★ New!Kimmy's Diary ★

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英語でクッキング♪

2010年08月30日 | 英語
先週、夏休み特別企画として「英語でクッキング」のイベントを行いました。

・幼児~低学年のお子さんは、お母さんと一緒に参加する「親子クラス」
・小学2年生以上は、ひとりでチャレンジ「キッズクラス」

料理が得意なアメリカ人のホアン先生と一緒に、トルティーヤ+フルーツサラダ、チキンテンダー+ポテトフライ のメニューにそれぞれ挑戦しました。

結果は…というと、もう大成功!
Yummy、Yummy!と笑顔いっぱい、おなかいっぱいになって片づけまでみんなで頑張ってイベントは終わりました。クミンやチリパウダー、ガーリックにハーブ類など、スパイス類をしっかりきかせて、外国の味にトライしてもらったにもかかわらず、食べられない子は1人もいませんでした。

これもやはり「自分で作った」という最大の調味料のおかげでしょうか?


このイベントは料理がメインなのですが、そのすべてを英語で行っていくことに大きな意味があります。

もちろん、参加者の皆さんは親子どうし、お友達どうしワイワイと日本語で会話しています。でも講師は常に英語です。食材を紹介して、デモクッキングを見せながら作り方を教え、各テーブルを回ってアドバイスしたり… 

みんな夢中で覚えようとしますし、調理中などは本当に真剣なので、おそらく「英語で話しかけられてる」なんて意識の垣根が全くない状態で、一生けんめい指示を理解して実行しようとします。まさに、英語を使いながら吸収していくのです。

たとえば、"dice"(さいの目に切る)という単語も、実際にdiceと言いながら切ってみせ、自分でやらせたらもうOK、完全に理解して忘れないでしょう。教室の中で教えようとしてもこう上手くはいきません。初めてイベントに参加してくれた生徒さん達も、外国人だ、英語だ、とびびってしまうヒマもないほど料理に忙しいのですから、距離がすぐに近くなります。英語クッキングは、いいことだらけ!


ちょっと意外だったことがひとつ。一緒に参加したお母さん達も決してヘルプ役に終わることなく、それはそれは一生けん命に英語を学び、異文化を吸収してくれたということです。

外国人講師の包丁の使い方ひとつ、素材の扱い方ひとつが、何かしら「へえー!」と思うことがあったんだそうです。積極的に英語で質問したり、コミュニケーションしてくれたお母さん達もいました。


古今東西老若男女、人間の生活から切っても切り離せない「食文化」ですから、楽しく語学を学び、文化の違いを発見するには、まさに最高の舞台なのでしょうね。

(竹内)

担任の先生の役割

2010年08月20日 | 小学校英語
ブログ読者の皆様、すっかりご無沙汰してしまいました。

今年の夏は猛暑日、酷暑日の連続ですが、暑さに負けてなんかいられませんよね。
私もほとんどの皆さんと同じように、暑くても、寒くても、チャレンジングで、スリル満点の毎日を送っています。特に今年の夏休みは、来年度からの準備でお尻に火がついた方々のサポートをしていますので、もっと熱いです。(笑)

さて、本題です。

担任の先生方に、今年の夏は以下のことをお話しています。

どんなに素晴らしい外国人指導助手がいても、どんなに素晴らしい日本人のアシスタントがいても、担任の先生にしかできないことがあります。それは個々の児童のことをよくご存知で、毎日児童に寄り添っていらしゃる担任の先生だからこそ、できることです。

1.授業開始のあいさつ
  担任の先生がそこに立っていらっしゃるだけで、子どもたちの表情が引き締まります。他教科と同様にしていただくことで、英語だけ特別ではなく、日常のこととしてとらえられます。

2.各セクションの開始
   Let's chant! や Let's play Bingo game! など、授業の流れの中で担任の先生に次の活動を宣言していただくことで、児童によりわかりやすい活動になります。「次は何だろう」という期待もきっと湧いてくるはずですよね。

3.デモンストレーションの相手
   英語活動は音声言語の体験活動です。担任とアシスタントがコラボレーションをしながら、ことばのキャッチボールをして、関わりあう姿を見せることがすべての基本になります。チャンツのときも、一緒に楽しく声を出していただければ、児童もその姿を見て、積極的に活動に参加するでしょう。

4.児童の指名
   どの児童が、どのタイミングで、いつ活躍すると授業がうまくいくか、というのは担任の先生がご存知です。日頃から児童のようすを見ていらっしゃるからこそ、良い機会を与えることができます。今、ここで、もう一声かけると良い児童、今は様子を見守ったほうが良い児童など、担任の先生の指名で子どもたちの能力を引き出していただきたいところです。

5.児童の支援
   じっくり聞いて見ていれば、できる・わかる活動ですが、どこかでつまづいたり、とまどっている児童がいたら、そこで声をかけていただくのはやはり担任の先生でしょう。アシスタントに授業運営を任せて、児童の支援に回っていただければ、その子どもも心強いのではないでしょうか。

6.振り返り
   1時間を通して児童が何を経験し、どんなことを感じたのかを担任の先生のリードの元に振り返ることは重要なポイントです。しっかりと振り返り、一人ひとりが自分の成長に気づけたら素敵ですよね。

7.終わりのことば
   授業の終了も、開始のあいさつと同様、担任の先生にお願いすることで、通常の授業の形態を取る事が出来ます。もちろん、それが日直当番さんの仕事になっているのなら、日直さんにお願いしましょう。


小学校で英語活動が開始されて10年以上が経ちました。その間に、ひとつひとつの学校で、どう取り組んでいったらいいのか、研修や工夫があったことと思います。その歴史の中で、ともすると英語(外国語)活動は、なぜか、特別な人が来て、特別なことをする、というイメージが、児童の中だけでなく先生方の中にも先行してしまっているのではないでしょうか。来年度からの本格実施に向けて、英語(外国語)活動も「通常の小学校での授業」と明確に位置づけていくことが大切だと今、感じています。

【毎週いろいろな地域の小学校にお邪魔して、それでも全然バテない(つまり痩せない)
平松貴美子でした。


今年は最後のチャンス!

2010年08月02日 | 小学校英語
夏休みに入って怒涛のように小学校での現職教員研修が始まりました。

今年の研修はこれまでの研修とは大きく変わってきています。

ここ1~2年は「英語ノート」をどう活用するかという課題に焦点が絞られていて、高学年の指導法や内容を中心に研修をしました。初めは「英語ノート」の授業を私が1人で行いました。時には初めて会う6年生の学級で実際に研究授業をしたり、教員の先生方を児童に見立てて、時には担任役として、時には外国人指導者として模擬授業をし、その後で質疑応答など行いました。

今年は何を変えたかというと、授業の主になる責任者を「学級担任」にしたことです。来年度からいよいよ担任の先生方に自信を持って授業をしていただくために、私は今年からはできるだけ黒子になるようにしています。

それでも「うちはまだ英語の授業を担任ができないんで…。平松先生にお任せで授業を見せていただきたいのですが…。」とおっしゃる学校には「すみません、昨年までならそれでよかったと思いますが、来年度はもう担任の先生に授業をしていただかないといけないのです。外国語アシスタントや外国人指導助手がいたとしても、評価をするのは担任の先生方です。授業の中心は、他の教科と同じように担任の先生でお願いします。」と、私にしては珍しく(本当です!)強く主張しています。

わが師である岐阜県教育長の松川禮子先生は、いつもこういっていらっしゃいます。
「普通の担任が普通に出来る英語活動をすれば良いのです。」
私もそのとおりだと思います。
そうなるようにお手伝いをするのが私の役目です。

さて、タイトルの「今年は最後のチャンス!」というのは何かということですが、今までやってきた外国語活動や英語活動を、来年から実施される新学習指導要領に照らし合わせて整合性をもてるように軌道修正することです。人間は自分の成功体験や輝かしい歴史に引きずられます。一生懸命取り組んできた学校であればあるほど、振り返ってばっさり削除修正するのは非常にむずかしいことです。でも、あえてそれをすることで、きっとより良いティームティーチングができるようになります。これは断言します。

特に指導者の外国人講師に対してしっかりと「英語ノート」の趣旨や文部科学省のねらいを説明し、彼らに理解させていかないと、教室内は必ず混乱します。

「英語ノート」を机上に開き、その活動を待っている児童。
「英語ノート」の英語表現や内容を否定する外国人講師。
両極端に乖離した現場で一番困るのは学級担任です。

英語ノートの目指すものは、今までの外国人講師が中心となっておこなってきた英語活動とは異なります。ですから、しっかりと今一度来年度に向けて、見直して欲しいのです。

来年度から始まる新たな学習指導要領の効果を発揮させるために一番大事な時期は、この夏休みなのです。(平松貴美子)

前期講座を終えて

2010年08月01日 | 小学校英語
岐阜大学教育学部の試験を先週月曜日に実施し、前期の講義がすべて終了しました。学生たちとの15回の授業は、ほとんどを学生自身の授業実践にしています。「私:講義する人、学生:聞く人」という形式の授業はやめて、学生自身が早い段階から教壇に立ち、授業を運営する担任と外国人指導助手の役割を担う「マイクロティーチング」という方法の一部を取り入れています。分かりやすく言えば授業のミニチュアバージョンです。

学生をグループに分けるところまでは私がします。その後はすべて学生に決めてもらいます。「英語ノート」の担当する課を決め、その中でも分担を決め、どんな教材を作り、どんな宿題を児童役の学生に前の授業の時に伝えて…というようにどんどん話し合って自分たちで仕切ってもらいます。これはリーダーシップやコミュニケーション力を培うのに役立っているようです。

学生は全体で24回の模擬授業をしたり見たりして、お互いの授業を題材にしながらより良い指導者としての在り方、指導方法などを観察、研究しました。これで小学校英語のスタンダードを身につけたと言っていいと思います。彼らほど真剣に指導マニュアルを読み解き、その内容を忠実に実行した指導者はいないでしょう。時にはマニュアルの中にある疑問点や不明瞭な点と格闘して悩み苦しんだ学生もいました。人の書いたマニュアルを読み解いて授業を狙い通りに実施することの複雑さや難しさを経験したことは、きっと今後の教員生活でも生かしていただけるのではないかと思います。

よくコメントでいただくのは「こういう経験は実習で役に立つ」「教員採用試験で役に立つ」「自分がいかに英語が話せないかわかった」など、実践的な面。実習に出れば授業実践をおこなうのが日常ですが、他の教科教育等の授業では、模擬授業はないのです。英語に限らず、黒板の前で人に向かって理解できるように話す練習は回数が必要です。少しでも役立っていれば非常に嬉しいことです。

また、「私は小学校英語に反対だったのですが…」という学生からもコメントをもらいます。「よく内容がわかっていなかったから反対だったけれど、こういう活動ならコミュニケーション能力の育成に役立つから良いと思う」と最後に感想を述べてくれるのがとても嬉しいです。彼らが現場に赴任したときには、間違いなく「小学校英語は任せてください!」と胸を張って言ってもらえると確信しています。

後期は「児童英語教育」がテーマで10月から開始です。私自身もバージョンアップして新しい学生を迎えられるように準備に入ります。平松貴美子