想い・思い・おもい ver.2

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第740回 一人訪問看護を妄想してみる

2011-03-11 00:07:43 | 介護保険制度
3月6日より行われた、政府の「規制仕分け」で、
訪問看護の開業の要件について、一人でも開業できるように、と結論付けられました。

これについては、現場でも、賛否が分かれているように思います。

現在、訪問看護事業の要件は、2.5人の看護師配置が最低、必要です。
訪問看護も、人手不足は同じ。
在宅の現場で、訪問看護のニーズはあるにもかかわらず、需要が追いついていません。
そのため、退職者が出たとき等、補充が間に合わずに、
閉鎖、若しくは廃業をせざるを得ないという話を散見します。

そのため、1人でも訪問看護事業が展開出来るようになると、
このような事態を引き起こすことはないため、
この規制仕分けの結果を評価する声があります。

一方、
一人で開業することに対し、
休みの対応や、緊急事態の呼び出し等に応じきれるのか、
一人の訪問看護師の思いだけでできる事業ではない、
などといった理由で、反対する声もあります。

もし、一人で開業したとして、どうなるでしょうかね~。

私がいるような、人口が密集しており、急性期の病院が複数あるような地域では、
癌の末期等で、在宅で最期を迎えたいというような方も多いようで、
地域の訪問看護ステーションに連絡すると、そういった方々の依頼も多く、
忙しい、という声を聞いています。

なので、需要はあるようです。

また、訪問看護の場合、医療保険対象者も訪問の対象となりますので、
地域密着型で、活動エリアを絞ることで、
介護保険対象者外の方への長期的なかかわりが可能になったりもするのかな・・・
とも期待したりもします。

「一人」ということに対する懸念については、
医師も、助産師も一人で開業している。看護師が一人で出来ないわけがない、などという
規制仕分けのなかで意見があったとも聞きますが、
患者の方から出向く開業医や開業助産師と、訪問看護は一緒にはできないでしょう、と思いつつ、
今は、医師が「在宅診療所」と、訪問診療専門にされているところも増えてきたので、
同じ一人訪問事業が可能、と言われてしまえばそうかもしれません。

それを可能としているのは、
在宅ケアは、医師一人で支えているのではなく、
訪問看護を初めとする、いろいろな社会資源と連携して行われているからこそ、
のことなんでしょうね。
とすれば、訪問看護もそうですね。
一人で、その利用者さんに関わっているわけではないので、
連携をうまくはかることで、事業も運営できるとも、いえるかもしれません。

思わず、試算してみました。
訪問看護は1時間で830単位。
地域で、報酬金額は変わりますが。私の所では、約8700円という計算になります。
私の活動エリアのように、人口が密集しており、高齢化率も高いと、
訪問看護の需要もあり、移動時間もさほどかかりません。
それでも、1日5件が標準的に回れる回数でしょうか。
(記録等の事務作業を思うと、4件がいいですが)
すると、1ヶ月の純粋な収入は、約90万円強。
そこから、事務経費等をマイナスして・・・。

さて、経営的には、どうでしょう?


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