僕たちの失敗 14 / 最終話

僕たちの失敗 最終話
作 / nana℃

人生において、なぜ死んだか、いつ死んだのかはさほど問題ではないように思う。

大事なのは死に方だ。

僕は何人もの友人を失い、その度に死がもたらす意味を考えさせられた。

それは不幸なようでとても幸せなことだ。

いつかは消え逝く魂を僕も持っているのだから。

春夏が自殺した。

夏の終わりの出来事だった。

星が降る海岸で砂浜に流れ着いた人魚のような死体だった。

海の向こう側に見える小さな島に行こうとしたのかもしれない。

どちらにせよ、また大事な友人を失った。

千草には言えなかった。旅を楽しんでいるようだったし、むりやり連れ戻すのは嫌だった。

僕らには休息が必要だ。

どうして死のうと思ったのかな

えみちゃんは弱々しく崩れ落ちた。

病院を出てからかなり痩せてしまっている。

僕は生きていることの不幸よりも、死んでしまった不幸のほうが大きいのではないかと思った。

死ぬ以上の孤独があるだろうか。

僕たちは失敗を繰り返す。

僕たちは過ちを犯し続ける。

まるでメリーゴーランド。

まるで輪廻のように明日の朝、きみの魂を傷つけてしまうかもしれない。


置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

そう言ったらきみはまた哀しい目をするのかな

永遠なんてないんだよ

それでもいいと思えた日を僕は忘れないよ


本作品「僕たちの失敗」は、「僕が死んだ夜」の続編です。


プロフィール


名前:魔女っこ kirara・＊★

性別:女性

現住所:大阪府

誕生日:09月22日

自己紹介:nana℃(ななど)といいます。

小説、脚本、音楽関係のお仕事などをしています。

今日の話題

―海を渡った大きな夢への挑戦!!その10―

出版本≪海の向こうにかかる虹≫の主人公はクラスでたった一人、制服も着られずバックもなく裸足で学校へ行きました。それでも勉強できることが嬉しかったそうです。そんな私の記事を読んでくださった方から今日は、「貧しい子どもへ贈ってください」と何十枚もの手作りバックを送っていただきました。 （花ちゃんのコメントより）

※今日は、特別に今回の『海の向こうにかかる虹』の主人公、イープン君の実像と絵本とアニメの画像をみなさんにご紹介します。（花ちゃんのコメントより）

 





『海の向こうにかかる虹』

イープン君

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一口メモ

種子島スター誕生物語!!

http://<WBR>group.a<WBR>meba.jp<WBR>/group/<WBR>RK1wQmJ<WBR>Nyypz/

(＝⌒▽⌒＝)種子島は、今！日本の中で「宇宙にいちばん近い島」です。そして、鉄砲や赤米の伝来などでも分かるように、歴史上の“時の旅人”たちが立ち寄った、その後の日本の歴史を創った島でもあります。その宇宙と歴史とのパワーを混在する、神秘の島『種子島』だからこそ、きっとスーパースターになる未知の原石（若い人）が数多く存在していると思います。どうぞ、あなたの手でその原石を探しだし、“スター誕生への道”を切り開いてみてくれませんか。

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ULTRA BLUE 宇多田ヒカル EMIミュージック・ジャパン このアイテムの詳細を見る

一口メモ

宇多田ヒカルというと、1stアルバムの『First Love』が、いきなり国内外で約1000万の超メガヒットになる売り上げをし、彼女がそれをきっかけに日本の音楽業界で神話的な存在になり、日本の音楽史上歴代1位のとなる超スーパースターになったことは、あまりにも有名な話です。しかし、彼女の本当の才能を開花させる基本は、彼女自身が幼い頃からアメリカンスクールに通い、唯一世界に通用する歌や映画づくりやショービジネスの本場であるアメリカで生活していた、“帰国子女”であったということではないでしょうか。そして、それが世界の音楽市場の厚い壁を突き破ると同時に、日本での“R&B”の彼女独特の“音楽の世界”を生み出し、超スーパースター「宇多田ヒカル」という、日本一のブランド名が創りあげられる、大きな要素になっているような気がします。


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僕たちの失敗 13 / 続編

僕たちの失敗 13
作 / nana℃

あたしクラゲに憧れるわ

ディープブルーのDVDを見ていると、春夏が思いついたように言った。

僕は、透明になりたがる彼女をとても尊敬した。

すべてのものが透けてしまうとしたら、僕らは犯罪なんて犯さなかったと思う。

それが、悲しかった。

僕らはまだ旅の途中。

生まれてしまったから生きなければいけない孤独な星と同じ。

誰も皆、他人のことを救えない。

自分のことすら救えない悲しい動物だ。

それでも巡り会えたことに感謝できるのは、歴史のほんの何行かの時間に重なり合えた体と体。

ふれあう魂。手をつなぐことができるこの感覚や温度。

それだけが僕らを生き返らせる。

どうして生きなければいけないんだろう

春夏は哀しみの涙で疲れをとった。

いくつかの別れがいくつかの希望をつれてくる。

もうすぐ夏も終わりを迎える。

何度目かの秋が僕らを焦らせていた。

永遠に変わらないものは、永遠に変わり続けるということに近い。

過去を見ることに終止符を打たなければ、僕らは一生孤独な動物のままだ。

星の絵を描いてみたらどうかな

僕の提案に春夏はうれしそうに頷いた。

次回に続く


置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

そう言ったらきみはまた哀しい目をするのかな

永遠なんてないんだよ

それでもいいと思えた日を僕は忘れないよ


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―海を渡った大きな夢への挑戦!!その9―

 [生きる力]は周りの方からも頂けるのだな、と感じます。出版本、≪海の向こうにかかる虹≫本を読んでくださった方から知り合いの方へとご感想が広がっていくことを実感している昨今です。Ｒさんのご主人が"この本読んで、死んだ父ちゃんの事を思い出した。"こう言って号泣したそうです・・・・ （花ちゃんのコメントより）

 





『海の向こうにかかる虹』

※上記（右）の画像が、花ちゃんが入選した『ぽっけのなかのおくりもの』の絵本の１コマの画像です。

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僕たちの失敗 12 / 続編

僕たちの失敗 12
作 / nana℃

絵を描いていると
あたしはどこまでも
シンプルになれる

春夏は、そう微笑む。

僕とえみちゃんは顔を見合わせて頷いた。

絵を描けたら、もっと幸福になれたのに

えみちゃんは淋しげな瞳で空を見上げる。

僕はその横顔から目が離せなくなる。

綺麗な横顔ね

春夏がペンを走らせる。

波の音と春夏の絵を描くスピードが重なりあう。

僕は、千草を想っていた。

今どのあたりの空を眺めているのだろう。

手紙を書くのも忘れて旅を楽しんでいるのだろうか。

しばらくすると、えみちゃんの横顔が浮かび上がってきた。

天才だな

と僕が笑うと、春夏は、絵を描く才能しかないのと言った。

次回に続く


置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

そう言ったらきみはまた哀しい目をするのかな

永遠なんてないんだよ

それでもいいと思えた日を僕は忘れないよ


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―海を渡った大きな夢への挑戦!!その9―

 





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僕たちの失敗 11 / 続編

僕たちの失敗 11
作 / nana℃

お葬式の記憶がないの

いつからか口癖のようにえみちゃんは言った。

ショックだったからだよ

きっと

僕はできるだけ優しい声を出すが、えみちゃんは憂鬱な瞳をする。

かなしいわ

うん

記憶なんて初めからなかったらよかったのに

うん

僕らは手をつないで海岸を歩いた。

波の音が透き通る予感を運んでくる。

友紀ちゃんを殺したのはあたしね

え？

あたしよ

あたしが殺した

僕は抱きしめる以外の術を知らない。

怖かった。

えみちゃんがこの瞬間にも消えてしまうような気がした。

記憶はいつも曖昧だ

うん

友紀は男に殺された

うん

静かすぎたはずの波音が僕らの会話を飲み込んだ。

次回に続く


置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

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永遠なんてないんだよ

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―海を渡った大きな夢への挑戦!!その8―

「インドネシアの子どもへ送って欲しい」とバックを作ってくれる人が現れました。
文房具を送ってくれた人、絵本を送ってくれた人、古着を送ってくれた人・・・・・
この人たちは、みんなブログで知り会ったお友達だそうです。
こういう人たちの、真実の優しさや支援によって、花ちゃんの海を越えた大きな夢の輪は、またひとつ現実の世界で広がって行っているのですね。（大喜）

 





『海の向こうにかかる虹』

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宇多田ヒカルというと、1stアルバムの『First Love』が、いきなり国内外で約1000万の超メガヒットになる売り上げをし、彼女がそれをきっかけに日本の音楽業界で神話的な存在になり、日本の音楽史上歴代1位のとなる超スーパースターになったことは、あまりにも有名な話です。しかし、彼女の本当の才能を開花させる基本は、彼女自身が幼い頃からアメリカンスクールに通い、唯一世界に通用する歌や映画づくりやショービジネスの本場であるアメリカで生活していた、“帰国子女”であったということではないでしょうか。そして、それが世界の音楽市場の厚い壁を突き破ると同時に、日本での“R&B”の彼女独特の“音楽の世界”を生み出し、超スーパースター「宇多田ヒカル」という、日本一のブランド名が創りあげられる、大きな要素になっているような気がします。


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僕たちの失敗 10 / 続編

僕たちの失敗 10
作 / nana℃

リーが別荘に戻って来たとの知らせを受けて、僕とえみちゃんは電車に乗り込んだ。

窓を流れる風景は次第に懐かしいものへ変わっていく。

還っていくとはこのことなのだなと僕は想う。

別荘の二階に僕とえみちゃんは暮らし始めた。

えみちゃんは穏やかな表情で日々を過ごし、僕は安堵した。

テレビをつけてしまったのは、僕が夢の中にいると錯覚していたからだろう。

友紀の犯人捜しがまだ続いていた。

僕は恐る恐る振り返る。

えみちゃんは静かに泣いていた。

僕の胸はしめつけられる。

友紀さんの音楽、すごく好きだったのに

僕は彼女を抱きしめた。

運命って不幸ね

僕は茜や雄祐やリーや、俊を想っていた。

誰も皆、問題をかかえ、この人生を嘆いている。

１番不幸なのは生まれてしまったことだ。

次回に続く


置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

そう言ったらきみはまた哀しい目をするのかな

永遠なんてないんだよ

それでもいいと思えた日を僕は忘れないよ


本作品「僕たちの失敗」は、「僕が死んだ夜」の続編です。


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今日の話題

―海を渡った大きな夢への挑戦!!その7―

癌に罹ってしまってまず難題にぶつかるのが、日本では、一日でも早く入院させて手術を行わせること。インドネシアの知り合いの女性が乳癌になりました。彼女の家には蓄えなどなく、ただ死を待つばかりでした。ある日本人の旦那さんが言いました。「すぐに手術費を送ってあげなさい」☆　命は国境を越えて尊いです　☆（花ちゃんの投稿コメントから抜粋）

↓

(＝⌒▽⌒＝)この話を、私は花ちゃんからお聞きし、その「足長おじさん」の役目を果たしたのが誰なのかはよく知っていますが、日本の国の中ではなく、海を越えた外国の中での話ですから、普通の愛や情熱だけでは出来ない、凄い感動的なことですね。

 





『海の向こうにかかる虹』

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宇多田ヒカルというと、1stアルバムの『First Love』が、いきなり国内外で約1000万の超メガヒットになる売り上げをし、彼女がそれをきっかけに日本の音楽業界で神話的な存在になり、日本の音楽史上歴代1位のとなる超スーパースターになったことは、あまりにも有名な話です。しかし、彼女の本当の才能を開花させる基本は、彼女自身が幼い頃からアメリカンスクールに通い、唯一世界に通用する歌や映画づくりやショービジネスの本場であるアメリカで生活していた、“帰国子女”であったということではないでしょうか。そして、それが世界の音楽市場の厚い壁を突き破ると同時に、日本での“R&B”の彼女独特の“音楽の世界”を生み出し、超スーパースター「宇多田ヒカル」という、日本一のブランド名が創りあげられる、大きな要素になっているような気がします。


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僕たちの失敗 9 / 続編

僕たちの失敗 9
作 / nana℃

あたししばらく旅に出るわ

千草はリュックサックにお菓子をつめながらそう言った。

どこに行くの？

まだ、わからない

千草は長い髪を切って少年みたいなキャップをかぶった。

とりあえず始めは電車を使うらしい。

彼氏も一緒か

うん

聡の実家が北海道にあるからそこが最終目的地

聡という名の彼氏はどことなく賢治に似ていた。

こんがりと焼けた肌はサーフィンの色だが。

手紙書くね

ちいさな紙切れに住所を書いた。

なんだか不思議に思った。

僕らは一体どこに行きたがっているのだろう。

千草にもわからないようだった。

次回に続く


置いてきぼりになったままの

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癌に罹ってしまってまず難題にぶつかるのが、日本では、一日でも早く入院させて手術を行わせること。インドネシアの知り合いの女性が乳癌になりました。彼女の家には蓄えなどなく、ただ死を待つばかりでした。ある日本人の旦那さんが言いました。「すぐに手術費を送ってあげなさい」☆　命は国境を越えて尊いです　☆（花ちゃんの投稿コメントから抜粋）

↓

(＝⌒▽⌒＝)この話を、私は花ちゃんからお聞きし、その「足長おじさん」の役目を果たしたのが誰なのかはよく知っていますが、日本の国の中ではなく、海を越えた外国の中での話ですから、普通の愛や情熱だけでは出来ない、凄い感動的なことですね。（イボタンの返信コメント）

 





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僕たちの失敗 8 / 続編

僕たちの失敗 8
作 / nana℃

えみさんの記憶が戻りました

その報せがなければ僕らはいつまでも楽園にいられたかもしれない。

次の日には全員が病室に集まっていた。

あたし、わかる？

千草ちゃん

千草が泣きだしそうになる。

春夏は絵を描いていた。

僕はえみちゃんの手を握った。

おかえり

ただいま

きょうくん

久しぶりに涙が出た。

抑え切れない感情だった。

こんなにも誰かを愛したことがあっただろうか。

えみちゃんは、友紀のことを話さなかった。

もう夏なんだね

窓辺に置かれたサボテンを見ながらえみちゃんが微笑む。

僕の涙はまだ止まらない。

きょうちゃん

泣き虫ね

えみちゃんが僕の頬をつねる。

いつかの風景が蘇り、僕は目を閉じた。

生きるって不幸だな

うん

誰かを愛するって

不幸だ

うん

えみちゃんは僕の髪を撫でながら、何度も頷いてくれた。

次回に続く


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―海を渡った大きな夢への挑戦!!その5―

人の運命って不思議なもので、何かひとつのことがプラスの方向に動き出すと、すべてに変化が起こってくるものですね（イボタンマンのコメント）

　　　　　　　 ↑
今日、信じられないことをあらためて感じました。
１週間に一度ずつ、変化が出てきてくれます。

「スィラマッ スィアン」　「スィラマッ　ソレ」　
インドネシア語の猛特訓、開始じゃわ～（花ちゃんのコメント）

 





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僕たちの失敗 7 / 続編

僕たちの失敗 7
作 / nana℃

海の中はとても神秘にあふれている。

深ければ深いほどだ。

賢治はスキューバダイビングのインストラクターをしていた。

彼いわく海の底を知らない人間は、浦島太郎とおなじなのだと言う。

彼は今年３０代半ばを迎えるのに、まるで十代のように瞳が透き通っているからあながち嘘ではないように思う。

海に入ると、僕はまるでかつてはこの地に生息していたのではないかと疑うほどに安心した。

それは春夏も同じようだった。

この風景だけは絵にしたくないわ

春夏は水中眼鏡をはずして僕に微笑んだ。

僕もおなじ気持ちだった。

絵にするにはもったいないような気がする。

何故なら海はこの瞬間にも新しい風景を僕らに見せてくれるからだ。

僕らはおなじように、毎日変化はなく、当たり前を繰り返すことで少しずつ癒されていた。

置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

そう言ったらきみはまた哀しい目をするのかな

永遠なんてないんだよ

それでもいいと思えた日を僕は忘れないよ

次回に続く

本作品「僕たちの失敗」は、「僕が死んだ夜」の続編です。


プロフィール


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誕生日:09月22日

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今日の話題

―海を渡った大きな夢への挑戦!!その4―

人の運命って不思議なもので、何かひとつのことがプラスの方向に動き出すと、すべてに変化が起こってくるものですね。『海の向こうにかかる虹』の絵本の発売とアニメ化が決まったとたん、なんと今度は花ちゃんの自分のお子さんをテーマにした描いた作品『ぽっけのなかのおくりもの』が、ある大手企業が募集した絵本作品の募集に入選し、本格的な絵本になりました。この分だと、もしかしたら花ちゃんの夢であるインドネシアの貧しい子どもたちのために“学校をつくる”という夢が、本当に実現するかもしれませんね。

 





『海の向こうにかかる虹』

※上記（右）の画像が、花ちゃんが入選した『ぽっけのなかのおくりもの』の絵本の１コマの画像です。

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宇多田ヒカルというと、1stアルバムの『First Love』が、いきなり国内外で約1000万の超メガヒットになる売り上げをし、彼女がそれをきっかけに日本の音楽業界で神話的な存在になり、日本の音楽史上歴代1位のとなる超スーパースターになったことは、あまりにも有名な話です。しかし、彼女の本当の才能を開花させる基本は、彼女自身が幼い頃からアメリカンスクールに通い、唯一世界に通用する歌や映画づくりやショービジネスの本場であるアメリカで生活していた、“帰国子女”であったということではないでしょうか。そして、それが世界の音楽市場の厚い壁を突き破ると同時に、日本での“R&B”の彼女独特の“音楽の世界”を生み出し、超スーパースター「宇多田ヒカル」という、日本一のブランド名が創りあげられる、大きな要素になっているような気がします。


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僕たちの失敗 6 / 続編

僕たちの失敗 6
作 / nana℃

アラスカに行きたい

と言い出したのは千草だ。

夏の海を目の前にして出て来る言葉とは思えない。

春夏も亜美も楽しそうに頷いた。

オーロラを見たらなにかが変わるような気がする

千草は言い聞かせるように言った。

アラスカなら、あの寒空なら、僕らは今以上に生きていることを感じられるのかもしれない。

春夏は泣きだしそうになった。

絵を描きたいわ。

アラスカの空や氷を絵に残すの。

俊は、いいねと言うと海岸線を横目に見ながらアクセルを踏み直した。

えみちゃんも一緒に行けるかな

みんなはただ頷いた。

彼女の記憶は曖昧だが、徐々に現実味を帯び始めていた。

僕はそれが怖かった。

亜美の手作り料理はとてもおいしく、僕らは毎日の食卓が楽しみでしかたなかった。

賢治という名前の亜美の旦那は、僕らの訪問をいつも喜んでくれる。

千草は、テレビを見なかった。

春夏は空ばかり見ていた。

そんな風に僕らはただ毎日を生きることしか知らなかった。

置いてきぼりになったままの

小さな箱の中には

かつて夢や希望や愛なんてものが入っていて

そのひとつひとつを大切にできなかったのは

きみのせいじゃない

僕のせいじゃない

さよならの言葉もなしに

去っていった思い出には

きみの笑顔や優しさやぬくもりが残っていて

そのひとつひとつを拾い集めたら

またきみに会いたくて

僕は弱虫なまま

どうせそんなもんだろ

そう言ったらきみはまた哀しい目をするのかな

永遠なんてないんだよ

それでもいいと思えた日を僕は忘れないよ

次回に続く

本作品「僕たちの失敗」は、「僕が死んだ夜」の続編です。


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―海を渡った大きな夢への挑戦!!その4―

人の運命というのは、不思議なものですね。『海の向こうにかかる虹』の絵本の発売とアニメ化が決定したとたん、なんと今度は花ちゃんの自分のお子さんをテーマにした描いた作品『ぽっけのなかのおくりもの』が、ある大手企業が募集した絵本作品の募集に入選し、本格的な絵本になったのです。これは、おそらく花ちゃん運命の流れが、自らの努力や情熱で変わって行った結果でしょうね。

 





『海の向こうにかかる虹』

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宇多田ヒカルというと、1stアルバムの『First Love』が、いきなり国内外で約1000万の超メガヒットになる売り上げをし、彼女がそれをきっかけに日本の音楽業界で神話的な存在になり、日本の音楽史上歴代1位のとなる超スーパースターになったことは、あまりにも有名な話です。しかし、彼女の本当の才能を開花させる基本は、彼女自身が幼い頃からアメリカンスクールに通い、唯一世界に通用する歌や映画づくりやショービジネスの本場であるアメリカで生活していた、“帰国子女”であったということではないでしょうか。そして、それが世界の音楽市場の厚い壁を突き破ると同時に、日本での“R&B”の彼女独特の“音楽の世界”を生み出し、超スーパースター「宇多田ヒカル」という、日本一のブランド名が創りあげられる、大きな要素になっているような気がします。


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僕たちの失敗 5 / 続編

僕たちの失敗 5
作 / nana℃

沖縄の渡嘉敷島は茜の故郷で僕らは彼女の家から旅をスタートさせた。

彼女には両親がおらず親戚の亜美さんが迎えてくれた。

ゴーヤチャンプルや海ぶどうやラフテーが並ぶ食卓で心のそこから笑えるのは茜のおかげだった。

不思議だよね

海を描きながら春夏が言う。

海ってなんでこんなにエロティシズムを感じられるのかしら

春夏は真っ白なTシャツにサングラスをかけていた。

細くのびる肌は焼けるということを知らない。

僕らは砂浜を歩き、海の音を聞きながら交わった。

えみちゃんが植物になってしまってから、僕は性欲を失っていたが、春夏の描くエロティシズムは久しぶりに僕にうまく馴染んだ。

春夏はそっと耳元に息を吹きかける。

僕はまだ生きていた。

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次回に続く

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―海を渡った大きな夢への挑戦!!その3―

やはり、インドネシアの貧しい子供たちのために“学校を作ってあげたい”という、花ちゃんの情熱と夢には凄まじいものがありますね。実は、五輪真弓さんが歌っている“心の友”という歌は、インドネシアでは知らない人がいないくらい歌われていて、第二の国家とまで言われているのです。花ちゃんはそのことを知るやいなや、怖いもの知らずというか肝っ玉が大きいというか、自ら五輪さん本人や彼女の事務所と交渉して、ちゃっかり今回の『海の向こうにかかる虹』の絵本ために、応援メッセージを書いてもらっていますからね。（笑う）

 





『海の向こうにかかる虹』

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宇多田ヒカルというと、1stアルバムの『First Love』が、いきなり国内外で約1000万の超メガヒットになる売り上げをし、彼女がそれをきっかけに日本の音楽業界で神話的な存在になり、日本の音楽史上歴代1位のとなる超スーパースターになったことは、あまりにも有名な話です。しかし、彼女の本当の才能を開花させる基本は、彼女自身が幼い頃からアメリカンスクールに通い、唯一世界に通用する歌や映画づくりやショービジネスの本場であるアメリカで生活していた、“帰国子女”であったということではないでしょうか。そして、それが世界の音楽市場の厚い壁を突き破ると同時に、日本での“R&B”の彼女独特の“音楽の世界”を生み出し、超スーパースター「宇多田ヒカル」という、日本一のブランド名が創りあげられる、大きな要素になっているような気がします。


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