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★ New!Kimmy's Diary ★

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中田英寿の発見

2011年07月04日 | 日本文化
元サッカー選手中田英寿のインタビュー記事を読みました。2006年に現役を引退しその後2009年に財団法人TAKE ACTION FOUNDATIONを設立し、現在はその代表理事を務めながら、日本全国を旅していることをご存知でしょうか。

8歳からサッカーを始め、人生のほとんどをサッカーに費やしてきた氏は、試合で世界中の国々に行きましたが、もちろんその国の文化や生活する人々に触れる機会がほとんどなかったとのこと。

現役引退後「この地球上ではいったい今何が起こっていて、自分にできることは何なのか」を知るために旅を始めたそうです。

「旅する中で、世界の歴史・文化・宗教などを学ぶと共に、反対に僕自身も日本のことをいろいろと聞かれました。日本に行くなら、どこがおもしろいのか、どんな文化があるのか…。そんなことを聞かれるたびに、実際、自分がこれまで日本のことをほとんど知らないことに気がつきました。世界を見て、何かを感じたり学んだりする時には自分のルーツや経験と比べるわけであって、そこがしっかりしていなければ世界を本当に理解することはできない。」淡交会タイムス6月号より

文字通り世界を股にかけて歩いた一流のスポーツ選手からの、このことばには非常に驚きました。私とまったく同じ意見だったからです。4月に設立したNPO法人フィール・ザ・ワールドの趣旨と重なっています。

彼は47都道府県をすべて訪問しようと決心し、現在30都道府県を見終わったところだそうです。日本の伝統工芸、伝統芸能、農業、食文化、神社仏閣に焦点を置き、中でも伝統文化や技術、またその中で暮らしている人たちのあり方に日本人のアイデンティティを感じた、と言っています。

最近の中田を少し知っている人は「中田は何やってんだか…」と、彼のこの「放浪の旅」に良い印象を持たれていないのではなかったでしょうか。


あそこまで登りつめた人と同じコンセプトを共有できることは、私自身にとって励みになりました。

47都道府県を周遊し終わった後の、彼の動きに期待しています。



夏越の祓

2011年07月02日 | 日本文化
7月1日は一年の折り返し地点ですね。

「もう半年過ぎてしまった!?」と焦る人、「いろいろあったな~、でも充実していたな~」としみじみ想う人、どんな人にも平等に残りはあと半年ですね。元旦に一年の計を決めた人はそれを思い出して、再確認する良い機会です。

この日は、この半年間の罪や穢れを祓ってくれる和菓子「水無月」を食べる日でもあります。
ういろうの生地の上に小豆が乗っている素朴でおしゃれなお菓子です。
この時期京都に行くとどこの和菓子屋さんにもあります。

水無月の上に乗っている小豆は「悪霊ばらい」をすると言われていて、下のういろうの生地は氷を表現しているとのこと。室町時代初期の宮中では暑気払いとして氷を口にすると夏痩せしないと言われていたのですが、氷を食べられない庶民はこのお菓子を食べたということです。

この三角形の意匠は丸い和菓子が並んでいる中で目を引きます。
ういろうの透きとおった表面は水面をイメージさせ、涼しさを感じさせます。
そして「水無月」という命名。まさに暑いこの時期にぴったりではないでしょうか。
日常生活の中で自然を愛でる日本人の美的感覚を感じます。

この時期はまた、全国の神社では茅の輪くぐりの神事が行われます。
こちらも「水無月」を食するのと同じ除災行事です。
(というか、この行事がメインなのですがね・・・私の中では水無月の次です)

茅の輪の起源について調べてみました。
善行をした蘇民将来(そみんしょうらい)が武塔神(むとうのかみ)(素盞鳴尊すさのおのみこと)から「もしも疫病が流行したら、茅の輪を腰につけると免れる」といわれ、そのとおりにしたところ、疫病から免れることができたという故事に基づきます。

http://jinja.jp/modules/chishiki/index.php?content_id=42
神社と神道より

茅の輪を作る「茅」は世界最強の雑草と言われていて太古の昔から人々の生活の中にありました。5月5日に食べるチマキも今は「粽」と書きますが、昔は「茅」で巻いてあったから「チマキ」になったということです。

それにしても水無月・・・。美しいお菓子です。
ぜひ和菓子屋さんで見つけてみてくださいね!