おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼7

2011-06-29 21:54:24 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

今回の「リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼」は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。

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~さくらちゃんの殺害現場~
作 / 猪 寿

今回、さくらちゃんの母親直美の健太くんの殺害計画は、くも丸とさくらちゃんの機転がうまく功を奏して阻止できたものの、ただまたひとつ新たな問題が発生しました。

それは、直美があの殺害計画の失敗以来、ますます健太くんへの憎しみを募らせるようになり、再び彼を殺害しようと計画していたのです。

直美の昼夜かまわずに、ある時は健太くんの後を必要以上に付け回して写真を撮ったり、またある時は実際には待ち伏せをしていたにもかかわらずに、偶然を装って声を掛けたりするなど、そのストーカーまがいの度を越えた悪質な行為は、もはや人としての常識を逸脱し、まさに狂気じみていました。

そのせいで、さくらちゃんは直美が健太くんの殺害に失敗したその後も、ずっとお母さんのことが心配になって、まだ天の国に行かずに家にいました。

そのために、くも丸はこのままではさくらちゃんがいつまでも天の国に行けずに、独りぼっちになって呪縛霊になってしまうことを危惧し、彼女には気の毒だと思いつつも、あることを決意しました。

それは、さくらちゃんが水死事故にあった日にタイム-スリップして、彼女の死が単なる水死事故ではなく殺人事件だったことの証拠を手に入れ、直美がこれ以上の殺人を犯さないように、警察にさくらちゃんの水死事故を再捜査してもらうことでした。

くも丸が、さくらちゃんが水死事故にあったされる日の、午後四時直前のへその緒橋の行くと、やはり近所の住民の目撃証言どおりに白い軽自動車を橋の横に止めて、ちょうどさくらちゃんと直美が親子で鬼子母神川を眺めていました。

その光景は、一見すると普通の仲のいい母と娘が橋の上で、夕涼みか川の見学でもしているかのようでした。

しかし、その犯行計画は突然やって来ました。

やがて、かつてくも丸がこのへその緒橋にやって来て、鬼子母神川の風景を眺めていたときと同じように、夕陽がブナ原生林の西の山頂の裏側に沈み、しだいに橋の周囲一帯が薄暗くなって、けっこう数メートルの近距離からでも、人の目ではその姿が目に付きにくい時間帯になったときのことでした。

突然、さくらちゃんから聞き覚えのある言葉が、直美の口から飛び出しました。

「ほらさくらあそこ見てごらん、桜鱒が泳いでいるよ・・・」

「どこ、どこ、さくら、手すりが邪魔になって見えない・・・」

「じゃあ、抱っこしてあげようか・・・」

「うん!」

いくら、さくらちゃんが水を嫌いだといえ、母親の腕の中に抱っこされている以上は、安全だと思い安心したのでしょう。

直美がさくらちゃんを抱きかかえると、彼女は漫画や絵本でしか見たことがない本物の桜鱒見たさに自ら身を乗り出して、直美の指差す川の方向を覗き込みました。

その時、さくらちゃんの躰は橋の手すりの半分以上を越えて、川の方向に向かい乗り出す恰好になっていました。

その瞬間、直美がニヤリと薄笑いを浮かべたのが、とてもくも丸には印象的でした。

そして、その直美の薄笑いはさくらちゃんを殺害するための、序幕でもありました。

「お母さん、どこどこ、どこに桜鱒はいるの?」

さくらちゃんが夢中になってそう叫びながら、さらに川の方向に躰ごと乗り出したときでした。

直美が、さくらちゃんを抱きかかえているその手を、まさに川に中に突き落とすかのようにして、無理やり手離したのです。

「キャーッ、お母さん助けてぇ~」

その瞬間、さくらちゃんの小さな姿はさらに小さくなって、母親に大声で助けを求める叫び声と共に、黄昏で薄暗くなった鬼子母神川の闇の中に消えて行きました。

やはり、くも丸が当初からの予想していた通り、さくらちゃんを殺した犯人は彼女の母親直美でした。

まさにこの時の直美の形相は、性悪で数多くの人間の子供を攫って食ったという、鬼子母神(鬼)そのものでした。

くも丸は、さくらちゃんがこの後どうなったのか?さすがにその様子が気になったが、彼女のあまりにも痛々しくて薄幸な人生を思うと、とても彼女が可哀相でその後の様子を見る気になれずに、そのままもと(現在)の世界に引き返すことにしました。


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リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼6

2011-06-29 11:36:51 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

今回の「リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼」は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。

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 ~健太くんの殺害計画3~
作 / 猪 寿
   

さくらちゃんの母親直美が、健太くんの殺害計画を実行したのは、彼女がくも丸に相談にやって来てから、約約一ヵ月後のことでした。

直美は、殺害計画を実行する数日前から、健太くんの後を付回し彼が一人になるのを見計らって、さくらちゃんの思い出の品をあげるからと言って彼を強引にくどき、人目につかないように車に乗せて家まで連れて行きました。

アリバイづくりのためか、直美は健太くんを誘うまで、ほかの近所の子供たち数人にも声を掛けたようですが、健太くん以外は誰一人として、彼女の誘いに乗って来る子供はいなかったようです。

その訳は、ほかの子供たちの親がみんな今回のさくらちゃんの水死事故の一件で、直美に対して何らかの疑問を持っているために、子供たちに彼女に声を掛けられても近づかないように、きちんと言い付けていたからだったようです。

「おばちゃんこのジュース飲んでいい・・・」

「はい、はい、いいですよ。ケーキも用意してあげるからね・・・」

「ところでおばちゃん、僕にあげたい物ってなーに?」

「シャボン玉よ、ほら家に遊びに来たらきよくさくらとやっていたでしょう・・・」

「うん・・・」
直美は、当初はとても人のいいさくらちゃんのお母さんを演じていましたが、健太くんがさくらちゃんの大好きだったシャボン玉の道具を貰ったとたんに帰ろうとすると、いきなりその様相は一変しました。

「あっ、そうそう・・・ねえ、ねえ、健太くん・・・」

「なーに?」

「ちょっと、おばちゃんね、忘れていたんだけど、もうひとつあげたい物があるから、そこの机にある漫画でも読んで、ちょっと待っていてくれる・・・」

「うん、いいよ・・・」

健太くんが直美に言われたとおりに、居間の座卓の上においてあった漫画を手に取り、その漫画を読み始めて四、五分たったその時でした。

いきなり、直美はこの日のためにあらかじめ用意して、縁側の物干し竿に吊るしておいた腰紐を、健太くんの首に背後から巻き付け、彼を絞め殺そうとしました。

「おばちゃん、この紐どうしたの?」

この異変に気付き、健太くんはそう尋ねながら後ろを振り返ると、直美の顔を見てニッコリと笑いました。

どうやら、健太くんは直美のこの行為を、単なる彼女の悪ふざけだと思い込んでいるようでした。

直美は、この彼女の行動を健太くんが単なる悪ふざけだと思い込み、彼女の顔を見て笑ったことに逆に逆上し、なおも彼の首を強引に腰紐で絞め続けました。

その顔付きは、まるで鬼を思わせるような形相でした。

ただ、直美の殺意とは裏腹に、どんなに彼女が腰紐を強く引っ張って首を絞めても、逆に腰紐が長く伸びるだけで、いっこうに健太くんが窒息死することはありませんでした。

それは、直美が健太くんを殺害する計画が、あらかじめくも丸とさくらちゃんには分かっていたので、二人で直美が健太くんを殺害するために吊るしておいた腰紐を、長く伸びるゴムの腰紐に擦り替えていたからでした。

「チッ、この腰紐はなんなの!」

そのうち、健太くんの首を絞めて殺害するどころか、何回やっても引っ張れば張れるほど長く伸び、自分の思い通りにならない腰紐に、直美はだんだんといらつき始めました。
そして、最後はこの状況の悪さにとうとう根負けしてしまい、自ら健太くんを殺害することを諦めました。

「おばちゃん、僕、おばちゃんに紐で首を絞められてもなんともなかったよ。おばちゃん、手品師がうまいんだね・・・」

「・・・・・」

さすがに、母の顔をした殺人鬼の直美も健太くんのこの言葉には動揺し、彼はまだ彼女と手品ごっこをして遊びたがっていたにもかかわらず、大慌てして家から追い帰しました。

健太くんは、さくらちゃんの家を出ると、夏の日差しがさんさんと降り注ぐ中を、真っ黒に日焼けした顔に満面な笑みを浮かべながら、自宅がある方角に向かって駆けて行きました。

その手には、しっかりとさくらちゃんと遊んだ思い出の品である、シャボン玉の遊び道具が握られていました。

くも丸とさくらちゃんは健太くんのこの元気に帰宅する姿を見て、心の底からホットしました。

「さくらちゃん、お母さんがお友達を殺さずに、よかったね・・・」

「うん!ありがとう、くも丸・・・」

このときの、くも丸とさくらちゃんの表情も、直美の健太くんの殺害計画を食い止めるという、すごい重苦しい場面の緊張の糸から解放なたれたこともあり、健太くんと同じように笑顔で満ち溢れていました。




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リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼5

2011-06-28 22:31:24 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

今回の「リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼」は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。

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~健太くんの殺害計画2~
作 / 猪 寿
    

 
「お母さんが、健太くんを殺すってどういうこと?」

「実は・・・あのね・・・」

「お家でね、お母さんが健太くんを殺す準備をしているのを、さくら見ちゃったの・・・」

「・・・・・」

くも丸も、さすがにさくらちゃんが淡々と語る、まるでミステリー小説のストリーを地で行くような話しには、一瞬あっけに取られて声も出ませんでした。

「だから、お母さんが健太くんを殺すのを止めて欲しいの・・・」

「どうして、お母さんはそんなことをするの?」

「ちょっと、さくらにはハッキリしたことは分からないけど・・・実はね、さくらね、水の事故にあった日にお母さんに“川に桜鱒を見に行こう”って誘われたの・・・」

「さくら、水が嫌いだから本当は行きたくなかったけど、お母さんがまるで鬼のような怖い顔をして怒るものだから、ついその顔を見たら怖くなって“行くって”仕方なく返事したの・・・」

「そうしたらね、お母さんは誰にも絶対に話しちゃ駄目だと言っていたけど、実は・・・その日・・・川に桜鱒を見に行く途中の公園の近くで、偶然健太くんに会ったの・・・」

「ほら、さくらと健太くんって、しょっちゅう一緒に遊んでいるお友達じゃない・・・」

「だから・・・さくらは当然のことだと思うけど・・・健太くんに車の中から声かけて手を振ったの・・・」

「そうしたらね、何だか分からないけど、すごくお母さんは怒ってね、さくらのことをぶったの・・・」

くも丸はさくらちゃんの話しを聞いているうちに、何故?直美が健太くんを殺害する計画を立てているのか、その謎の全貌がしだいに分かって来ました。

さくらちゃんの話は、まだまだその後も続きました。

「へその緒橋に車を止めて、お母さんと一緒に橋の欄干の隙間から川を見ていたらね、お母さんが水の中を桜鱒が泳いでいるというものだから、ほらアタシ背がちっちゃくて見えないから、お母さんに抱っこしてもらって川の中を覗いたの・・・」

「そうしたらね、不思議なことがあったの・・・」

「不思議なことって?」

「さくら、お母さんに抱っこしてもらって川を見ていたはずなのに、だけど気が付いたら一人で水辺に横向きになって眠っていたの・・・」

「その後、さくら夢でも見ているのではないかと思って、何度もお母さんの名前を呼んでみたけど・・・何の返事もないし・・・」

「おまけに、もう日が暮れて川の周りが真っ暗になっていたから、なんだかさくら急に怖くなってね、すぐにお母さんを探しにへその緒橋に戻ってみたのだけど・・・もうお母さんは橋にはいなかったの・・・」

「だから、急いで家に帰みたら・・・」

「さくらが・・・びっくりするようなことが起きていたの・・・」

「い、いったい、何があったの!」

「さくらのお家に、お巡りさんや近所の人たちが大勢集まって、さくらが川に桜鱒を行ったまま行方不目になったって、大騒ぎしているの・・・」

「だけど、さくらここにいるのにおかしいなあと思って、お母さんや近所のおばさんたちに何度も声を掛けるんだけど、誰もさくらの方を見ても返事をしてくれないし、アタシがいることに気付いてくれないの・・・」

「ただ、その中でもとても変だと思ったのは、お母さんがお家に集まったみんなに泣きながら、本当はさくらと一緒に川に桜鱒を見に行ったのに、アタシが一人で友達に人形を見せに行ったついでに、川に桜鱒を見に行ったみたいだと言っていたことなの・・・」

「それって、くも丸おかしいことじゃない?」

「もちろんそうだね・・・」

「だから、さくら、健太くんのお家にも行って彼にも話し掛けてみたんだけど、やっぱりお家の時と一緒で、アタシの姿を見ても声も掛けてくれないし、アタシがいることにも気付いてくれないの・・・」

「だから・・・さくらどうしたらいいのか困ってしまって、ずっとお母さんの傍にいるんだけど、ぜんぜんアタシが声を掛けても気付いてくれないの・・・」

「それに、お巡りさんや近所の人たちの前では、あんなにさくらのことを心配して泣いてくれていたのに、おうちの中でのお母さんの様子を見ていたら、まったくアタシのことを心配してくれている様子はないし・・・なんだか変だなあと思ようになってきたの・・・」

どうやら、さくらちゃんの話を聞いていると、彼女はこの時まだ自分が水難事故に遭い、溺死したことを知らないようでした。

「じゃあ、さくらちゃんは自分が死んだことが、どうして分かったの・・・」
「そ、それは・・・」
「言いたくなかったら無理に言わなくたってもいいんだよ。僕は、警察のように何か取調べをしているわけじゃないし、君のお母さんのように怒ったりはしないから・・・」

「ううん、ごめんねくも丸・・・話したくないんじゃなくて、その時のことを思い出すと怖くなるからなの・・・」

「それって、どういう意味?!」

「それはね、さくらがね、お母さんと一緒に桜鱒を見に行った翌日に、水死体でへその緒橋の下流の水辺で発見されてから、警察病院に運ばれて司法解剖されたり、焼却炉の中で焼かれたりしているのを見ちゃったからなの・・・」

「そっか、辛いことを思い出させてごめんね・・・」

「でも、さくらお母さんのことは、これっぽっちも恨んでないよ。だって、今度はアタシが死んだのは一緒に川に桜鱒を見に行った際に、橋の欄干から誤って足を滑らせて落ちたからだって、本当のことをお母さんがみんなに言っていたもん・・・」

「それって、お母さんのせいじゃなくてさくらのせいでしょう・・・」

「・・・・・」

この時、くも丸はさくらちゃんの話を聞くだけにして、あえて何も反論しませんでした。
それは、ここでくも丸が自分が思っている本当のことを話すと、必ずさくらちゃんを傷つけてしまうことが分かっていたからでした。

ただ、まだその真相は未解決にせよ、さくらちゃんのお母さんのことをここまで愛してやまない、まるで天使のような純粋な気持ちを平気で踏みにじり、今度は我が子ばかりかその友達まで殺害しようと計画している、彼女の母親直美容疑者の鬼母のような行為は絶対に許せないと思いました。


そしてそれと同時に、まださくらちゃんが自分が水死した本当の事情を知らないことが、せめてもの救いだと思いました。




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下家 猪誠




リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼4

2011-06-24 21:50:20 | 社会・政治・ニュース・教育・家族・話題

今回のりとるさんた / 母の顔をした殺人鬼は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。


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~健太くんの殺害計画1~
作 / 猪 寿


くも丸は、夕陽に染まる橋の上から、さくらちゃんが水死した鬼子母神川の風景を眺めていました。

この橋の名前はへその緒橋といい、さくらちゃんと直美親子が一緒にいる姿を、近くの住民に最後に目撃されたいわくつきの橋です。

ただ一見すると、そんな噂話とは程遠いような、西の空に沈む夕陽がブナ原生林の山肌や、川岸の周りの草花と色鮮やかに溶け合って、とてもきれいな場所でした。

くも丸はこの場所に来る途中、偶然通りかかった駄菓子屋の店先で、駄菓子屋のおばさんが馴染みの客と立ち話をしている、さくらちゃんのとても愛らしい噂話を耳にしました。

それは、さくらちゃんの遊び仲間の子供たちが何か買いに来る度に、いつも彼女だけが金を持っていないために、みんなと一緒に店の中には入らずに、その様子を店の外で一人だけ見ていたという話でした。

そして、さくらちゃんのことが可哀相になって、ときどき駄菓子屋のおばさんが外にいる彼女を手招きして呼んで、ガムやキャラメルなどをあげると、「さくらの分だけじゃお母さんが可哀相だから・・・」と言って、必ず母親の分までおねだりして貰って帰るという話でした。

この話を聞いたとき、再びくも丸の心の中には、さくらちゃんの母親に対して“なんで?・・・”という疑問と同時に、悲しみと怒りがこみ上げて来ました。

くも丸は、夕陽がブナ原生林の西の山頂の裏側に沈み、しだいにあたり一面が薄暗くなっても、まだ橋の上から川の風景を眺めていました。

それには、それなりの深い理由がありました。

それは、くも丸自身の中にこれまでのさくらちゃんの話を聞いたり、彼女の母親直美の行動を見ていたりしていると、彼女の死は警察が発表したように単なる水死事故ではなく、殺人事件ではないかという強い懸念があったからです。

そして、その真相を明らかにするために、さくらちゃんのお母さんを思う気持ちを無視して、無理にでも事件のあった当日にタイムスリップし、彼女の水死事故について調べるかどうかを、かなり迷って悩んでいたからでした。

というのも、くも丸がさくらちゃんの水死事故の真相を調べるということは、それに付随してもしも彼の直感が当たっていたら、彼女を大きく傷つけてしまうことが、目に見えて分かっていたからでした。

そうこう思い悩んでいるうちに、西の空の方角に一番星が姿を見せて、急速に日が暮れ始めると、あたり一面の景色はすっかり暗闇に包まれてしまい、うっすらとしか見えなくなりました。

ただ同時にそれとは逆に、今度は夜空にはいっぱいに夏の星座の群れが姿を現し、まるでそのきらびやかな星の光が瞬く風景は、クリスマス時に街いっぱいに飾られているクリスマスツリーを見ているようでした。

「そういえば、夏の一番星のペガ(織姫星)には、自分の好きな人(彦星)と七夕の夜に一年に一度しか会えないという、悲しい恋愛の話があったよね・・・」

「でも、一年に一度しか会えないという恋愛なんて、かえってすごく情熱的になれていいのかもしれないなあ・・・」

「あれ???」

「エッヘッヘッヘ。まだ小学生三年生の子供の僕が、こんな大人の恋愛の話を連想するなんて、ちょっとおかしいかなあ・・・」

くも丸は、自分で自分のこましゃくれた連想に照れくさくなって、ついつい一人で腹を抱えて大笑いしました。

よほど、自分でも織姫と彦星の恋愛話を連想したのが照れくさかったのか、いつまでもその笑いは止まりませんでした。

「クッ、クッ、クッ・・・ゲラ、ゲラ、ゲラ・・・」

「くも丸!」

「えっ?!」

突然、くも丸は自分のこましゃくれた態度にゲラゲラと照れ笑いしている最中に、誰かに自分の名前を呼ばれたので、顔から火が出るほど驚きました。

その名前の呼び主は、さくらちゃんでした。

「こ、こんな時間に、ど、どうしたの?さくらちゃん・・・」

「実は・・・お願いがあって来たの・・・」

「お願い?ぼ、僕に・・・」

「う、うん・・・」

さくらちゃんは、くも丸にお願いはしたものの、その後やっぱり不安になったのか、かなり彼にその内容を話すかどうかを躊躇っていました。

「大丈夫だよ、僕は君の味方だし、これから君に聞くことは誰にも話さないと約束するから、心配することなんか何もないよ・・・」

「ほ、ほんとに・・・」

「じゃあ、指きりしてくれる?」

「それはいいけど、指きりってなに?」

「指きりってね、人間の世界のぜったいに嘘を使いで約束を守るという、決めごとなの・・・」

「そうっか、そういう意味なのか。それで僕がさくらちゃんに嘘つきじゃないと信じてもらえるんだったら、僕は指きりするのはいつでもいいよ・・・」

「だったら、さくらの小指にくも丸の小指を絡めてくれる・・・」

「いいよ・・・」

「それじゃあ、指きりするね・・・」

さくらちゃんの言葉にくも丸が大きく頷くと、彼女はよほど安心したのか、とても嬉しそうに満面に笑みを浮かべて、子供同士がよく指きりするとき歌う、文句を口に出し大声で歌い始めました。

「♪指きりげんまん嘘ついたら針千本飲ます・・・」

「指きった!」

「じゃあくも丸、さくらと指きりしたから、ちゃんと約束を守ってくれるよね・・・」

「もちろんだよ・・・だから、きちんとその願いごとの内容を話してくれる・・・」

さくらちゃんは、くも丸と指きりまでして約束しながらも、おそらくやはりそれでも彼女にとってはかなり大きな問題なので、きっと心配になったのでしょう・・・その後もしばらくは彼の様子を観察でもするかのように見ているだけで、何も話そうとしませんでした。

でも、おそらくくも丸のこれまでのさくらちゃんに接する態度をみていて、きっと最後は彼女なりに彼のことを、本当に信じてもいい人だと決めたのでしょう。

今度は、さっきまでのためらっている態度とは大違いに、急に可愛らしい笑顔を見せ始めると、自分の方から積極的にその願いごとの内容を話し始めました。

ただしその内容は、まだあどけなさが残るさくらちゃんの可愛い笑顔とはあまりにも掛け離れた、決して本来は彼女のような純粋な心を持つ、小学二年生の子供の口から聞くべき話ではない、一般常識を逸脱した猟奇的なものでした。

「実は・・・お母さんがね、さくらのお友達の健太くんを殺そうとしているの・・・」

「えっ!えっ!!えっ!!!」

さすがにくも丸も、さくらちゃんの口からそのあどけない表情とはまったく裏腹の、もう狂っているとしか思えない彼女の母親直美の話の内容を聞いたときには、一瞬自分の耳を疑うほど驚きました。



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りとるさんた / 母の顔をした殺人鬼3

2011-06-01 00:00:37 | 社会・政治・ニュース・教育・家族・話題

今回のりとるさんた / 母の顔をした殺人鬼は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。


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~母と子の愛の重さの違い~
作 / 猪 寿


ただ、今回のことでくも丸を凄く驚かせたのは、ひとつには彼のことを信用し始めたこともあるのでしょうが、さくらちゃんの気持ちを無視して強引にお母さんのことを聞きすぎると、彼の“さくらちゃんを傷つけてしまうのではないか・・・”という心配をよそに、しばらくすると彼女の方から進んで母親のことを話し始めたことでした。

「みんな近所の人たちは、さくらがご飯を食べさせてもらえずに可哀想だとか、さくらの教育扶助金をお母さんが遊興費などに使って、あたしが学費や給食費を払えずに困っているとか、いろいろとお母さんの悪口を言っていたけど・・・」

「ほんとはね、さくらのお母さんはいい人なの・・・ただ、さくらの家にはお父さんがいないし、お母さんも病気がちで働いていなくて、きっとお母さんもお金がなかったから仕方がなかったのよね・・・」

「・・・・・」

「そりゃあ、ときどきまるで鬼さんのように真っ赤な顔をして怒るから、正直に言ってとっても怖いときもあったけどね・・・」

「でもね、さくらお母さんのことが大好きだったから、なんでも我慢できたし平気だったの・・・」

「・・・・・」

くも丸は、さくらちゃんのこのどこまでも純粋で、お母さんを思う健気な言葉を聞いて、自分が彼女の気持ちを一切無視して、自らの日程の都合だけで彼女に水死事故についての事情を聴こうとしていた、人(りとるさんた)としての心ない身勝手の行動を、心から深く反省しました。

またそれと同時に、人間の社会の母子関係の感情の奥の深さに、なんともいえない複雑な気持ちを感じさせられました。

ただ、その反面でくも丸がとても気になったのは、もしも近所や町の人たちが噂しているように、さくらちゃんのお母さん直美が本当に彼女を殺害していた場合、そのことを彼女にどう説明して、分かってもらったらいいのかということでした。

と・・・いうのも、さくらちゃんが自身の中にどんなに虐待を受けていようが、これだけお母さんのことを心から信じて、大好きだという気持ちがあることが分かった以上、もしもくも丸自身の思いもそうですが、近所や町の人たちが噂していることが本当に当たっていたとしたら、彼女が必要以上に傷つくことが十分に分かっていたからです。

その気遣いもあり、さくらちゃん自らがすべてを話す気になるまでは、いくら限られた日程しかないといえ、もう彼女から水死事故のことについての内容を強引に聞き出すのは、止めることにしました。

また今回の件では、くも丸はさくらちゃんのどんなことがあってもお母さんのことを信じて慕う、彼女の一滴の曇りもない純粋な気持ちを目の当たりにして、自分(りとるさんた)が住んでいる国(ホワイトランド)が彼女のような純粋な気持ちを持った世界中の子供たちの、心のエナジーで創り出された国であることを、改めて再認識させられました。

「ところでさくらちゃん、ずっとお母さんは留守のようだけど、どこにいったの?」

「知らないおじちゃんとどこかへ行っちゃったまま、三日も帰って来ないの・・・」

「・・・・・」

さすがに、くも丸もさくらちゃんのこの言葉を聞いた瞬間は、彼女が母親を思う気持ちと、彼女の母親直美が見せる非常識な行動のギャップの大きさには、「これが、愛する我が子を亡くしたばかりの母親が取る行動だろうか・・・」と疑問と怒りが、次々に心の底から込み上げて来て、しばらくは彼女との話の返事さえ詰まってしまい、何も答えられないほどでした。

だが、さくらちゃんのお母さんのことを思う健気な姿を見ていると、彼女の前で母親の悪口(悪性)を言うわけにもいかず、ただその場では彼女の話を笑って聞き流すことしかありませんでした。




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