江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

自民党の参議院選挙戦略

2006年12月12日 | 主張
昨日、労働ビッグバンについて書いたが、雇用労働分野における規制緩和の裏にはある狙いが隠されている。

二極化、格差社会という単語の刺激性が薄れ、その現象にも国民が慣らされつつある。
しかし年収200万円以下の労働者の割合は増え、マスコミはワーキングプアの出現を伝える。

そこで自民党はこう言う。
あなた方は確かに貧しい、生活も苦しいだろう。それは一方で恵まれた労働者がいるからだ。既得権の擁護された公務員や大企業の社員だ。私(自民党)が彼らの既得権を剥ぎ取る。

本当は株主や経営者たちが真の敵なのだが、遠い存在の勝ち組よりは身近な所に敵をつくる。

自民党は昨年の9.11総選挙で味を占め、2匹目のドジョウを狙っている。
あの選挙での郵政攻撃は、ニートやフリーターを自民党に投票させることにつながったとの分析があるらしい。

自民党は、労働組合が既得権擁護の元凶だと喧伝して、とくに自治労と日教組を潰すことを公言して憚らず、民間労組と官公労の分断も手抜かりがない。
敵を分断する攻撃作戦は極めて効果的だ。
国を挙げての労働組合つぶし、いつか来た道だ。

労労分断が自民党の戦略ならば、私たちは労働者間をつなぐ闘いをすすめなければならない。

労働組合は、使用者(経営者)との関係において個では弱い労働者が団結して団体交渉によって雇用や労働条件を確保しようとする組織である。
闘いの積み重ねで権利と労働条件を獲得してきたことのどこが批判されなければならないのか。

しかし一方で自分たちのことのみに目を奪われ、未組織労働者の問題にも取り組む社会的な責任を果たしてこなかったことは否めない。
連合は昨年の大会で「組合が変わる、社会を変える」というスローガンをうち立てた。
すべての労働者のために、その運動の内実が問われることとなっている。

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