江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

羽生善治氏の講演会

2010年01月17日 | 囲碁・将棋
将棋の羽生善治名人の講演を聞きに行ってきました。
新潟市中央区社会福祉協議会が主催したもので、定員450人の会場は満員。
女性も多く、羽生さんの幅広い人気が窺えます。

講演のテーマは「決断力」
人と人とのつながり、ネットワークの重要さから始まり、将棋の話を中心に、人間の思考方法、精神の持ち方など、約90分の講演時間を緩むことなく精一杯務めるといった話しぶりでした。
誠実な人柄が伝わってきます。

将棋の世界では「不調も3年続けばそれが実力」と言われ、スランプの時、なぜそういう結果になっているのかを見極めることが大事だ。
力が足りないなら、力をつける努力をすればよい。
力はあるがそれをうまく出せないのなら、視点を変えたり、生活のリズムを変えてみたりするのもよい。

リラックスして楽しむような気持ちのときが一番力を出せる。
プレッシャーを感じるときは、それをうまく力に変えられるならよいが、一番よい状態とはいえない。

対局で長考しているのは迷っている時。
AかBどちらを選ぶか、完璧に先を見通せるわけではないので、すんなりと決断できるときは好調だといえる。
大局を見ることが大事、などなど中身の濃いお話でした。

羽生さんは昨日、徳島県で行われていたタイトル戦・王将戦7番勝負の第1局で久保棋王に敗れたばかりでした。
それこそどんな精神状態で新潟へ向かい、講演に臨んだのか。
心身とも疲れ果てているのではないかと心配していました。
しかしそんなことを感じさせず、いま自分に与えられた役目を一生懸命果たすだけといった様子です。
王将戦には一言も触れませんでした。
「つらいだろうに」などと気遣うのはむしろ失礼なことなのでしょう。
大勝負を何度もくぐって鍛えられた強靭な精神力を感じました。

過酷な勝負の世界で戦い、しかも超一流の人の話を直接聞く素晴らしい機会でした。
羽生将棋の見方も変わるかもしれません。
勝ち負けもさることながらその戦い方に注目していきたいと思います。

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