おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」5 / A town with the wind

2013-03-04 19:22:30 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。

 

ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第5話/ 最後の愛の交換
~空の上の結婚式~1


◎前回のあらすじ

愛の母親の百合子の手助けによって、なんとか大輝は愛の望みである「大空を飛んでみたい・・・」という願いを叶えてあげようと努力をするが、彼女の主治医である堂本誠の反対により、あっさりとその望みは絶たれてしまった。
帰り際、堂本の勧めもあって愛の病室を訪ねた大輝がその事実を彼女に伝えると、彼女は泣き狂ったように点滴用の器具を自らすべて取り外して床に投げ捨てると、無菌室の扉を勝手に開けて四人がいる病
室の待合室がある廊下の外に飛び出して来た。
そして、両親の泰三と百合子や主治医の堂本の前で床に跪きくと、大粒の涙をボロボロ零しながら自分の最後の頼みを聞いて欲しいと大声で訴えた。
「お願い、私にはもう時間がないの・・・」
「それは、本当はパパやママそうだけど、先生だって知っていることでしょう・・・」
「だから、私は自分の命と引き換えにしても、大輝との残こされた時間を少しでも多く一緒にすごして大切にしたいし、自分の望みを叶えたいの・・・」
さすがに、愛のそんな行動をみたら、どんなに頑固な泰三であろうと、心を動かされずにはいなかった。
もちろん、それは百合子も主治医の堂本も同じ思いだった。

「大輝どうもありがとう。愛の願いごとをふたつも聞いてくれて・・・」
「そんな願いごとなんか、愛の病気に比べたらなんでもないことだよ・・・」
愛が「大空を飛んでみたい・・・」という望みと、もうひとつ大輝に頼んだことは、最後の二人の愛の証として結婚衣装を身に着けて、スカイダイビングをすることだった。
例え、それが仮の結婚式だとしても、自分が「大空を飛んでみたい・・・」と望んでいた空の上で、大好きな大輝と結婚式をあげられることは、あと四ヶ月の限られた余命しかない愛にとっては、この上ない最高の幸福のことだった。
大輝は白ピケの蝶タイに薄いワイン色の燕尾服(衿は拝絹)、愛は真っ白なフリルの付いたシルクの生地に、彼女の生まれた六月の誕生花にちなんだ淡いピンクのバラの花の刺繍がされた、ウェリングドレスだった。
すべて、「今日、二人の愛の証の思い出に結婚式をあげたい・・・」という愛の願いを聞き入れて、わざわざ百合子がオーダーメイドして、新しく作ってくれたものだった。
愛と百合子は、この二人の結婚式のイベントを心から歓迎していたが、泰三は「自ら世間に恥をさらすようなもの」だと、当初から猛反対していた。
だが、愛の命がけの訴えがあったあの出来事以来、もう泰三は愛が望むことに反対するような言葉を一切口にしたり、態度に出すようなことはなくなっていた。
逆に言い方をすると、おそらくどんなに頑固な父親であろうと、たった一人の愛娘があと数ヶ月しか生きられないという現実に直面すると、実際にはいつも見せるあの傲慢な態度とは正反対に、父親として泰三の心の中にも何とも言えない苦しみがあったのかも知れない。
この日のために、泰三が小型のリムジンバスをチャーターし、大輝、愛、百合子、その他に泰三と百合子の親戚数名を乗せたバスは、成城の自宅から慶都病院のある信濃町に向かった。
やはり、愛の体調のことを心配した主治医の堂本誠が、自ら彼女に付き添うことを志願したからである。
日曜日のせいか、いつもとは段違いに車の数が少なく高速道路が空いていたために、三十分ほどで堂本との待ち合わせ場所である、慶都病院の門の前に着いた。
慶都病院の門の前に着くと、主治医の堂本と一緒に愛の担当看護師である、吉田由美子も待っていた。
「堂本先生、吉田さん、今日はわざわざ休日だというのに、愛のために出て来ていただいてありがとうございます・・・」
愛が満面に笑みを浮かべてそう言うと、二人とも口を揃えるかのように「ご結婚おめでとう・・・」
と、今日の大輝と愛の結婚式があくまでも虚偽のものだと知っているにもかかわらず、笑顔で祝福してくれた。
今の愛にとっては、それが真実のものであろうが虚偽のものであろうが、そんなことなどにまったく関係なく、自分が生きているうちに大輝と結婚式が挙げられるということが、何よりも嬉しかった。
堂本と吉田がバスに乗り込むと、バスは関越自動車道がある練馬ICに向かった。
そして、練馬ICから関越自動車道に入り、大泉、新座、所沢、三好、大井ICを通り越し、川越ICの出口を降りて国道17号線のある高崎線桶川駅方面に向かい、太郎右衛門橋を渡って二、三分すると、目的地のTOKIOスカイダイビングクラブに到着した。
バスが到着し、燕尾服姿の大輝とウェリングドレス姿の愛がバスから降りてくると、この日のために大輝と百合子が何度も足を運び、今回のいきさつの事情を細かく説明していたために、このクラブのオーナーでもありインストラクターでもある谷口大輔が、数十人のスタッフと共に拍手で二人を出迎えてくれた。
そして、愛の誕生花にちなんだ彼女のウェリングドレスの刺繍と同じ、ピンクのバラの花束を二人手渡してくれた。
その後、約三十分ほどの簡単なレクチャーを受けた大輝と愛は、オーナーである谷口自身が操縦桿を握る、真っ白なボディーに青空をイメージしたブルーのラインが両翼の上に描かれている、遊覧飛行も兼ねたセスナ機に乗り、主治医の堂本誠や担当看護師の吉田由美子、ベテランインストラクターの相葉浩、稲垣健一らと一緒に、七人で四千メートルの上空へと向かって飛び立った。
やはり気になるのだろう、大輝と愛らが乗ったそのセスナ機を、泰三と百合子は滑走路の横の芝生の上に立って、心配そうに眺めていた。


◎紹介コメント
とにかく、下記のようにいろんな職業の肩書きを持っていて、僕以上に何が本当の職業なのか?僕自身未だに分からないとこがありますが、僕が修子さんを大好きなところは発想が常識を超越しているところと、もしかしたらこの人片方では子供のような純粋な心を持った天使で、もう片方ではこの世に蔓延る悪に挑む「女戦士」ではないかと思わせるような、不思議な一面を持ち合わせているところです。
・プランナー
・ファシリティーエンタテイメントプランナー
・メディカルハーブプランナー
・メディカルフィトセラピスト
・ライター

 井町修子

◎プロフィール
職業:Cafe chez soi*Jeudi 世話人ときどきプランナー
出身校: 大阪芸術大学
居住地: 奈良県奈良市既婚
血液型: O型
出身地: 岩手県二戸市
誕生日: 10月13日


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