の特別な夜…。

大人たちは「いたずらしないで~」「怖いよ~」と本当に怖がっているような振りをしながら、子どもたちが手に持っているキャンディバッグにチョコレートやキャンディーをふるまってくれます。

普段は頭の上がらないオトナたちに対し、この日ばかりは‘TRICK OR TREAT!’と甘いお菓子をもらえるなんて、子どもにとっては夢のように楽しい行事ですよね。

アメリカ人の先生たちに小さい頃のハロウィーンの思い出を聞くと、必ずこのあま~いキャンディのことを話してくれます。「ハロウィーンでもらったキャンディは、ずーっと冬を越して春のイースターあたりまで、少しずつ食べ続けることが出来るほどの量だったよ。そりゃあもう、最高さ!」

人々が受け継いできた伝統文化は、必ず伝えられるべき意味を持っています。祖先からのメッセージを行事を通して受信することで、「今の自分の存在」を感じることができます。ハロウィーンはそういった意味で、普段は遠ざかっている「過去の命」と「自分の命」のつながりを再認識する時間を私たちに与えてくれます。

これは、日本の伝統「お盆」に酷似しています。「迎え火」「送り火」は死者を迎え、そして送ります。ハロウィーンではJack-o'-lantern(かぼちゃのランタン)を門の外に置きますが、同様の意味だということです。

‘Halloween’ は辞書で引くと「万聖節の前夜祭」とありますが、万聖節とは何でしょうか。
もともとはケルト民族の一年の一番最後の日が10月31日ということで、墓地から死者が現れて、農作物を荒らしたり、親族を訪ねたりして、みんなを驚かせるのだと信じられていたようです。

キリスト教の11月1日の‘All Saints Day’(すべての天上諸聖人を殉教者の霊をまつる日)が重なって、ハロウィーンになったとのこと。

‘Halloween’は、「Hallow=聖人」と「een=Even=Evening 夕べ」つまり、聖人たちの集う日の前の日の夜、ということになります。

‘All Saints Day’ は ‘Hallowmas’ とも言われるようです。
mas という接尾語は「祝日」を表します。ですから
Christmas は Christ+masで「キリストの祝日」となります。

ことばっておもしろい!
文化っておもしろい!



魅力的なCOP10の参加者たち

2010年10月27日 | その他
名古屋に住んでいると、今のトップニュースはやはりCOP10関連です。
どのテレビを観てもCOP10についての話題が放映されています。

正式名称は「生物多様性条約第10回締約国会議」
The 10th Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity です。
〔ふむふむ、to ね、ふむふむ そこは on なんだ…
と分析をしているあなたは英文法が大好き?!
それとも、英文法にうなされた名残でしょうか…。(笑)〕

上記のようにCOPは、Conference of the Parties の略で、警官をあらわすcopとは同じスペルですが、全く違います。国際条約を結んだ国の会合という意味です。簡単に言えば「世界の生物を守ろうとする仲間の会議」ということですね。

ほぼ毎日、COP10のニュースを観ない日はありません。
そして、参加者のインタビューを観ることがよくあります。

毎回感心するのは、参加者の英語力。
英語が第2言語の国の参加者が毎回インタビューに答えているのですが
実に堂々とそれぞれのお国訛りを交えて自分の思いを力強く語っているのです。

英語が第2言語、ということは私たちと同じ条件ですが
果たしてホスト国のホストシティに住んでいる私たち日本人は
あのように堂々と自分の思いを語れるでしょうか。

語れない理由があるとしたら?
それは英語だけの問題ではないように思えます。

それなりの自分自身の考えを持つためには
そのテーマについて考えたことがあるかどうか、が鍵です。

生物多様性についての興味関心があるかどうか。
最低限の知識を持っているかどうか。
生活の中で日常レベルで話題にしているかどうか。

自分の考えがあってこそ
主張や感想、コメントを伝えるための道具が「英語」なのです。

「発音が苦手」とか「三単元のsがいつも抜ける」とか「細かい文法に自信がない」といったような「どう伝えるか」という視点にとらわれるのではなく「相手の主張は何なのか」と聞くことが一番大事なことでしょうし、「自分は何を伝えるか」ということも次に大切にしたいことです。そして「どこで合意できるか」という交渉が重要になります。

現在、途上国の貴重な動植物の生物資源を、先進国が利用した際の利益配分を定める名古屋議定書案や、2011年から20年までの生態系保護に向けた新戦略目標の短期目標など主要課題の交渉が難航しているようですが、まさにこういった時こそ、お互いに歩み寄っていきたいものです。後2日で、なんとか納得のいく結論が出ることを願っています。


授業の醍醐味はライブ感

2010年10月26日 | 英語
授業者としていつも考えることがあります。

目の前にいる生徒の心をどうつかみ、どう感動させ、どう導くのか…。
毎回ライブの真剣勝負にどう生徒を巻き込んでいくか…。
この一こまの授業が終わった時「今日ここに来て良かった。」と思ってもらえるかどうか…。
そしてまた「来週もここに来よう。」と期待してくれるかどうか…。

一回ずつの授業は二度と同じようにはできません。
生徒の反応も違えば、こちらの返し方も変わってきます。
返し方が違えばまた生徒の反応が変わってきます。
そのライブ感、ドキドキ感がたまらなく楽しくて指導者の立場にいる人たちは多いと思います。

そのためには、授業開始のはじめの10分が大事です。
「キンコンカンコーン」とチャイムが鳴ったら生徒の気持ちはリセットされているはずです。
それまでの授業や放課時間との区切りをつけて、とりあえず席につきます。

小学校であれば・・・

いよいよ「英語を話す先生」が来る…!という期待感を持って待ていてくれるはずです。
そこであいさつを終えた後で、本時の活動の導入を展開します。

一般にマニュアルや指導案には、臨場感を持てるような、その場にいる指導者と児童ではないとわからないようなローカルネタや個人ネタは載っていませんが、私たちの興味関心は「今」「ここで」起こっていること、「今」「ここに」いる人の話ではないでしょうか。

つまり、目の前にいる「先生」の、今日の朝ごはんや週末の過ごし方、持っている文房具やマイブームなど、その場にいなければ分かち合えないような情報や気持ちだったりします。

だから、授業のあいさつが終わった後で「はい、教科書の何ページを開けて。今日は、○○についてやります。」というより
「今日はね、先生とってもおなかがいっぱいなの。たくさん朝ごはんを食べてきたのよ。何を食べたかと言うと…」という話から入ったほうが楽しく導入できるのではないでしょうか。
「今月お誕生日を迎える先生が全校でひとりいらっしゃいます。それは誰でしょう。」とクイズ形式にして、興味関心を月の名前にひきつける方が、飽きるまで単語カードを繰り返してオウム返しで言わせるより、意味のある活動になるのではないでしょうか。

「目の前にいる児童」と「指導内容」を結びつける仲人が「指導者」です。
授業のはじめはぜひ一工夫して、残りの30分の活動を子どもにとってわかりやすい活動にしていくことが必要です。

授業後には必ず振り返りの時間を持ち、児童の気持ちや思い、不安や迷いを聞き、次時につなげていきましょう。達成感と同時に新鮮さや期待感も合わせて「振り返りの時間」で作りましょう。きっと次時も、ライブ感たっぷりの楽しい活動になりますよ!