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繰り返される領海侵犯 日本の主権明確化急務 揺れる石垣「漁業施設整備を」

2012-08-13 16:37:31 | 政治

 繰り返される領海侵犯 日本の主権明確化急務 揺れる石垣「漁業施設整備を」  gooニュース
  2012年8月13日(月)08:02
  (産経新聞)

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐっては、日本固有の領土であるにもかかわらず、中国や台湾が領有権を主張し、周辺海域では領海侵犯が繰り返されている。平成22年9月の中国漁船衝突事件では、中国人船長の逮捕、起訴をめぐり、日中間の外交問題に発展した。日本の主権を明確にするため、東京都の石原慎太郎知事は今年4月、尖閣諸島を購入する意向を表明、政府も国有化に動き出した。尖閣諸島の歴史や日本の立場と中国、台湾の主張を検証し、今後を展望する。(高橋昌之、千葉倫之)

 ■「思い同じ 何としても尖閣守る」

 「尖閣の大地を踏んでにおいをかぎ、現地の状況を把握して発言する人は他にいない。『頭がおかしい』って言われますけどね…」

 8月7日、台風の迫る石垣市内の事務所で、仲間均市議(62)は口ひげを揺らして笑った。平成6年の初当選時に公約に掲げて以来、国が禁じる尖閣上陸を繰り返してきた。7月5日にも北小島へ計16回目の上陸を敢行、海鳥の繁殖状況などを確認してきた。書類送検は13回。この日も午後から取り調べが待っていた。

 尖閣での漁業や海底資源開発を訴えての行動だが、地元でも賛否が渦巻く。「売名行為」との批判も絶えない。しかし仲間氏は拳を握りしめて言い切った。

 「政府が動かないからこその問題提起。私の行動は野蛮かもしれないが、市民生活を良くするための戦略だ。今後も続けますよ」

 政府は「平穏かつ安定的な維持管理」との理由で、尖閣上陸を禁じてきた。石垣市による13回の上陸許可申請にも応じず、漁業施設の整備を求める漁業者の声にも耳を貸す様子はない。

 ■好漁場生かせず

 7日、石垣港は台風のため漁に出る船もなく閑散としていた。隣のマリーナでは中国漁船衝突事件で活躍した海上保安庁巡視船「みずき」「よなくに」が船尾の日の丸を強風にはためかせていた。

 「昔は尖閣周辺まで漁船が出ていたが、今はほとんどない。いい漁場だが遠い。避難港も通信施設もないから安心して操業できない」

 港内の事務所で、八重山漁協の上原亀一組合長(50)が説明してくれた。石垣島から魚釣島まで約170キロメートル。高級魚アカマチなどの好漁場だが、しければ引き返すしかない。燃油高もある。割に合わない。

 漁業者が一致して求めるのは避難港や灯台などの整備だ。「そうなれば漁に行く船も増え、結果的に経済実効支配の強化につながる」と組合長は訴える。

 「なぜ遠慮ばかり」

 尖閣への出漁が減る理由は他にもある。マグロ漁船がはえ縄を切られるなどの被害が出ており、別海域での操業を強いられているからだ。中国漁船というよりはもっぱら台湾漁船の仕業だという。

 加えて、中国の漁業監視船の相次ぐ領海侵犯で、漁業者の危機感は高まっている。「尖閣は石垣の生命線。奪われたら生きるすべがなくなる。なぜ政府は中国に遠慮ばかりしているのか…」。地魚が評判の居酒屋で待っていた観光漁船主の比嘉康雅氏(55)は泡盛をあおりながら繰り返した。「国有化しても今と同じだ。ならば東京都が買った方がいい」。これは多くの漁業関係者と共通の意見だ。政府への不信感が都への期待につながっている。

 ただ、地元の感情は少し複雑で、中国や台湾を刺激することへの不安も少なくない。仲間氏は語る。「石垣にもいろんな意見はあるが、思いは同じ。何としても尖閣を守らないといけない。それだけです」

【用語解説】尖閣諸島の地理

 石垣島北方約170キロメートル(魚釣島まで)の北緯25度、東経123度~125度の海域に点在する5島と3岩礁から成る。大正島は国有地だが、魚釣島、北小島、南小島、久場島の4島は個人が所有、政府が賃貸借契約を結んで賃借料を支払っている。


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