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ウェザーニューズ:2014年9月30日(火)18:30
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御嶽山噴火 清流無残、灰色の王滝川 天候悪化で土石流の懸念も
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産経新聞:2014年10月1日(水)20:13
御嶽山の噴火により周囲の山々に降り積もった火山灰の上に雨が降り、土石流が起きる懸念が高まっている。2日には噴火以来、初めて雨が降るとの予報もあり、再び連鎖的な自然災害が起こりかねない。1日、灰で無残に濁った麓の川を歩き、危機にさらされた渓谷の集落を訪ねた。
御嶽山からの水脈が流れ込む王滝川。長野県王滝村が誇る川底まで透き通った清流だったが、火山灰が流れ込み、灰色の濁流に姿を変えていた。山頂の南約10キロの地点で川辺に下りた。河川敷には、水を含んだ半乾きの火山灰がたまり、粘度状になっていた。人さし指ですくい取ると、ぬめりのある泥のようだ。だが、すぐに乾いてパラパラと崩れてしまった。
火山灰は水を吸うと泥状になり、再び乾燥すると固まる。水はけは悪く、その性質が土石流の原因となる。山腹に積もった火山灰の層が雨で固まると、地中にしみ込むはずの雨水が火山灰層の上を流れ、沢に集まる。沢が保水の限界を超えたとき、火山灰とともに土石流となる。
「少しの雨でも土石流は起こる」。国土交通省国土技術政策総合研究所の国友優・土砂災害研究室長(46)はこう指摘する。降灰範囲は山頂から東側に5キロほど伸び、幅は2キロ前後で量も多くはない。「現地を視察したが、今回は集落のある下流で土石流が発生する可能性は低そうだ」
ただ国友室長は「毎時40ミリ以上の大雨などになれば集落に被害を及ぼす土石流が発生する可能性は否定できない」とも語った。
広範囲に灰が降った同県木曽町の山中、御嶽山を背に県道20号を東進すると湯川橋に差し掛かった。橋からは、高さ14メートルの巨大な砂防ダムが一望できる。流れてきた土砂をためるダムのポケットが、これまでにたまった土砂ですでに満杯になっている。土石流を抑えるには心許ない状態だ。
ダムを管理する県では重機を入れ、急ピッチで土砂の撤去を進めていた。火山灰による土石流が起きた場合、民家への影響が出る恐れがあるという。だが、県の担当者に尋ねると、この土砂を撤去して、十分な砂防空間を確保するには「あと2カ月ほどかかる」とのことだった。
御嶽山周辺の同県南部では2日午後から天候が崩れる予報が出ている。ダムから100メートルほど下流には12軒ほどの集落があった。
一軒家で独り暮らしの下方(しもかた)千代松(ちよまつ)さん(77)を訪ねると「このあたりは灰はほとんど降らなかったんだけど」と不思議そうに玄関口から道路を指差した。「噴火で土石流といわれてもピンとこない。町の防災無線も聞いているし。いざってときは集会所に避難するさ」と話していた。(玉嵜栄次)