只今、当ブログではクリスマス特別作品として『Super SantaClaus シンデレラ』の連載を開始しています。本作品は、地球を飛び出し宇宙規模でシンデレラと七人の小人たちが、それぞれが持つ超能力を発揮しながら、現実に起こる問題を痛快・愉快に解決していく、超スペクタクルロマンの作品です。そしてさらに、アニメや童話のようにファンタジックに飛んだ世界の中で、人間愛や家族愛、友情、優しさ、エンターテイメント性などを通じて、多くの“愛と感動”を読者のみなさんに届ける作品です。どうぞ、当ブログで「シンデレラ」とその仲間の「七人の小人たち」が繰り広げる、“愛と感動の大冒険”の物語を心行くまで楽しんでください。
企画 / 下家 猪誠
第2話 ルドルフおじさんの怒り
★前回までのあらすじ
おとぎの家の「シンデレラ」は、ちょっと童話の世界の「シンデレラ」とは、そのストーリーもですが、登場キャラの設定も違います。
やさしい、お母さんが死んでしまっていないというのは同じですが、その後釜として意地悪な義理のお母さんが、わがままな娘三人とやって来て、シンデレラに家中の掃除をさせたり、お父さんの死をきっかけに屋根裏部屋に住まわされたりして、いじめ受ける話などはまったくありません。
それは、シンデレラが意地悪な義理のお母さんではなく、彼女のお守り役の七人の小人に育てられた上に、実は彼女の実際の正体が、全宇宙の神王であり彼女の祖父でもあるキングゼウスに、地球の子供たちの夢や願いごとなどの問題を解決してあげるようにと天の国から送られて来た、今流行の超がつくスーパー高校生にさらに超が十個以上も付く、超超超・・・のスーパー女子高校生『Super santaClaus』だからです。
―♪Sha la la la・・・・・―
―事件の依頼あり。すぐ帰れ。ルドルフ< m(__)m>―
彼女のお守り役として、全宇宙の神王でありシンデレラの祖父でもあるキングゼウスに一緒に地球に行くように命じられた、七人の小人のリーダーであるルドルフおじさんから、突然事件の依頼があったことの連絡を受け、学校の授業を抜け出して大急ぎで帰宅途中の、クリスマスの祭事で賑わうアップルタウンの町中で、ララという一人の女の子が車に撥ねられ血まみれになって倒れている事件に遭遇する。
―キッキッキッー、キッキッキッー・・・―
―ドッカーン!―
「きゃーっ!」
「た、たいへんだ!ラ、ララが・・・」
「うわーっ、だ、誰か、ララを助けて!」
―子どもが車に撥ねられたぞ!救急車を呼べ!―
すぐに、シンデレラは鞄の中から携帯電話を取り出すと、ルドルフおじさんと連絡を取った。
「ルドルフおじさん、今帰る途中だったんだけど、大変なことが起きちゃっているの・・・」
「どうしたんだ?シンデレラ」
「ララという、五、六歳の女の子が車に撥ねられて、アップルタウンの横断歩道のところで血まみれになって倒れているの・・・」
「なんじゃと!」
「だから、悪いけどこのまま放っておくわけにはいかないから、さっきの事件のことはダッシャーおじさんたちに任せて、すぐこっちに来てくれない・・・」
「わ、わかった・・・」
―ピポ、ピポ、ピポ・・・―
―ウー、ウー、ウー・・・―
やがて、町の人の連絡を受けて、救急車とパトカーがやって来ました。
シンデレラは、ララちゃんのことがとても気になったので、ルドルフおじさんが到着するまで、もう一度人山の中を覗いてみることにしました。
やっぱり、さっきと同じように横断歩道に血まみれになって、ララちゃんが倒れていました。
ララちゃんは、町の教会の丘近くの農園の家の子で、この日はお父さんとお母さんに頼んで町にクリスマスプレゼントを買いに来ていて、どうやら事故にあったようです。
シンデレラは、ララちゃんがブドゥー人形と一緒に手に持っていた、クリスマスプレゼントの中身を見て驚きました。
それが、ほかの子供たちのプレゼントに比べて、ちょっと風変わりな物だったからです。
なんとそのプレゼントとは、蛍の卵だったからです。
なんで、ララちゃんがお父さんやお母さんに頼んで、蛍の卵をクリスマスプレゼントとして買ってもらったのか?その理由を、その後シンデレラはララちゃん本人に聞かされて、その純粋な気持ちに胸が詰まる思いがします。
「おーい、シンデレラ!ワシじゃワシじゃ!」
「あっ、ルドルフおじさん、相変わらず早いわね・・・」
「そりゃあ、可愛いわがお嬢ちゃんシンデレラに呼ばれちゃあ、何を放っておいても真っ先に飛んで来なくちゃあな・・・」
「おじさん、そんなこと言いながら、実際に飛んで来ているじゃない・・・」
「あっ、そうか。ワッハッハッハハ・・・」
ルドルフおじさんの声の方角がする、町のデパートの屋上の空の上を見ると、なんとそこにはトナカイに変身して橇を引く、ルドルフおじさんの姿があった。
――あっ、そうそう、ここでちゃんと説明しておかなくちゃあね。シンデレラも不思議な長州小力?!否、超能力を持った“Super Santa Claus”だが、彼女のお守り役の七人の小人たちも、それぞれ七人とも不思議な超能力を持っている“Super小人”なのである。例えば、ルドルフおじさんの場合には、トナカイに変身して時速300キロの速さで空の上を駆けることが出来たり、現在から未来や現在から過去へと自由に時間の空間の中を移動が出来たり、人の心を自由に操ることが出来たり、超ミクロの形に変身して人間や動物にの躰に入り込んだりすることが出来る。そして、シンデレラを含めて七人の小人たちが共通して出来ることは、テレパシーを使って人間の子供や動物たちと会話が出来ることである。――
やがて、ジングル・ベルの鈴の音が鳴り出し、♪ジングル・ベル ジングル・ベル・・・と聖歌隊合唱の歌が聞こえ始めると、天空から鮮やかな無数の色の光が降注いで来てシンデレラの全身を包み込み、グルグルと竜巻のように猛スピードで回転しながら彼女の躰が上空の方に向かって引っ張られて行くと、彼女はいつの間にかSuper Santa Claus「シンデレラ」に変身していた。
―Super Santa Claus「シンデレラ」に変身した、シンデレラの姿がどんな格好をしているかって?そりゃあ、画を描くのがあまりうまくないし、変な画を描いて載っけてみんなを驚かせたら悪いから、読書のみんなにそれぞれに想像してもらって、自分のイメージSuper Santa Claus「シンデレラ」を創ってもらうのが一番手っ取り早いかな・・・―
「あっ、ママ、あのデパートの屋上の空の上に、トナカイの橇に乗ったサンタクロースがいるよ・・・」
「どこ、どこ?」
「そんなもの、どこにもいないじぁないの・・・」
「ママ、見えないの?あのデパートの屋上の空の上だよ・・・」
「たまたま、デパートかなんかの宣伝で、サンタクロースを衣装を身に付けて仮想したおじさんが、屋上にいただけじゃないの・・・」
「そんなことないよ。あそこにいるじゃない・・・」
「お前、いつまでもそんなとぼけたことばかり言ってママをからかっていると、今日のクリスマスプレゼントに、お前が欲しがっていたガンダムのプラモデル買ってあげないよ・・・」
「・・・・・」
――実際には、子供が言っていたとおり、けして二人の姿は大人には見えないが、純粋な心を持った子供たちの目には見えるのである。――
Super Santa Claus「シンデレラ」に変身したシンデレラは、ルドルフおじさんと一緒にララちゃんの容態が気になり、彼女が救急車で搬送された病院にその様子を見に行きました。
ところが、悲しいことにララちゃんはふたりが病院に行ってみると、もう強く頭を打ったのと出血多量が原因で死亡し、地下の遺体安置室に移されて霊柩車が呼ぶ準備の最中でした。
ララちゃんの両親は、その悲しみのあまりに何度となく彼女の名前を呼んだりして、何かを一生懸命に話しかけていましたが、彼女が両親の呼びかけに二度と反応することは、まったくありませんでした。
おまけに、ララちゃんを撥ねて死亡させた乗用車そのまま逃走し、まだ犯人は捕まっていませんでした。
「な、何、犯人が逃走?」
ルドルフおじさんは、その話を聞いて言葉が詰まるほど、怒りをあらわにしました。
「シンデレラ、こうなったらララちゃんためにも、弔い合戦だ・・・」
「なんとしてでも、ララちゃんをひき逃げした犯人を捕まえるぞ!」
「そうね、こんなまだ十歳にも満たない子供を撥ねて命を奪った上に、何の反省もせずに逃走するようなそんな非人道的な人は、絶対に許せないわね・・・」
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