江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

The Open

2009年07月20日 | スポーツ
59歳のトム・ワトソンの活躍で、ゴルフの全英オープンは大きな注目を集めました。
私も昨夜から今朝までテレビに噛り付いて、おかげで寝不足です。

全英オープンは1860年に第1回が開催され、途中二度の世界大戦で開催されなかった年もあり、今年が第138回大会となります。
ちなみに男子ゴルフの4大メジャー、全米オープンは1895年、全米プロは1916年、マスターズ・トーナメントは1934年がそれぞれ第1回大会です。
全英オープンは世界で最も由緒あるゴルフの試合というわけで、The Open と呼ばれています。

1867年の第8回大会でトム・モリス・シニア(ジュニアも優勝しており父子優勝はトム・モリス親子だけ)が46歳で4回目の優勝をしたのが最年長優勝記録で、ワトソンが優勝すればこれを142年ぶり更新する快挙、しかも年齢も大幅に更新することになり、また彼自身6度目の全英制覇で最多優勝記録にも並ぶのです。
第138回大会の完全な主役、ギャラリーも解説者もテレビの前の視聴者も大多数がワトソンを応援していたと思います。
弥が上にも盛り上がったわけです。

実は昨年も53歳のグレッグ・ノーマンが2打差の首位で最終日を迎えましたが、結局6打差の3位に終わりました。
ちなみにノーマンも全英オープンは過去2回優勝しており、リンクスという天候が変わりやすく風雨にさらされる海岸のゴルフ場を会場とするこの大会では、若いパワーと進歩した技術だけではだめで、思うままにならない厳しい自然環境を受け入れる忍耐力、応用力、創造(想像)力、自身制御力が必要だから、ノーマンやワトソンといった経験と技術を持ったベテランが活躍できる余地があるのかもしれません。

さて、ベビーブーマーの最後といわれる59歳、同世代の中高年が自らの夢を重ねてワトソンを応援しましたが、結果はプレーオフで36歳のスチュアート・シンクに敗れ、同スコアの2位に終わりました。
最終日1打リードの単独首位4アンダーでスタートしたワトソン、さずがに緊張で身体が動かないのか前半でスコアを崩し、途中逆に2打差つけられてもうだめかと思われましたが、よれよれのセーターとだぶだぶのズボンをはいて、1970年代全盛の懐かしいスウィングで、ピンチにも淡々とプレーをするワトソンは、後半盛り返します。

17番を終わって3アンダー、1打のリードを保って最終ホールを迎えます。
第1打フェアウェイ真ん中、第2打もいいショットでしたが少しだけクリーンをオーバーしてしまいます。
普通の状態なら、ここから2打でパーをとるのは易しいはずです。
しかしパターで打った第3打のアプローチは強すぎて2mオーバー、返しのパットも外してボギーで2アンダーとし、先に2アンダーでホールアウトしていたシンクと並んで2人のプレーオフとなり、そこからはもう59歳のワトソンに闘う力は残っていませんでした。

最後の2mのパットを入れろというのは無理です。
142年ぶりの歴史的快挙、最年長記録を13歳も更新、26年ぶり6度目の優勝、これだけ重いものを背負ったパットは入りません。

問題はその前の第3打のアプローチです。
ワトソンはあっさり打ってしまいましたが、もっと慎重に時間をかけてほしかった。
同組のゴギン選手のパットの方がカップまでの距離は遠かったはずで、本当はゴギンが先に打たなければならないのに、グリーン外からのワトソンがさっさと先にプレーに入ってしまった感じでした。
ゴルフにタラ・レバはありませんが、もしゴギンが先にプレーをしてそのパットの転がりを見ていたら、ワトソンのアプローチは違っていたかもしれません。
キャディがアドバイスしていたらとも思います。

しかしゴギンもキャディもワトソンに声を掛けれる状況ではなかったのでしょう。
もし自分が先に打とうと言った結果、またはキャディが何かアドバイスした結果、ワトソンがミスするかもしれないのですから。

それにしても惜しかった。
今後破られることのない記録が生まれたに違いないのです。
夢を託した私たち中高年のオジさんたちよりも本当は何倍も悔しいはずなのに、当のワトソンは、淡々と負けを認め、最後まで紳士でした。
トム・ワトソンさん、すばらしいプレー、ありがとう。

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1 コメント

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全英オープン、素晴らしい解説! (すずきせいこ)
2009-07-21 09:42:51
ゴルフをやらない私も深夜、釘付けで見ていました。江花会長の素晴らしい解説にも拍手です。
いよいよ衆院解散、選挙モードに突入で待ちに待った政権交代のチャンスです。
プレーオフで力尽きたワトソンさんは、全世界から評価されましたが、この選挙で負けては評価されませんよね。
マスメデァに振り回されることなく、最後まで頑張りましょう!
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