e411y(回顧録)

e411yの旅でのことを書き残しておきたいと思います。

金鼓

2012年02月28日 | 
奈良県香芝市に大倉本家という酒蔵があります。銘柄名は「金鼓・きんこ」と言います。
この蔵は種々の事情があり、3年前に酒造りを中止しました。
金鼓は、過去になんども鑑評会にて金賞を受賞するなど、高い技術と地域密着型の販売方針から地元を中心に多くのファンがいるお酒でした。私も物心ついた頃には、店にならんでいましたから、とても愛着のあるお酒です。
その金鼓が棚から消えて4年目の2003年酒造りを再開したのです。
大学を卒業した後、東京で働いていた息子さんが蔵に戻り、再開を決意。これまで金鼓の杜氏として長年指揮を取ってきた、井谷 恒雄杜氏(兵庫県:但馬)の元へ「もう一度金鼓で、酒造りをして下さい。」とお願いに行きます。
しかしご家族の方から「父はかなりの高齢(当時83歳)です。父とお正月を過ごせたのは中止された3年間だけなんです。連れて行かないで下さい。」と言われます。その後も彼は何度も何度も足を運び、杜氏とご家族を説得。2003年再び酒造りがはじまりました。
再開初年度は、ただがむしゃらに酒造りをした年と蔵元は語りました。酒造り二期目となる2004年、「酒造りを再開しただけに満足せず、蔵の個性を活かしながら多くのお客様に愛飲していただける酒を造る」と、企画から価格まで思い切って見直し、新たに「大倉」というブランドにて発売することになりました。
創業以来、伝承されてきた山廃仕込みを蔵の個性とし(普通酒さえも山廃仕込み) そして2008酒造年度の酒造りからは、蔵元自ら杜氏として酒を醸しています。

@金鼓
「まんざいの いおうてうてや きんつづみ」
才蔵(さいぞう)の鼓にあわせて太夫(だゆう)が舞う~
萬歳は、年の初めにその年の繁栄を願ったおめでたいもの。
萬歳好きの初代が このフレーズから「きんこ・金鼓」と名づけたと聞いております。


最新の画像もっと見る