今年の冬はとても長かったと感じるのは雪が多かったせいでしょうか。それとも気温が低い日が多かったせいなのでしょうか。河津桜はいつもより2週間も遅い開花を迎えているとのこと。花屋さんの店先にあった桃の花も、気のせいかどれも硬くて小さい蕾が多いように感じます。
梅、桃、桜、福寿草、菜の花、蝋梅、水仙、ノースポールなど今の時期に咲いている花々に加えて、これからは沈丁花やスイートピーなど開花を待ちわびた春の花々がたくさん加わり、春らしさをだんだんと増していくのでしょう。
平安時代の古より日本人は豊かな四季の自然から、季節の訪れを読み取り、感じ、それを生活の中に取り入れてきました。季節を彩る草花を利用して染色を施し、それらを身にまとうことで「自然」そのものを楽しみました。着物には表地と裏地があり、上から下にいくにつれて濃くしたり(裾濃:すそご)、また、ところどころ不規則に濃淡を入れたり(村濃:むらご)して、その楽しみ方にもさまざまな手法があり、繊細に、時には大胆に、色を取り入れてきました。また、日々の感情や思いを、色に託して手紙をしたためたり、歌に詠んだりして、色は教養の要素として大きな位置を占めていたように思います。
現代の日本を見てみると、街を歩く人たちの服装はモノトーンが多く、明るい色を身にまとう機会があまりないような気がします。黒、白、灰色、茶色、土色などを着ていれば、なんとなく安心感があるのは、明るい色を使う勇気がないからでしょうか。これらの無難な色の組み合わせで色のお洒落をあまり楽しんでいるように思えません。思い切った色使いはセンスの問われることで、難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。春なら春の色を身にまとうことは当然のことながら、その時期に自然界にある色を組み合わせた「色重ね」の文化は、今の私たちにはほとんどなくなってしまっているようですが、昔の日本人は今よりもっと大胆に艶やかに装っていました。
春なら「梅重ね」、夏は「若苗」、秋は「萩重ね」、冬は「氷重ね」など、とっても詩的な素晴らしいセンスで「色重ね」を楽しんでいた平安時代の人々をお手本にして、今年の春はぜひ色重ねを楽しみたいと思っています。
梅、桃、桜、福寿草、菜の花、蝋梅、水仙、ノースポールなど今の時期に咲いている花々に加えて、これからは沈丁花やスイートピーなど開花を待ちわびた春の花々がたくさん加わり、春らしさをだんだんと増していくのでしょう。
平安時代の古より日本人は豊かな四季の自然から、季節の訪れを読み取り、感じ、それを生活の中に取り入れてきました。季節を彩る草花を利用して染色を施し、それらを身にまとうことで「自然」そのものを楽しみました。着物には表地と裏地があり、上から下にいくにつれて濃くしたり(裾濃:すそご)、また、ところどころ不規則に濃淡を入れたり(村濃:むらご)して、その楽しみ方にもさまざまな手法があり、繊細に、時には大胆に、色を取り入れてきました。また、日々の感情や思いを、色に託して手紙をしたためたり、歌に詠んだりして、色は教養の要素として大きな位置を占めていたように思います。
現代の日本を見てみると、街を歩く人たちの服装はモノトーンが多く、明るい色を身にまとう機会があまりないような気がします。黒、白、灰色、茶色、土色などを着ていれば、なんとなく安心感があるのは、明るい色を使う勇気がないからでしょうか。これらの無難な色の組み合わせで色のお洒落をあまり楽しんでいるように思えません。思い切った色使いはセンスの問われることで、難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。春なら春の色を身にまとうことは当然のことながら、その時期に自然界にある色を組み合わせた「色重ね」の文化は、今の私たちにはほとんどなくなってしまっているようですが、昔の日本人は今よりもっと大胆に艶やかに装っていました。
春なら「梅重ね」、夏は「若苗」、秋は「萩重ね」、冬は「氷重ね」など、とっても詩的な素晴らしいセンスで「色重ね」を楽しんでいた平安時代の人々をお手本にして、今年の春はぜひ色重ねを楽しみたいと思っています。