おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼7

2011-06-29 21:54:24 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

今回の「リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼」は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。

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~さくらちゃんの殺害現場~
作 / 猪 寿

今回、さくらちゃんの母親直美の健太くんの殺害計画は、くも丸とさくらちゃんの機転がうまく功を奏して阻止できたものの、ただまたひとつ新たな問題が発生しました。

それは、直美があの殺害計画の失敗以来、ますます健太くんへの憎しみを募らせるようになり、再び彼を殺害しようと計画していたのです。

直美の昼夜かまわずに、ある時は健太くんの後を必要以上に付け回して写真を撮ったり、またある時は実際には待ち伏せをしていたにもかかわらずに、偶然を装って声を掛けたりするなど、そのストーカーまがいの度を越えた悪質な行為は、もはや人としての常識を逸脱し、まさに狂気じみていました。

そのせいで、さくらちゃんは直美が健太くんの殺害に失敗したその後も、ずっとお母さんのことが心配になって、まだ天の国に行かずに家にいました。

そのために、くも丸はこのままではさくらちゃんがいつまでも天の国に行けずに、独りぼっちになって呪縛霊になってしまうことを危惧し、彼女には気の毒だと思いつつも、あることを決意しました。

それは、さくらちゃんが水死事故にあった日にタイム-スリップして、彼女の死が単なる水死事故ではなく殺人事件だったことの証拠を手に入れ、直美がこれ以上の殺人を犯さないように、警察にさくらちゃんの水死事故を再捜査してもらうことでした。

くも丸が、さくらちゃんが水死事故にあったされる日の、午後四時直前のへその緒橋の行くと、やはり近所の住民の目撃証言どおりに白い軽自動車を橋の横に止めて、ちょうどさくらちゃんと直美が親子で鬼子母神川を眺めていました。

その光景は、一見すると普通の仲のいい母と娘が橋の上で、夕涼みか川の見学でもしているかのようでした。

しかし、その犯行計画は突然やって来ました。

やがて、かつてくも丸がこのへその緒橋にやって来て、鬼子母神川の風景を眺めていたときと同じように、夕陽がブナ原生林の西の山頂の裏側に沈み、しだいに橋の周囲一帯が薄暗くなって、けっこう数メートルの近距離からでも、人の目ではその姿が目に付きにくい時間帯になったときのことでした。

突然、さくらちゃんから聞き覚えのある言葉が、直美の口から飛び出しました。

「ほらさくらあそこ見てごらん、桜鱒が泳いでいるよ・・・」

「どこ、どこ、さくら、手すりが邪魔になって見えない・・・」

「じゃあ、抱っこしてあげようか・・・」

「うん!」

いくら、さくらちゃんが水を嫌いだといえ、母親の腕の中に抱っこされている以上は、安全だと思い安心したのでしょう。

直美がさくらちゃんを抱きかかえると、彼女は漫画や絵本でしか見たことがない本物の桜鱒見たさに自ら身を乗り出して、直美の指差す川の方向を覗き込みました。

その時、さくらちゃんの躰は橋の手すりの半分以上を越えて、川の方向に向かい乗り出す恰好になっていました。

その瞬間、直美がニヤリと薄笑いを浮かべたのが、とてもくも丸には印象的でした。

そして、その直美の薄笑いはさくらちゃんを殺害するための、序幕でもありました。

「お母さん、どこどこ、どこに桜鱒はいるの?」

さくらちゃんが夢中になってそう叫びながら、さらに川の方向に躰ごと乗り出したときでした。

直美が、さくらちゃんを抱きかかえているその手を、まさに川に中に突き落とすかのようにして、無理やり手離したのです。

「キャーッ、お母さん助けてぇ~」

その瞬間、さくらちゃんの小さな姿はさらに小さくなって、母親に大声で助けを求める叫び声と共に、黄昏で薄暗くなった鬼子母神川の闇の中に消えて行きました。

やはり、くも丸が当初からの予想していた通り、さくらちゃんを殺した犯人は彼女の母親直美でした。

まさにこの時の直美の形相は、性悪で数多くの人間の子供を攫って食ったという、鬼子母神(鬼)そのものでした。

くも丸は、さくらちゃんがこの後どうなったのか?さすがにその様子が気になったが、彼女のあまりにも痛々しくて薄幸な人生を思うと、とても彼女が可哀相でその後の様子を見る気になれずに、そのままもと(現在)の世界に引き返すことにしました。


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リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼6

2011-06-29 11:36:51 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

今回の「リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼」は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。

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 ~健太くんの殺害計画3~
作 / 猪 寿
   

さくらちゃんの母親直美が、健太くんの殺害計画を実行したのは、彼女がくも丸に相談にやって来てから、約約一ヵ月後のことでした。

直美は、殺害計画を実行する数日前から、健太くんの後を付回し彼が一人になるのを見計らって、さくらちゃんの思い出の品をあげるからと言って彼を強引にくどき、人目につかないように車に乗せて家まで連れて行きました。

アリバイづくりのためか、直美は健太くんを誘うまで、ほかの近所の子供たち数人にも声を掛けたようですが、健太くん以外は誰一人として、彼女の誘いに乗って来る子供はいなかったようです。

その訳は、ほかの子供たちの親がみんな今回のさくらちゃんの水死事故の一件で、直美に対して何らかの疑問を持っているために、子供たちに彼女に声を掛けられても近づかないように、きちんと言い付けていたからだったようです。

「おばちゃんこのジュース飲んでいい・・・」

「はい、はい、いいですよ。ケーキも用意してあげるからね・・・」

「ところでおばちゃん、僕にあげたい物ってなーに?」

「シャボン玉よ、ほら家に遊びに来たらきよくさくらとやっていたでしょう・・・」

「うん・・・」
直美は、当初はとても人のいいさくらちゃんのお母さんを演じていましたが、健太くんがさくらちゃんの大好きだったシャボン玉の道具を貰ったとたんに帰ろうとすると、いきなりその様相は一変しました。

「あっ、そうそう・・・ねえ、ねえ、健太くん・・・」

「なーに?」

「ちょっと、おばちゃんね、忘れていたんだけど、もうひとつあげたい物があるから、そこの机にある漫画でも読んで、ちょっと待っていてくれる・・・」

「うん、いいよ・・・」

健太くんが直美に言われたとおりに、居間の座卓の上においてあった漫画を手に取り、その漫画を読み始めて四、五分たったその時でした。

いきなり、直美はこの日のためにあらかじめ用意して、縁側の物干し竿に吊るしておいた腰紐を、健太くんの首に背後から巻き付け、彼を絞め殺そうとしました。

「おばちゃん、この紐どうしたの?」

この異変に気付き、健太くんはそう尋ねながら後ろを振り返ると、直美の顔を見てニッコリと笑いました。

どうやら、健太くんは直美のこの行為を、単なる彼女の悪ふざけだと思い込んでいるようでした。

直美は、この彼女の行動を健太くんが単なる悪ふざけだと思い込み、彼女の顔を見て笑ったことに逆に逆上し、なおも彼の首を強引に腰紐で絞め続けました。

その顔付きは、まるで鬼を思わせるような形相でした。

ただ、直美の殺意とは裏腹に、どんなに彼女が腰紐を強く引っ張って首を絞めても、逆に腰紐が長く伸びるだけで、いっこうに健太くんが窒息死することはありませんでした。

それは、直美が健太くんを殺害する計画が、あらかじめくも丸とさくらちゃんには分かっていたので、二人で直美が健太くんを殺害するために吊るしておいた腰紐を、長く伸びるゴムの腰紐に擦り替えていたからでした。

「チッ、この腰紐はなんなの!」

そのうち、健太くんの首を絞めて殺害するどころか、何回やっても引っ張れば張れるほど長く伸び、自分の思い通りにならない腰紐に、直美はだんだんといらつき始めました。
そして、最後はこの状況の悪さにとうとう根負けしてしまい、自ら健太くんを殺害することを諦めました。

「おばちゃん、僕、おばちゃんに紐で首を絞められてもなんともなかったよ。おばちゃん、手品師がうまいんだね・・・」

「・・・・・」

さすがに、母の顔をした殺人鬼の直美も健太くんのこの言葉には動揺し、彼はまだ彼女と手品ごっこをして遊びたがっていたにもかかわらず、大慌てして家から追い帰しました。

健太くんは、さくらちゃんの家を出ると、夏の日差しがさんさんと降り注ぐ中を、真っ黒に日焼けした顔に満面な笑みを浮かべながら、自宅がある方角に向かって駆けて行きました。

その手には、しっかりとさくらちゃんと遊んだ思い出の品である、シャボン玉の遊び道具が握られていました。

くも丸とさくらちゃんは健太くんのこの元気に帰宅する姿を見て、心の底からホットしました。

「さくらちゃん、お母さんがお友達を殺さずに、よかったね・・・」

「うん!ありがとう、くも丸・・・」

このときの、くも丸とさくらちゃんの表情も、直美の健太くんの殺害計画を食い止めるという、すごい重苦しい場面の緊張の糸から解放なたれたこともあり、健太くんと同じように笑顔で満ち溢れていました。




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