■玻璃の天 北村薫 文春文庫
ベッキーさんシリーズの2冊目である。
このシリーズは3冊目で完結していて、その3冊目、鷺と雪が141回直木賞を受賞した。
1冊目の街の灯は読んだ。
まあまあ面白かったが、ジュブナイル推理小説と思い込んでしまい、軽んじていたところがある。
だからこのシリーズが天下の直木賞を取って私は驚きました。
舞台は昭和10年の東京。 ヒロインの探偵は15歳の財閥系華族令嬢花村英子と彼女の専属使用人で主に運転手をしている別宮みつ子。
令嬢は日頃は別宮と呼び捨てにしているが、まだ二十歳そこそこの別宮にベッキーさんというニックネームをつけて、二人だけの時にはベッキーさんと親しく呼び掛けることもあった。
1冊目ではふたりのどちらがヒロインとしての主導権を握っているのか(私は)わからなかったが、この「玻璃の天」で漸く理解した。
ヒロインは令嬢なのですね。
ベッキーさんは令嬢の推理を助けるアシスタントに徹している。
まぁ「玻璃の天」では謎の女性ベッキーさんの素性がようやくわかることもあって、令嬢がヒロインでなくては運ばないといった事情もあるのだが。
あと6年で戦争が始まる。 その4年後には日本は敗戦国となり、財閥が解体されることを知っていて、この小説を読むところが面白い。
無邪気に謎解きに挑む令嬢が敗戦後も穏やかで幸せであって欲しい、そう応援したくなる。
小説の形態は連作短編集。 すべて一話完結の三編のうち始めの二編は最終の作品につながる序章を兼ねている。
ここまで読んでしまうと、3冊目が読みたい。
ベッキーさんと令嬢が国情不安の大日本帝国で、どう生きていくのか。
文庫になるまで待てそうもない。
ベッキーさんシリーズの2冊目である。
このシリーズは3冊目で完結していて、その3冊目、鷺と雪が141回直木賞を受賞した。
1冊目の街の灯は読んだ。
まあまあ面白かったが、ジュブナイル推理小説と思い込んでしまい、軽んじていたところがある。
だからこのシリーズが天下の直木賞を取って私は驚きました。
舞台は昭和10年の東京。 ヒロインの探偵は15歳の財閥系華族令嬢花村英子と彼女の専属使用人で主に運転手をしている別宮みつ子。
令嬢は日頃は別宮と呼び捨てにしているが、まだ二十歳そこそこの別宮にベッキーさんというニックネームをつけて、二人だけの時にはベッキーさんと親しく呼び掛けることもあった。
1冊目ではふたりのどちらがヒロインとしての主導権を握っているのか(私は)わからなかったが、この「玻璃の天」で漸く理解した。
ヒロインは令嬢なのですね。
ベッキーさんは令嬢の推理を助けるアシスタントに徹している。
まぁ「玻璃の天」では謎の女性ベッキーさんの素性がようやくわかることもあって、令嬢がヒロインでなくては運ばないといった事情もあるのだが。
あと6年で戦争が始まる。 その4年後には日本は敗戦国となり、財閥が解体されることを知っていて、この小説を読むところが面白い。
無邪気に謎解きに挑む令嬢が敗戦後も穏やかで幸せであって欲しい、そう応援したくなる。
小説の形態は連作短編集。 すべて一話完結の三編のうち始めの二編は最終の作品につながる序章を兼ねている。
ここまで読んでしまうと、3冊目が読みたい。
ベッキーさんと令嬢が国情不安の大日本帝国で、どう生きていくのか。
文庫になるまで待てそうもない。
面白かったです。
お読みになったら感想を聞かせてください。
楽しみに待っています。