おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」7 / A town with the wind

2013-03-04 19:23:12 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。

ピアノ

企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第7話/ 生きていることが一番の幸せ
      ~愛のスカイダイビング~2

どんなに淋しくたって 生きていることが一番の幸せだと
誰かが言っていた
どんなに悲しくたって 生きていることが一番の幸せだと
誰かが言っていた
どんなに苦しくたって 生きていることが一番の幸せだと
誰かが言っていた
それは、きっと本当だろう・・・
だって生きているからこそ 笑ったり
だって生きているからこそ 泣いたり
だって生きているからこそ 怒ったり
だって生きているからこそ 楽しんだり
この両手で抱えきれないほどの いっぱいの感動に出会えるんだもの


◎前回のあらすじ


愛の「大空を飛んでみたい・・・」と望みが、彼女の命がけの訴えで叶うことになった。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも大切にしたいし、ひとつでも多くの自分の思いを叶えたいの・・・」
そしてもうひとつ、愛が大輝に頼んだことは、最後の二人の愛の証としてお互いに結婚衣装を身に着けて、スカイダイビングを行うことだった。
例え、それが仮の結婚式だと分かっていても、自分が「大空を飛んでみたい・・・」と望んでいた空の上で、大好きな大輝と結婚式があげられることは、あと数ヶ月の限られた命しか残っていない愛にとっては、この上ない最高の幸福だった。
TOKIOスカイダイビングクラブに到着後、約三十分ほどの簡単なレクチャーを受けた大輝と愛は、オーナー兼スカイダイビングのインストラクターでもある谷口自身が操縦桿を握るセスナ機で、遊覧飛行も兼ねたて主治医の堂本誠や、担当看護師の吉田由美子らと一緒に四千メートルの上空へと向かって飛び立って行った。
大輝と愛が“夢を見ているのではないかと・・・”と思うほど驚いたのは、彼女が望んでいた結婚衣装を身に着けて、スカイダイビングを行うことだけではなく、みんながセスナ機の中で二人のために結婚式を挙げてくれたことだった。
主治医の堂本誠が神父代わりになって、愛が自分の命を賭けてまで望んでいた、大輝との空の上での結婚式が行われた。
「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います。」
「はい、誓います。」
二人とも堂本の言葉に、何のためらいを見せることもなく、結婚することを誓いあった。
そして、今日の二人の結婚式に参列してくれた人たちみんなの、予想もしていなかった温かい心遣いに対するあまりの感激から、指輪の交換が無事終了しケーキの入刀が終わる頃には、もう二人の目の色は真っ赤に変色してしまうほど、勝手に次から次に涙が溢れ出して来てしまい止まらなくなっていた。
そのあまりの感激から大輝と愛は、いつの間にか周囲に人がいるのも忘れてしまって、二人だけの世界に入り込んでしまい、ボロボロと頬を伝って零れ落ちるお互いの涙を拭いあいながらい抱きあっていた。
そして、その姿がごく自然で当たり前のように、二人の唇はまるで一心同体でもなるようかのように、ひとつになって重なり合っていた。
だが、それは愛にとって大輝との最後の口づけであり、最後の愛の交換でもあった。


「お二人さん、もう愛の交換タイム(時間)はもう終わりましたか?」
みんなが搭乗しているセスナ機を操縦している、TOKIOスカイダイビングクラブのオーナー兼インストラクターでもある谷口が、ちょっと大輝と愛をからかうふうにそう言うと、二人はお互いに顔を見合わせ照れ笑いした。
その姿は、まるで新婚生活を迎えたばかりの、本当の夫婦のようだった。
「どうやら見たところ、愛の交換タイムも終わったようだし、そろそろスカイダイビングの準備に入りますか?」
「はい、大丈夫です・・・」
大輝が谷口に向かってそう答えると、愛も「私のほうも大丈夫です・・・」と、結婚式を挙げた時と同じように、大輝に同調するかのように言った。
早速、二人は2000回以上のスカイダイビング歴を持つという、ベテランインストラクターの相葉浩と稲垣健一の指示に従って、結婚衣装の上にジャンプスーツを着込むと、ヘルメット、ゴーグル、手袋などのスカイダイビングに必要な防寒具を身に付けた。
そして、二人は防寒具を身に付ける準備が終わると、インストラクターと体を固定しジャンプするための、ハーネス(パラシュートを装着するための器具)と呼ばれるベルトを背負った。
大輝は相葉と、愛は稲垣と、それぞれにパートナーを組むことになった。
二人が感激したのは、谷口の粋な計らいで大輝と愛が空中で話が出来るように、ヘッドホンマイクを用意してくれていたことだった。
ただ、このハーネスと呼ばれるベルトは、思ったより躰を強く締め付けるものだったので、大輝が愛に“大丈夫か?”と聞くと、笑顔でピースサイン返って来たので一安心した。
このハーネスを強く締める理由は、空中でパラシュートを開いた瞬間に、その空圧でベルトが強く肩にくい込んだり、その反対に躰からすり抜けたりしでもしたら危険だという、安全性上の問題からだという。
「さあお二人さん、いよいよお待ち兼ねの空の散歩に、出掛けることにするかね・・・」
谷口のその言葉で、大空に飛び出すための乗降口が開かれた。
おそらく、初めての体験だということもあったし、その風圧の強さと空気の冷たさに恐怖感に襲われたのだろう。
乗降口が開かれたそのとたん、ほんの今さっきまで空中に飛び出すジャンプの準備をしてはりきっていた、大輝の顔色が全身から血の気が引いたように青白く豹変し、思わず腰が砕けたように後ずさりした。
「ち、ちょっと待ってください!」
そんな大輝の、子供のようなへっぴり腰で言い訳をする態度を見て、最初はクスクス苦笑していた愛も、最後は思わず吹き出した。
「アッハッハハハ・・・」
「あ、愛、何がそんなに可笑しいの!」
「だって、大輝がそんなにビビっているところ、初めて見たんだもの。なんだか、子供がお医者さんに注射をされるとき怖がって、無意識に自分の中だけで注射は痛いものだと決め付けて、駄々をこねている姿を見ているみたいで可笑しくて――アッハッハハハ・・・」
「そ、そんな、子供が注射を怖がる話と、今のことを一緒にするなんて・・・」
「愛、それってちょっと酷くない・・・」
「まあ、まあ、お二人さんもう夫婦喧嘩は止めて、やることやらないとね・・・」
「旦那がそんなビビリじゃ、奥さん行く先大変だね・・・」
谷口がそう言うと、機内中で大爆笑が起こった。
それに釣られて、大輝も気持ちが解れたのか、右手で頭をかきながら照れ笑いした。
その瞬間だった。
大輝が、相葉に「躰の力を抜いて大きく深呼吸して・・・」と言われ、相葉の言葉に従って躰の力を抜いて深呼吸していると、いきなりドンと背中を押されて気が付いたら、もう機内の外に飛び出していた。
「うわーっ!たすけて~」
「耳が痛いよ~」
「神様、僕はまだ死にたくないよ~」
ただ、大輝がどんなに喚こうが騒ごうが、もう空中に出た以上どうすることも出来なかった。
でも、当初はさすがに大輝が喚き散らしているように、人間が自然の理屈に逆らって時速200キロで降下するということは、スカイダイビングの未体験者にとっては、かなりの風圧や息も出来ないようなスピードを感じ、これまで地上では味わったことがない、独特の恐怖感に襲われるのかも知れない。

「大輝、大丈夫よ。隣を見て私も一緒だから・・・」
突然、愛の言葉がヘッドホンを通じて聞こえて来たので大輝はビックリしたが、確かに彼女が言ったとおりに隣を見ると、愛が彼の方を見て手を振っていた。
それにしても、愛の度胸は大したものだった。
まったく大輝とは違い、彼がこれまで体験したことがない風圧や空気の冷たさに対する恐怖感から、なかなか決心がつかないために半ば強制的にスカイダイビングを実行させられたのに対して、まったく愛は逆に彼女のパートナーであるインストラクターの稲垣も驚くほど、自ら進んで自分が鳥にでもなったかのように、大空に向かってジャンプして行った。
そしてまた、時速200キロという猛スピードで降下しているのにもかかわらず、大輝のことを気遣って声を掛けたり手を振ってあげたりする、スカイダイビングの初体験者とは思えないような余裕さえ見せた。
もしかして、これは愛自身がこれまで常に死の恐怖と隣り合わせに生きて来て、いつしかその死に対する恐怖感を彼女なりに物凄い努力をして、自分の中で素直に受け入れるようになっている、ひとつの強い気持ちの
現われでもあるのかも知れない。

だが、この行動が愛の死を早めることになろうとは、このときの彼女自身はもちろんだが、大輝を含め彼女に係わっている周囲の者は誰一人として気付いていなかった。


 
 にこら善恵

◎紹介コメント

僕にとっての善恵さんのイメージは、汚れのない「自然」そのものです。もっと分かりやすく言いますと、それだけすべての人に対して愛や幸せを齎してくれる人だということです。僕が大好きな海と戯れ、僕が尊敬しているマザー・テレサを尊敬していることからも、すぐにその人柄が連想できます。

◎プロフィール

職業:リフレ 責任者
出身校: 大阪大学 医学部(看護)
居住地: 愛知県西春日井郡
出身地: 大阪府大阪市
誕生日: 4月2日
ウェブサイト:http://ameblo.jp/niconicoyoshie/
メールアドレス:nicola.yourfriend@gmail.com


『ハッピーハウス』

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『ハッピーハウス』では、只今本企画に対する内容やシステム立ち上げのための協力者を、広く全国(又は世界)から募集しています。

僕と一緒に、日本の教育制度や経済復興のための人材育成のためのプランやシステムづくりにご協力いただける方(企業、団体、個人などは問わない)がいましたら、ぜひ下記の電話やメールアドレスまでご連絡ください。

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」6 / A town with the wind

2013-03-04 19:22:53 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。

ピアノ

企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第6話/ 最後の愛の交換
~空の上の結婚式~2

◎前回のあらすじ

愛の母親の百合子の手助けによって、なんとか大輝は愛の望みである「大空を飛んでみたい・・・」という願いを叶えてあげようと努力をするが、彼女の主治医である堂本誠の反対により、あっさりとその望みは絶たれてしまった。
帰り際、堂本の勧めもあって愛の病室を訪ねた大輝がその事実を彼女に伝えると、彼女は泣き狂ったように点滴用の器具を自らすべて取り外して床に投げ捨てると、無菌室の扉を勝手に開けて四人がいる病
室の待合室がある廊下の外に飛び出して来た。
そして、両親の泰三と百合子や主治医の堂本の前で床に跪きくと、大粒の涙をボロボロ零しながら自分の最後の頼みを聞いて欲しいと大声で訴えた。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも多く一緒にすごして大切にしたいし、自分の望みを叶えたいの・・・」
さすがに、愛のそんな行動をみたら、どんなに頑固な泰三であろうと、心を動かされずにはいなかった。
もちろん、それは百合子も主治医の堂本も同じ思いだった。


そんな二人の親心とはまったく逆に、愛は久しぶりに空の上から見る街や海、山並みの景色に、大感激した。
「大輝、やっぱり空の上に来ると、いつもくよくよしている自分が馬鹿らしく思えるほど、気持ちが晴れやかになれるし最高ね。

「これは、もしかしたら、私が今生きているという実感から来ることかしら・・・」
「僕には、そんなに難しいことは分からないけど、きっと愛の言う通りだと思うよ。」
「じゃあ、やっぱり死んでしまったら、こんな気分は味わえなくなるんでしょうね。」
「今日は、そんな湿っぽい話はやめようよ。」
「?????」
「だって、二人の結婚式じゃないの。」
「ごめん、そうだったわね。」
大輝がそう言うと、彼の言葉にこのセスナ機に同乗していた全員が同調して頷き、二人の結婚式を祝うために長渕 剛の“乾杯”
を歌い始めた。
♪かたい絆に 想いをよせて・・・
そのとたん、大輝と愛の目には自然に涙が溢れ出していた。
そして、みんなの大合唱が終わると、主治医の堂本誠が神父代わりになって、愛が自分の命を賭けても望んでいた、大輝との空の
上での仮の結婚式が挙げられた。
「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬
い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います。」
「はい、誓います。」
二人とも堂本の言葉に、何のためらいを見せることもなく、結婚を誓いあった。
そして、誓いの言葉が終わると、百合子が二人のために用意してくれていた指輪の交換が行われた。
さらにまた、堂本を始めとして今日二人の結婚式に出席してくれたみんなが用意した、ウェディングケーキへの入刀式が行われた

ウェディングケーキ自体は、やはり本物の結婚式の会場で挙式をあげるときの物のようにはいかず、かなり誕生日時のような小さ
なものだったが、ずっと二人とっては本物の挙式のときのケーキよりも大きく、価値のあるものに思えた。
今回の空の上での挙式のことが、まったく二人には知らされていなかったために、指輪の交換を終えケーキの入刀が終わる頃には
、もう二人の目の色は真っ赤に変色してしまうほど、みんなの温かい気遣いに対する感激で胸がいっぱいになり、自然に涙が溢れ出して来て止まらなくなっていた。
それからの大輝と愛は、いつの間にか周囲に人がいるのも忘れてしまって、二人だけの世界に入り込んでしまい、ボロボロと頬を
伝って零れ落ちるお互いの涙を拭いあいながら、いつしかい抱きあっていた。
そして、知らず知らずのうちに二人の唇は、まるで一心同体でもなるようかのように引きよせられてひとつになり重なり合ってい
た。

だが、それは愛にとって大輝との最後の口づけであり、最後の愛の交換でもあった。



藤原綾子

◎紹介コメント

最近は、あまりご挨拶は頂いていませんが、よく以前はご挨拶に遊びに立ち寄ってくれていました。ほとんど、お話したり直接お会いしたりしたことがありませんので、正直なところ本当の意味での藤原綾子さんがどんな方なのかはまだよくは分かりません。ただ僕が藤原さんの写真や文章を見て感じていることは、かなり前向きで気丈な性格(人前では、絶対に弱さを見せない)の方ではないかと思っています。

◎プロフィール

職業:Vert Mer 代表

出身校: 早稲田大学

居住地: 世田谷区既婚

言語: 日本語、英語

血液型: O型

出身地: 世田谷区

誕生日: 6月20日

ウェブサイト:http://www.vert-mer.com/

メールアドレス:http://facebook.com/ayako.fujiwara1

 


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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」5 / A town with the wind

2013-03-04 19:22:30 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。

 

ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第5話/ 最後の愛の交換
~空の上の結婚式~1


◎前回のあらすじ

愛の母親の百合子の手助けによって、なんとか大輝は愛の望みである「大空を飛んでみたい・・・」という願いを叶えてあげようと努力をするが、彼女の主治医である堂本誠の反対により、あっさりとその望みは絶たれてしまった。
帰り際、堂本の勧めもあって愛の病室を訪ねた大輝がその事実を彼女に伝えると、彼女は泣き狂ったように点滴用の器具を自らすべて取り外して床に投げ捨てると、無菌室の扉を勝手に開けて四人がいる病
室の待合室がある廊下の外に飛び出して来た。
そして、両親の泰三と百合子や主治医の堂本の前で床に跪きくと、大粒の涙をボロボロ零しながら自分の最後の頼みを聞いて欲しいと大声で訴えた。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも多く一緒にすごして大切にしたいし、自分の望みを叶えたいの・・・」
さすがに、愛のそんな行動をみたら、どんなに頑固な泰三であろうと、心を動かされずにはいなかった。
もちろん、それは百合子も主治医の堂本も同じ思いだった。

「大輝どうもありがとう。愛の願いごとをふたつも聞いてくれて・・・」
「そんな願いごとなんか、愛の病気に比べたらなんでもないことだよ・・・」
愛が「大空を飛んでみたい・・・」という望みと、もうひとつ大輝に頼んだことは、最後の二人の愛の証として結婚衣装を身に着けて、スカイダイビングをすることだった。
例え、それが仮の結婚式だとしても、自分が「大空を飛んでみたい・・・」と望んでいた空の上で、大好きな大輝と結婚式をあげられることは、あと四ヶ月の限られた余命しかない愛にとっては、この上ない最高の幸福のことだった。
大輝は白ピケの蝶タイに薄いワイン色の燕尾服(衿は拝絹)、愛は真っ白なフリルの付いたシルクの生地に、彼女の生まれた六月の誕生花にちなんだ淡いピンクのバラの花の刺繍がされた、ウェリングドレスだった。
すべて、「今日、二人の愛の証の思い出に結婚式をあげたい・・・」という愛の願いを聞き入れて、わざわざ百合子がオーダーメイドして、新しく作ってくれたものだった。
愛と百合子は、この二人の結婚式のイベントを心から歓迎していたが、泰三は「自ら世間に恥をさらすようなもの」だと、当初から猛反対していた。
だが、愛の命がけの訴えがあったあの出来事以来、もう泰三は愛が望むことに反対するような言葉を一切口にしたり、態度に出すようなことはなくなっていた。
逆に言い方をすると、おそらくどんなに頑固な父親であろうと、たった一人の愛娘があと数ヶ月しか生きられないという現実に直面すると、実際にはいつも見せるあの傲慢な態度とは正反対に、父親として泰三の心の中にも何とも言えない苦しみがあったのかも知れない。
この日のために、泰三が小型のリムジンバスをチャーターし、大輝、愛、百合子、その他に泰三と百合子の親戚数名を乗せたバスは、成城の自宅から慶都病院のある信濃町に向かった。
やはり、愛の体調のことを心配した主治医の堂本誠が、自ら彼女に付き添うことを志願したからである。
日曜日のせいか、いつもとは段違いに車の数が少なく高速道路が空いていたために、三十分ほどで堂本との待ち合わせ場所である、慶都病院の門の前に着いた。
慶都病院の門の前に着くと、主治医の堂本と一緒に愛の担当看護師である、吉田由美子も待っていた。
「堂本先生、吉田さん、今日はわざわざ休日だというのに、愛のために出て来ていただいてありがとうございます・・・」
愛が満面に笑みを浮かべてそう言うと、二人とも口を揃えるかのように「ご結婚おめでとう・・・」
と、今日の大輝と愛の結婚式があくまでも虚偽のものだと知っているにもかかわらず、笑顔で祝福してくれた。
今の愛にとっては、それが真実のものであろうが虚偽のものであろうが、そんなことなどにまったく関係なく、自分が生きているうちに大輝と結婚式が挙げられるということが、何よりも嬉しかった。
堂本と吉田がバスに乗り込むと、バスは関越自動車道がある練馬ICに向かった。
そして、練馬ICから関越自動車道に入り、大泉、新座、所沢、三好、大井ICを通り越し、川越ICの出口を降りて国道17号線のある高崎線桶川駅方面に向かい、太郎右衛門橋を渡って二、三分すると、目的地のTOKIOスカイダイビングクラブに到着した。
バスが到着し、燕尾服姿の大輝とウェリングドレス姿の愛がバスから降りてくると、この日のために大輝と百合子が何度も足を運び、今回のいきさつの事情を細かく説明していたために、このクラブのオーナーでもありインストラクターでもある谷口大輔が、数十人のスタッフと共に拍手で二人を出迎えてくれた。
そして、愛の誕生花にちなんだ彼女のウェリングドレスの刺繍と同じ、ピンクのバラの花束を二人手渡してくれた。
その後、約三十分ほどの簡単なレクチャーを受けた大輝と愛は、オーナーである谷口自身が操縦桿を握る、真っ白なボディーに青空をイメージしたブルーのラインが両翼の上に描かれている、遊覧飛行も兼ねたセスナ機に乗り、主治医の堂本誠や担当看護師の吉田由美子、ベテランインストラクターの相葉浩、稲垣健一らと一緒に、七人で四千メートルの上空へと向かって飛び立った。
やはり気になるのだろう、大輝と愛らが乗ったそのセスナ機を、泰三と百合子は滑走路の横の芝生の上に立って、心配そうに眺めていた。


◎紹介コメント
とにかく、下記のようにいろんな職業の肩書きを持っていて、僕以上に何が本当の職業なのか?僕自身未だに分からないとこがありますが、僕が修子さんを大好きなところは発想が常識を超越しているところと、もしかしたらこの人片方では子供のような純粋な心を持った天使で、もう片方ではこの世に蔓延る悪に挑む「女戦士」ではないかと思わせるような、不思議な一面を持ち合わせているところです。
・プランナー
・ファシリティーエンタテイメントプランナー
・メディカルハーブプランナー
・メディカルフィトセラピスト
・ライター

 井町修子

◎プロフィール
職業:Cafe chez soi*Jeudi 世話人ときどきプランナー
出身校: 大阪芸術大学
居住地: 奈良県奈良市既婚
血液型: O型
出身地: 岩手県二戸市
誕生日: 10月13日


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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」4/ A town with the wind

2013-03-04 19:22:06 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。


ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第4話/ 愛の命を賭けた訴え
~私にはもう時間がないの・・・~

人にとって一番の 幸せってなんだろう
人にとって一番の やすらぎってなんだろう
ふとそう思って思い悩んだとき ふっと心の中に浮かんだのは
それは・・・いつも手を伸ばすと・・・ 真実の優しさや温もりにすぐ触れられる
家族や愛する人が いつもすぐ傍にいてくれることかも知れないと・・・・・


◎前回のあらすじ

大輝が、愛と再会し“風のある町”
に帰って来てから、一ヶ月近くになろうとしていた。
だが悲しいことは、愛の「大空を飛んでみたい・・・」という彼への最後の頼みに対して、彼の彼女の望(願いごと)みをなんとしてでも叶えてあげたいという焦る気持ちとは裏腹に、まだ未だに何ひとつとしてそれに対する名案は見つかっていなかった。
ある日、大輝が偶然に町の本屋の前を通りかかった時に、彼の目に一冊の本が目に留まった。
それはスカイダイビングの本であった。
大輝は、「大空を飛んでみたい・・・」という、愛の望みを叶えてやるのは「これだ!」直感した。
しかし、それを実行に移すためにはふたつの大きな問題が、彼の前に立ちはだかった。
それは、スカイダイビングに掛かる大輝と愛の二人分の費用が、大学生の彼にとってはすぐには用意するのは難しい、大金の五十万円ほどかかることと、いくら愛の「大空を飛んでみたい・・・」という望みを叶えてあげるためだといっても、彼女の体調のことを考えると、おそらく彼女の家族や病院側がそれを許してくれないだろうという、現実の大きな壁だった。
大輝は、まずは第一の問題である金のことを、田舎の両親に電話をし理由を話して必死で頼んだが、父親に「大学生の分際で・・・」と怒鳴られたあっさりと断られた。
そうなると、頼みの綱はもうひとつしか残っていなかった。
それは、一番今回の事情を良く知っている愛の母親百合子に、直談判することだった。
大輝はそう決めると、居ても立ってもいられなくなりすべてのことを取り止めて、すぐに風のある町を出て夜行列車に飛び乗り、愛の実家がある東京の成城に向かった。
その時、愛に残された余命は、あとわずか四ヶ月あまりだった。


京都の寺などでよく見かける、日本庭園風の庭が窓ガラス越しに見える、二、三十畳はあろうかと思う応接間に通されると、例の大輝が愛の家を最初に訪問したときに会った、家政婦の吉田恵子がいかにも高級そうなコーヒーカップに入ったコーヒーと、モンブランケーキを持ってきてくれた。
さすがに当初は、大輝の突然の訪問に百合子も驚いていたが、彼と愛との真実の関係を一番良く知っている彼女は、彼の訪問を快く出迎えてくれた。
大輝には都合よく、愛の成城にある実家を訪ねると、着いたのがもう時間が午前十時を回っていたせいか、彼女の父親の泰三は会社に出掛けていなく、愛の母親である百合子が応対してくれた。

―ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン・・・・・―

「ところで亀梨さん、今日は突然連絡もなしに訪ねてくれるなんて、何かあったのですか?」
百合子は、大輝の不意の訪問を不思議がりそう尋ねた。
「実は、今日僕がお邪魔したのは、愛ちゃんの望みを叶えてあげたくて、ご相談に来たんです・・・」
「それに、すみませんが連絡をしないで来たのは、おそらく電話でその相談をすると、その時点で断られることが分かっていたからです・・・」
「愛の望み?」
『そうです。お母さんも一緒に病院に行ったときに聞いていたでしょう。愛ちゃんが僕に対して「大空を飛んでみたい・・・」と話していたことを・・・』
「ずっとあれから、愛ちゃんの望みをどうやったら叶えてあげられるかを考えていたのです・・・」
「そして、やっとその方法が見つかったのですが、今の僕の身分ではどうすることもできないのです・・・」
「その方法は、お母さんは知らないかも知りませんが、鳥や飛行機のように空を自由に飛ぶことが出来て遊覧飛行や空の散歩を楽しめる、スカイダイビングというものなのですが・・・」
「ですから、こうやってお母さんに相談に来たのです・・・」
「それってどういうことですか?」
百合子は、大輝の話をじっと黙って聞いていたが、彼の言っている事情がまったく呑み込めず、再び彼に問い返した。
「愛ちゃんの“大空を飛んでみたい・・・”という望みを叶えてあげるためには、僕なりに考えたところこの方法が一番いい方法ではないかと思うのですが、そのためにはふたつの大きな問題があって・・・」
「ふたつの大きな問題って?」
「そのひとつ目ですが、スカイダイビングを行うためには入会費や会費、受講料など必要で、僕と愛ちゃん二人分に費用を合わせると、僕のような貧乏学生の身分ではとても用意できない五十万円近くもの大金が必要であるということと・・・」
「そして、そのふたつ目ですが、愛ちゃんにそのスカイダイビングをやらせることを、お母さんたち家族や病院側が許して貰えるかということなんです・・・」
「・・・・・」
さすがに、大輝の話を聞き終えて事の真相を理解した百合子も、いくら愛の望みを叶えることだといっても、彼の唐突すぎる内容には頭の中が混乱して、どう返事していいのか判断がつかずに言葉に詰まった。
ただ、だんだんと落ち着きを取り戻し心の整理がつくと、自分の率直な思いを明確な口調で大輝に伝えた。
「亀梨さんには悪いけど、お金のことならともかく愛の病気のことを考えると、とてもスカイダイビングなんてやらせられないわ・・・」
大輝は、当初から反対されることは分かっていたとはいえ、百合子の言葉を聞いて愕然とした。
ただ、今ここで「はい、そうですか・・・」と引き下がってしまうと、愛が大輝に託した望みを彼女が生きている間に叶えてあげることはとても無理だという思いが、彼の心の中では強く働いていたので、彼は涙ながらに百合子に土下座して、何とかその返事を考え直してくれるように頼み込んだ。
さすがに、百合子もそんな大輝の姿を見ていると心を動かされ、しぶしぶ愛の父親である泰三や愛の主治医の堂本誠と交渉してくれることを承諾してくれた。

百合子が、泰三に連絡を取り大輝から聞いた話の内容を伝えると、当初は彼女と泰三が電話で話す姿を見ていると、かなり泰三は彼女に対して怒りをぶつけているようだったが、どうやら最後は彼女に説得されてしぶしぶ承諾したようで、愛が入院している病院の一階の受付の前で、会社の仕事が終わる午後七時に待ち合わせることになった。
そして、百合子は同時に緊急に相談したいことがあると言って、愛の主治医である堂本誠とも会う約束を取り付けてくれた。
大輝と百合子が、タクシーで病院に向かい病院に到着すると、約束の一階の受付の前で泰三が大柄な躰をイラつかせるように揺り動かしながら、彼の運転手の河本輝夫と一緒に待っていた。
「お前たち、遅いじゃないか・・・」
「すみません・・・」
まだ約束の時間の七時まで十五分も前だというのに、相変わらず泰三は横柄な態度で百合子に文句を言っていたが、さらに今回の大輝の計画には相当腹を立てているようで、彼が挨拶をしても彼とは一切口を聞こうとはしなかった。
愛が入院している七階の受付を尋ねると、百合子が連絡を入れていたこともあり、愛の主治医である堂本誠が待っていてくれて、診察室と隣接した場所にある入院患者や、その家族への病状の説明に使われるカンファレンス室を用意していてくれていた。
堂本は、百合子の話を聞いたとたん、「そんなこと、本気で言っていっているんですか?」と言い、あっさりと百合子の話を断った。
そして、その堂本の言葉に同調するかのように、その話を隣で聞いていた泰三が、「こんな馬鹿げたことで、俺まで呼び出すなんて・・・」と、吐き捨てるように言った。
「せ、先生なんとかお願いできませんか?愛ちゃんが僕に最後に託した望みなんです・・・」
「亀梨くん、君のようなド素人が何を言うのかね。だいいち、家族でもなんでもない他人の君が、先生にそんなことを話すなんて大変失礼ことなんだぞ・・・」
「まあ、まあ、そう怒らずに落ち着いてください。彼も彼なりに愛ちゃんのことを思って一生懸命やったことでしょうから・・・」
さすがの泰三も、愛の主治医である堂本には頭があがらないみたいで、ブツブツ口ごもって愚痴は零していたものの、大輝に対してそれ以上何かを言うことはなかった。
これでもう、愛の「大空を飛んでみたい・・・」という望みを叶えてあげることは、すべて絶たれてしまうことになった。

「せっかくお見えになったんだから、愛ちゃんの病室を寄って行ったらどうですか?」
堂本の勧めもあって、もう通常なら面会の時間はとっくに過ぎていたが、堂本が同行するという条件で病院側から許可を得て、三人は愛の病室に立ち寄ることにした。
大輝たちが愛の病室を訪ねると、彼女は病気の治療のための点滴を受けている最中だったが、すぐに大輝の姿に気がつくと満面の笑みを浮かべながらベッドから起き上がり、点滴用のスタンドを片方の空いている左手で押しながら、彼の方に向かって近寄って来た。
そして、大輝に分かるようにひと言ひと言ずつ大きく口を開いて、「今日は、何をしに来たの?」尋ねた。
大輝は、愛のその言葉の意味を理解すると、ショルダーバッグの中から以前に彼女と話した時と同じように大学ノートと取り出し、彼女の問い掛けに対して返事を書いた。
――今日は、君がこの前来た時に僕に話した「大空を飛んでみたい・・・」という、君の望みを叶えてあげたくて、君のお父さんやお母さんそれに主治医の堂本先生にお願いに来たんだけど、どうやら君の病気(体調)のことを考えると、とても難しいという結論になってしまって。だから、ごめんね。君の望みを叶えてあげられなくなって・・・――
その大輝が大学ノートに書いた文章を読んだとたん、愛は泣き狂ったように点滴用の器具を自らすべて取り外して床に投げ捨てると、無菌室の扉を勝手に開けて四人がいる病室の外に飛び出して来た。
そして、泰三や百合子や主治医の堂本の制する言葉にも耳も貸さずに、自ら四人の足元に跪いて床に顔を押し付け、大粒の涙をボロボロ零しながら大声で訴えた。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママもそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも大切にしたいし、自分の望みを叶えたいの・・・」
「ねえ、パパもママも先生も、私のそんな気持ちを分かってくれてもいいでしょう・・・」
さすがに、愛のその行動を目の当たりにしたら、どんなに頑固な泰三であろうと、心を動かされずにはいなかった。
もちろん、それは百合子も主治医の堂本も同じ思いだった。


 


    渡部猛夫

◎プロフィール

職業:あおぞら整骨院院長

出身校:帝京医学技術専門学校

出身地・居住地:神奈川県横浜市

好きな言葉:心得

すべてに感謝し

生かされている自分は

人に感謝の念を持って施術に入る

電話:勤務先045-581-0715 携帯 080-4072-8306

ウェブサイト:http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Faozora.jisseki.net%2F&h=ZAQDhfWU0

http://ameblo.jp/aonofujitora/

メールアドレス:aozorabs@gmail.com

◎紹介コメント

一言でいうと、とても魅力ある人間らしい方です。それは、誰に対してもこまやかな心遣いと愛情を持って接し、勇気(元気)や希望を与えられる方だからです。僕は、そんな渡部さんの人間としての、人柄の尺度の大きさが大好きです。


Happy New Year! 2013

お友だちのみなさん、新年明けましておめでとうございます。

 今年は、新たな「日本の天地創造」の時だと思っています。
それに伴い、いよいよ僕自身も自らの人生の最終章に向かう年だと思っています。

そこで、これまで僕は僕自身がやり残したことを、すべては出来ませんが出来る限りやって行こうと決心しました。
その最後の答えが見つかるまでは試行錯誤すると思いますが、これまでのように絶対に自分を甘やかせないで生きることにしました。

 ただ、やる目的は決まっていますので、後は自分自身の努力次第でそれが本物になるか、しょせん偽物で終わるのかが決まると思います。

つきましては、これまで以上にすべての物事に対して本気で立ち向かって行こうと思っていますので、お友だちのみなさんの中でぜひ僕に対してどんな小さなことでもいいですので、ご支援やご指導を頂ける方がいましたら、下記のメールアドレスまでどうぞご一報いただけますようよろしくお願い致します。

 連絡先
m_ishizaka518@yahoo.co.jp
icchi0720@ybb.ne.jp

平成25年1月吉日
 下家 猪誠

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」3/ A town with the wind

2013-03-04 19:21:41 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。



ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第3話/ 愛の願い
~大空を飛んでみたい・・・~


◎前回のあらすじ

あ、愛ちゃんに会わせて下さい・・・」
「・・・・・」
大輝が必死で頼んでも、愛の母親百合子はなかなか首を縦に振らなかった。
おそらく、大輝の気持ちの中では愛の父親である泰三が許さないからだろうという、強い気持ちがあった。
しかし、本当の理由はそれだけではなかった。
それは、大輝が今の愛の本当の姿を見てしまうと、百合子の心の中に彼の気持ちにかなりの動揺が起こり、彼のこれまでの愛に対する気持ちが離れていってしまうのではないかという、母親としての大きな心配があったからである。
そして、もうひとつそれと同時に、今の愛の本当の姿を知ったとたん、大輝の彼女に対する愛情が薄れてしまい、彼女に対して冷めた態度をとられたらという、ちょっと百合子の心の中に考えすぎではないかと思うほどの、ひとつの怖さがあったからだった。
それでも、大輝はあまり乗り気ではない愛の母親である百合子を強引に口説いて、愛が入院している新宿の信濃町にある慶都病院に向かった。

―コンコン、コンコン、コンコン・・・―

そこで待っていたのは、かつてのように美しい黒髪姿の面影などはまったくない、白血病の治療の副作用のせいで髪の毛はすべて抜け落ち、頭にベージュ色のニットの帽子を被り、躰全体が拒食症患者のようにやせ衰えた愛だった。
突然の大輝の訪問に驚いた愛は、最初は照れくさそうにただ笑っているだけだったが、いつしか二人とも
“風のある町”
で一緒に暮らしていた頃のように心をひとつに取り戻すと、どちらからともなくお互いの肌の温もりを確かめるかのように近付いて来て、気付いたときには心身ともにひとつになって、しっかりとガラス越しに両手と両手を重ね合わせていた。
やがて愛の目には大粒の涙が溢れ出していた。
それは、大輝も同じだった。
二人は、ほんの数十センチという近い距離にいながら、ガラスの壁に阻まれて直接言葉が交わせないぶん、日記帳と大学ノートを使って会話をすることにした。

「また会えてよかったね・・・」
「ありがとう」
「どうして僕に、本当のことを教えてくれなかったの?」
「・・・・・」
大輝が書いたその言葉に、突然愛の表情が悲しそうになったので、彼はすぐに話題を変えた。
「早く君が元気になって、また二人で風の町に帰りたいね・・・」
「そうね・・・」
「いつまでも僕は、君が帰ってくるのを待っているからね・・・」
大輝が大学ノートにそう書いた台詞を見たとたん、また愛の目頭には薄っすらと涙が浮かんで来た。
「ごめん、変なこと書いちゃって・・・」
「ううん、大丈夫よ・・・」
二人の、日記帳と大学ノートを使った文字での会話は三十分ほども続いたが、やがて愛の担当看護師がやって来て、「もういいでしょう。これ以上、無理やり続けて、愛さんに何かあったらどうするんですか?」大輝に向かってそう言うと、半ば強引に二人の会話を打ち切らせた。
その担当看護師の言葉を聞いて、愛自身は自分は大丈夫だと強引に訴えたが、看護師が彼女の言葉を一切聞くことはなかった。
大輝の横にいて二人の会話のやり取りをずっと見守っていた百合子も、さすがにそう思ったのか?担当看護師の言葉に一切口出しをすることは無かった。
最後に、大輝が愛に今一番何がしたいか?尋ねると、彼女の口からは彼が予想もしていなかった言葉が飛び出した。
「大空を飛んでみたい・・・」
「大空!どうしてまた?」
「どうしても・・・」
「私の、最後の大輝に対する我侭だと思って、それを叶えてくれる・・・」
「ね、大輝いいでしょう・・・」
大輝とっては、まだ自分さえ飛んだことがない大空を飛ぶことなんて、とても自分の力で愛の夢を叶えてあげるのは無理なことだとは思ったが、でもあと半年間しかもたない愛の命のことを考えると、なんとしてでも彼は彼女の夢を叶えてあげたいと思った。
その日、大輝は愛からその言葉を最期に聞くと、百合子と一緒に彼女の病室を後にした。
大輝が愛に別れを告げて帰る時、一瞬後ろを振り返ると笑顔は見せているものの、彼女の目頭に薄っすらと涙が浮かび、「ありがとう・・・」という言葉を、ひと言ずつ口を大きく開いて一生懸命に伝えようとしている姿が見えた。
大輝は、自分が予想もしていなかった愛の言葉にすごく戸惑ったが、愛が生きていられる時間があと半年の間しかないと思うと、何とかして彼女の夢を叶えてやりたかった。
輝が、愛と再会を果たし風のある町に帰って来てから、月日が経つのは早いもので、もう一ヶ月近くになろうとしていた。
ただ大輝はその間、学校へ行っている時もアルバイトの行っている時も、片時も愛の「大空を飛んでみたい・・・」という夢を、絶対に叶えてあげたいということを忘れることはなかった。
しかし、残念なことに大輝のそう思う強い気持ちとは裏腹に、まったく未だにその名案は見つかっていなかった。
る日、大輝が偶然に町の本屋の前を通りかかった時に、彼の目に一冊の本が目に留まった。
それはスカイダイビングの本だった。
大輝は、「大空を飛んでみたい・・・」という、愛の夢を叶えてやるのは「これだ!」思い、その本を夢中で読み漁った。
ただ、大輝はスカイダイビングで誰かが飛んでいるのを、これまでテレビのバラエティ番組の罰ゲーム一などでしか見たことがなく、彼の意識の中でのスカイダイビングはそのスピードやスリル感を楽しむ、ある種レジャー楽しむための金持ちのひとつ遊びだというイメージが強かった。
が、その本を読んでいるうちに、実際のスカイダイビングはパラシュートの操縦技術を競い合う、世界各国で大会が行われているれっきととしたスポーツ競技の一種だということが分かった。
スカイダイビングで愛がいう大空の飛ぶのには、ハワイやグァムなどの世界各地の様々な場所でその体験が出来るようだったが、彼女の躰の体調のことを考えると、日本の中でその体験が出来る場所を探すしかなかった。
都合がいいことに、愛が入院している慶都病院からさほど距離的に遠くはない埼玉県の川島町に、TOKIOスカイダイビングクラブという、スカイダイビングが体験できる会社が見つかった。
ただ、大空を飛ぶ体験が出来るスカイダイビングのクラブが見つかったことで、愛の望みである“大空を飛んでみたい・・・” という願いは叶えてあげられそうになったが、それを実行に移すためにはふたつの大きな問題があった。
それは、入会費や会費、受講料が大輝と愛の二人分を合わせると、大学生の彼にとってはすぐには用意は出来ない、大金の五十万円ほどの費用がかかることと、いくら愛の「大空を飛んでみたい・・・」という夢を叶えてあげるためだといっても、おそらく彼女の家族や病院側がそれを許してくれないだろうという、現実の大きな壁があった。
大輝は、まずはその第一の問題である金のことを、「大学を卒業して働くようになったら、必ず返すから・・・」と言って、田舎の両親に電話して必死で頼んだが、父親に「お前は大学生の身分で、なんでそんな恥知らずなことをやっているんだ!それに家は、貧農家でお前を大学に行かせるだけで精一杯なんだぞ・・・」と、逆に大怒りされてあっさりと断られた。
そうなると、頼みの綱はもうひとつしか残っていなかった。
それは、愛が入院している病院に一緒に同行し、彼女が大輝に対して“私の、最後の我侭だと思って、その願いを叶えてくれる・・・”と、彼に頼んだことをその場で聞いていた、愛の母親の百合子に相談することだった。
大輝はそう決めると、すぐに風のある町を出て夜行列車に飛び乗り、愛の実家がある成城に向かった。
その時、愛に残された余命は、あとわずか四ヶ月あまりだった。


 
K

Kimiko Eva


プロフィールの紹介

楽 し い 通 訳 ☆ き み 子 で す

英国人と結婚して英国に住むようになり、
氣がついたら、もうすぐ30年になります。

会社内の翻訳・通訳を経てフリーになって7年。
臨時講師ですが大学で逐次・同時通訳も教えます。
国際会議、リサーチ、ビジネス、面白そうな仕事は何でもウェルカム。
最近はケンブリッジ大学のリサーチ機関とも御縁ができました。

モットーは、何でも楽しくやろう!です。
漫画とアニメ大好き、美味しい食べ物・ワインはモチロン大好き。

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」2 / A town with the wind

2013-03-04 19:21:17 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。


ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第2話/ 愛の病気
~限りある命(白血病)~

風のある町を君は去って行った きっともう帰れないと知っていたから
(片道切符一枚で・・・Woo ooo)
知らず知らずにいつか 二人の間を急ぐように時間が駆け抜け
知人(ひと)を通して聞いてた 君の噂も聞かなくなったいつからか
あのまま君が生きていてくれたら 二人にとってどんな人生があっただろう
歳をとったせいだろうか こんなにも涙もろくなったのは
もう帰れないからだろうか 君と過ごした思い出の場所へ
どこまでも青く澄み切った 星空を見ていたら
子供のように夢を見る とても惨めな大人の姿の僕がいた

歳をとったせいだろうか 意味もない自分探しをするのは
もう帰れないからだろうか あのときめきの青春(じだい)の瞬間(なか)に
心地よい陽だまりの中の 眠りから目覚めたら
輝きもときめきもない 時の流れに置きざりにされた僕がいた

◎前回のあらすじ

突然、愛が地図にも名前が載っていない、“風のある町”
にやって来たのは、桜前線の話題がいっせいにテレビニュースで騒がれ始めた、早春の風の強い日だった。
大輝との出会ったのは、駅前の不動産屋の前で部屋を探すための貼り紙を見ているときに、偶然その場を通りかかった彼が、彼女に声を掛けたことがきっかけだった。
大輝は愛と出会ったときには、まだ彼は地元の大学に通う学生だった。
そして、愛は大輝よりふたつ年上の、OLだった。
やがて、二人は偶然の出会いから親しくなり、一緒に暮らし始めるようになる
ただ、大輝は愛と暮らし始めるようになってから、だんだんと2人の将来について理想を描くようになっていったが、その思いは2人が一緒に暮らし始めてから彼の気持ちとは裏腹に、わずか2ヶ月足らずで崩れてしまう。
その理由は、「ママが体調を崩したみたいだから、ちょっと家に帰って来るね。でもすぐに帰って来れると思うから心配しないでね・・・」という、一通のメモが残されていたのがきっかけだった。
それは、実際には愛の母親が病気ではなく、彼女自身が病気だったからだったからである。
それも、後命が半年しかもたないという、思い白血病だった。
実は、愛がふらりと偶然にも風のある町にやって来たのは、天国に旅立つための自分に残された、最後の時間を楽しむためだったのである。

「あ、愛ちゃんに会わせて下さい・・・」
「・・・・・」
大輝が必死で頼んでも、愛の母親百合子はなかなか首を縦に振らなかった。
おそらく、大輝の気持ちの中では愛の父親である泰三が許さないからだろうという、強い気持ちがあった。
しかし、本当の理由はそれだけではなかった。
それは、今の愛の本当の姿を知ると、百合子の心の中に大輝の気持ちに大きな動揺が起こり、彼の気持ちが愛から離れていってしまうのではないかという、かなり母親としての恐れがあったからだった。
愛は、高度の白血球の減少に伴い化学療法や造血幹細胞移植術等の血液疾患により、外には一歩たりとも出ることが出来ずに、無菌室で集中治療中を受け続けていたが、その副作用で髪はすべて抜け落ち頬はこけ目は窪んで、その姿にはかつての彼女の面影は何ひとつとして残っていなかった。
百合子は、そのことを大輝に話すかどうか迷っていたが、彼の話を聞き彼が本心から愛を愛してくれていることを知ると、彼にすべてを打ち明ける決心をした。
そして、やはり泰三は同行するのを嫌がったが、大輝と百合子は愛が入院している新宿の信濃町にある慶都病院に向かうことになった。
車は、いつも泰三が通勤に使っている白塗りのクラウンロイヤルで、泰三の運転手の河本輝夫が二人に同行した。
慶都病院は、かつて日本を代表するアクションスターの石渡裕一郎が入院したり、初めて日本人の女性宇宙飛行士として有名になった、向田千秋が医師として勤務していたりしたことでも、有名な病院である。
二人を乗せた車は成城の自宅を出ると、世田谷通りから環八に入り、用賀から首都高に乗って、首都高速道路4号新宿線外苑出入口で降り、慶都病院に向かった。
慶都病院は、同大学のキャンパスにあるせいか、意外に若い人の姿も多く見かけた。
1階で受付を済ませると、大輝と百合子は愛が入院している無菌室がある7階に、通路のちょうど中ほどにあるエレベーターで向かった。
愛が入院している病室に付くと、彼女はじっとベッドの上から淡いピンクのパジャマ姿のままで、青くどこまでも晴れ渡った大空をじっと見つめていた。
ただ、愛の姿が以前の姿とまったく違っていたのは、百合子が彼女を訪ねる前に話していたように、白血病の治療の副作用のせいで髪の毛はすべて抜け落ち、頭にベージュ色のニットの帽子を被り、躰全体が拒食症患者のようにやせ衰えていたことただ。


――コン、コン、コン コン、コン、コン・・・――

大輝が、硬い透明のガラスで仕切られた壁をノックすると、愛はビックリした表情で立ち上がり、最初は照れくさそうに笑っていたが、やがて彼女の目には大粒の涙が溢れ出していた。
それは、大輝も同じだった。
気付いた時には、大輝の目からも、愛と同じように大粒の涙が、自然に勝手に溢れ出していた。
そして、しばらく二人は見つめ合ったまま、決して何かを語ろうとはしなかったが、まるで久しぶりの再会をひとつひとつ確かめて喜び合うかのように、だんだんとガラスを挟んでふたつの躰が近づくと、気付いた時には両手と両手が重ね合っていた。
その姿を横で見ていた、愛の母親の百合子も思わずもらい泣きして、しばらく三人の涙が止むことはなかった。
また、それは、大輝と愛の真実から愛し合っている偽りのない姿でもあった。



長町

長町ゆかり


プロフィール紹介

未来を担う子供達が、健やかな心と身体を保てるように願い、こどもパン教室『ぷちぱんキッズ』を始めて8年半になりました。
これから1年かけて、イメージトレーニングのインストラクターの資格も取ります。
子ども達の心を癒し、豊かな未来を築きあげる力をつけるお手伝いができることを喜びに、自分自身も楽しんでいきたいと思います☆
どうぞ宜しくお願いします♪

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新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」1/ A town with the wind

2013-03-04 19:20:52 | 人・歌・愛・心・笑顔・夢・希望・平和

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。


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作 / 猪 寿

第1話/ 大輝と愛
~出会い~

風のある町を君と歩いたね 風のある町で君と話したね
(いつでも2人一緒に・・・Woo ooo)
今では何もかもが遠い日々の 記憶にかすむ出来事だけど
僕の生活(くらし)の中では まるで時計が止まったように
あの青春(ひ)の君が今でも なにひとつ色褪せもせず美しいままで生きている
歳をとったせいだろうか 意味もない自分探しをするのは
もう帰れないからだろうか あのときめきの青春(じだい)の瞬間(なか)には
心地よい陽だまりの中の 眠りから目覚めたら
何の輝きもときめきもない 時の流れに置きざりにされた僕がいた

突然、愛が地図にも名前が載っていない“風のある町”
にやって来たのは、桜前線の話題がいっせいにテレビニュースで流れ始めた、早春の風の強い日だった。
愛が、風の町にやって来たときの格好は、スーツケースひとつと薄いグレーのロングパーカーに、洗いざらしのジーパンという質素のものだった。
大輝との出会いは、駅前の不動産屋の前で部屋を探すための貼り紙を見ている時に、偶然その場所を通りかかった彼が声を掛けたことだった。
やはり、大輝の遊び目的の軟派と思われる行動に、最初はすごく警戒し彼が何を言っても無視をしていた愛だったが、彼が真っ黒に日焼けし顔でひょっとこ面や、明石家さんまなどの芸人の真似をして笑わせてくれる姿に、やがて少しずつ彼女の警戒心も解けいき、笑顔を見せるようになった。
大輝が愛と出会った時には、まだ彼は地元の大学に通う学生だった。
愛が、大輝と出会ったその日なかなかいいアパートが見つからずに、彼の部屋に泊めて貰ったのをきっかけに、2人は正式に自己紹介をし合い付き合うようになった。
その結果、愛のほうが大輝より2つ年上ということが分かった。

そして、その日から2ヶ月も経たないうちに「いつも一緒にいるのに、アパート代がもったいね・・・」という話から、二人は愛が借りた部屋で同棲するようになった。
大輝と愛は一緒に住むようになってから、以前にも増して二人で将来の夢を語り合ったり、映画を見に行ったりショッピングなどに出掛けたりするなどして、二人の交友時間を楽しむようになった。

その後、二人は生活費を稼ぐために、大輝が大学に出掛けている間は、愛はファーストフードの店でアルバイトをし、大輝は大学の授業が終わると以前から働いていた居酒屋で、それぞれにアルバイトを続けた。
そのせいで、普段の日はアルバイトをする時間が昼と夜というすれ違いはあったが、そのぶん毎月二回は日にちを合わせて休みの日を取っていたので、たまに喧嘩はするものそんなに生活に不自由を感じたり、男女関係の生活に不便さを感じたりすることはなかった。
ただ、ひとつ大輝には気になることがあった。
それは、愛がしょっちゅう熱を出したり、めまいを起こしたりすることだった。

大輝が愛の家を訪ね、インターホーンを通じて自分の名前を名乗ると、家政婦らしき女性が応対に出て来たが、彼が愛のことについて聞くと、何故だか?大慌てして2階に繋がっている螺旋階段を駆け上がって行き、やけに大柄で恰幅のいい中年の男性と、まるで女優のように品のいい中年の女性を伴って3人で階段を降りてきた。
その姿を見た瞬間、大輝には家政婦らしき女性が呼んで来たのが、愛の両親であることはすぐに分かった。
大柄な恰幅のいい中年の男性は、自分が愛の父親の石坂泰三であることを名乗ると、いきなり大輝に向かって怒りだした。
「お前のおかげで、愛の病気は家にいるときよりも、ずいぶん酷くなったんだぞ!」
「それって、どういう意味ですか?」
「お、お父さん、やめてください。亀梨さんに会えて愛だってあんなに喜んでいたじゃないですか・・・」
「お、お前は何を馬鹿げたことを言っているんだね!」
「ほ、本当じゃないですか・・・」
『「愛ちゃんはお母さんが体調を崩したので、しばらく家に帰ります・・・」とメモを書き残していましたが・・・』
「愛ちゃんに何かあったんですか?」
「そ、そんなことを、あ、あの子が・・・」
そう呟くように言うと、愛の母親百合子の目からは、ハンカチでも押さえ切れないほどの大粒の涙がぼろぼろと、彼女の頬を伝って床に零れ落ちた。
「お、お父さん、もういいでしょう。亀梨さんに本当のことを話してあげましょう・・・」
「もういい!お前がそういい気持ちなら、もう好きにしろ!!」

それから事件が起きたのは、わずか3日後のことだった。
「ママが体調を崩したみたいだから、ちょっと家に帰って来るね。でもすぐに帰って来れると思うから心配しないでね・・・」
突然、大輝がアルバイトを終えて帰宅すると、そうメモを書き残して愛の姿が消えていたのである。
だが、愛のそんな言葉とは裏腹に、彼女は一ヶ月経っても帰って来ることはなかった。
愛のことを心配した大輝は、たとえ一緒に住んでいても彼女のプライバシーを盗み見るようで、なんとなく悪い気がしたが、彼女の整理タンスの中から彼女の母親から彼女宛にときどき来ていた手紙を探し出し、やっとその住所を頼りに東京の成城にある彼女の家を探し出した。
大輝が家を訪ねると、今まで愛から一度も聞いたことはなかったが、かなり彼女は金持ちと思われる家の娘だった。

お前がそういい気持ちなら、もう好きにしろ!!」
愛の父親の泰三は、そう言った後もなおも怒りながら、ぶつぶつと独り言を呟きながら螺旋階段を上がり、とっとと自分の部屋に帰っていった。
家政婦らしき女性は、その煽りを受けてどちらに付くか困り果てた顔で、泰三の方を向いたり百合子の方を向いたりして迷っていましたが、百合子が泰三の様子を見に行くように伝えると、ホッとした表情で泰三の後を急ぎ足で追いかけて行った。

「実は・・・亀梨さん、愛は今病院にいるんです・・・」
「えっ?!」
「い、いったいそれはどういうことなんですか?」
「誰にも話さないと思っていましたが、亀梨さんあの子の命はもう半年しかもたいないんです・・・」
「そ、そ、そんなことを急に言われても、ぼ、僕には何がどうなっているのか、分かりませんが・・・」
「そうですよね。突然こんなことを言われても、何がどうなっているのか分かるわけがありませんよね・・・」
よほど辛いのだろう。
百合子は、勝手に溢れ出す涙をハンカチで抑えながら、悲しみに満ちた表情で話をし続けた。
「愛は、重い白血病にかかっていて、もうどんな治療を受けても治ることはないのです・・・」
「じゃあ、お母さんが病気というのは嘘で、本当は自分自身が病気だったんですね・・・」
「そ、それも半年間ほどしか命がもたないという・・・」
ようやく大輝は百合子の話を聞き、しょっちゅう愛が熱を出したり、めまいを起こしたりしていたことの理由が分かると同時に、その話を聞かされたとたん逆に今度は自分がめまいがして倒れてしまいそうなくらいに、心に大きなショックを受けた。

次回に続く


 
 大久保まーさ

大久保まーさ



140歳まで美しく♪生きる:大久保まーさ♪をニックネームにした、食生活アドバイザー兼美容食研究家。

住まいの地域:兵庫県
出身地:美しい地球
出没地:芦屋 大阪 神戸 東京
血液型:永遠型
誕生日:1949年11月15日 15時頃
性別:愛にあふれた女性です

とても、優しくて自然を愛する素敵な女性です。こんな、まーささんとお会いしたい方は、下記のURLまでアクセスください。
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お友だちのみなさん、新年明けましておめでとうございます。

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それに伴い、いよいよ僕自身も自らの人生の最終章に向かう年だと思っています。

そこで、これまで僕は僕自身がやり残したことを、すべては出来ませんが出来る限りやって行こうと決心しました。
その最後の答えが見つかるまでは試行錯誤すると思いますが、これまでのように絶対に自分を甘やかせないで生きることにしました。

 ただ、やる目的は決まっていますので、後は自分自身の努力次第でそれが本物になるか、しょせん偽物で終わるのかが決まると思います。

つきましては、これまで以上にすべての物事に対して本気で立ち向かって行こうと思っていますので、お友だちのみなさんの中でぜひ僕に対してどんな小さなことでもいいですので、ご支援やご指導を頂ける方がいましたら、下記のメールアドレスまでどうぞご一報いただけますようよろしくお願い致します。

 連絡先
m_ishizaka518@yahoo.co.jp
icchi0720@ybb.ne.jp

平成25年1月1日
 下家 猪誠


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