高齢者の支援が殆どの、介護支援専門員業務。
高齢者の場合、いつも、何かしらの疾患と隣り合わせ、ということも
避けては通れない。
だとすれば、やっぱり、ある程度、押さえるべき医療的な知識はあるだろう。
ただ、まだ、そこがどこなのかははっきりしていない。
介護支援専門員実務研修受講時に、保健医療問題が出題される。
それを全部覚えれば・・・という考えもできるが、
それ以上に、覚えた知識をどう使うかを教えられていないので、
結局は宝の持ち腐れ。
使われない知識は、段々と忘れ去られ、試験のための勉強となってしまい、
「覚えるのが苦痛」
「こんなにたくさんあって、何を覚えればいいの?」となってしまう。
今日の事務所での会話。
4年目のケアマネが担当。
認知症があり、訴えは曖昧な女性。
「何だが、下腹の方が不快らしいのよ」
「医者には通っていて、膀胱炎じゃないか、と言われていて、お薬は飲んでるみたい」
「熱はないようなんだけど、データがスッキリしないみたい」
「もう少し、身体がスッキリするまで、デイサービスは休みます」
そんな情報を持ってきた。
ケアマネジャーが支援する上でも「予後予測」は大事だ。
そうしなければ、支援が後手後手に回る。
後手後手に回れば、本人、家族も慌てなければならないこともあるし、
ケアマネジャーも、時には「振り回させる」といった感覚になってしまうこともある。
おそらく、私だったらこんなふうに考えたり、情報をとったりする。
「何だが、下腹の方が不快らしいのよ」
→膀胱炎の症状である排尿時痛の訴えを上手く伝えられないのかな?
「医者には通っていて、膀胱炎じゃないか、と言われていて、お薬は飲んでるみたい」
→薬名の確認は必須だろうな。
薬そのものの名前はわからなくても、「抗生剤と言われましたか?」とか「熱冷まし?」とかでもいいかもしれない。
「熱はないようなんだけど、データがスッキリしないみたい」
→高齢者の場合、顕著な症状が出にくい場合もある。とすれば、検査データの確認は大事だ。
「血液検査はしましたか?」ときいて、CRPや白血球数の上昇があるかなどを聞いてみる。
家族が、具体的には聞いていない、ということもあるかもしれない。
その時は、医師とのコミュニケーションを促す意味でも、
CRPや白血球数は聞いてきてほしい、と依頼する。
だって、自分や自分の親の身体や治療に関わることなのだから、
何でも医師にお任せではなく「具体的に」医師に説明をもとめ、理解するためには、
大事なことだろう。
と、ケアマネジャーだって、このあたりのデータを知る事は、
何ら、聞きすぎることでも何でもないと思う。
もちろん、これらを元に診断するのは医師である。そ
ケアマネジャーはそれらのデータを元に、生活に与える影響を予測する。
抗生剤を飲んでいるにもかかわらず、症状が改善しない。
何か、他の病気もあるのかな?
とすれば、しっかりと、症状を観察し、受診を継続できるよう、働きかけなくてはいけない。
抗生剤を処方されているなら、食欲はどうだろう?
抗生剤を飲むことで、消化器症状はでてこないだろうか?
ましてや、自分の症状を適切に伝えることができない、認知症の利用者さんだ。
他覚的に確認できることは、していく必要がある。
ましてや、家族は、本人が直接訴える下腹の不快感に、意識が行きがちで、
他の症状を見落としてしまうかもしてない。
今まで通っていたデイサービスを休み、家の中での生活が中心だと、
少なからず、足腰の力が弱ってしまうかもしれない。
体調が回復し、さぁ、サービス再開!となったときに、足下が不安定になり、転倒してしまう、
なんていうことになったら、困ってしまう。
病状が回復したとき、身体的な機能がどの程度変化するだろうか、
といったことも気になる。
万が一、長引くようなことがあれば、サービスのありようも変えなくてはならない。
等々、ほんの少しの情報でも
それらの質をよくすることで、予後についても、よりいろいろなことを考えることができる。
ケアプランの作成時に「予後予測」というと、とてつもない、これからの生活設計のことのように思うが、
ケアマネジャーの行う生活支援は、
このような小さな予後予測の積み重ねなのかもしれない。
予後予測の幅を広げるためにも、押さえるべき医学的な知識は持つべきだろう。
そこがどこなのか?
実務研修試験のためとは別に、考えて行かなくてはいけないだろうな・・・と思う
今日この頃だ。
高齢者の場合、いつも、何かしらの疾患と隣り合わせ、ということも
避けては通れない。
だとすれば、やっぱり、ある程度、押さえるべき医療的な知識はあるだろう。
ただ、まだ、そこがどこなのかははっきりしていない。
介護支援専門員実務研修受講時に、保健医療問題が出題される。
それを全部覚えれば・・・という考えもできるが、
それ以上に、覚えた知識をどう使うかを教えられていないので、
結局は宝の持ち腐れ。
使われない知識は、段々と忘れ去られ、試験のための勉強となってしまい、
「覚えるのが苦痛」
「こんなにたくさんあって、何を覚えればいいの?」となってしまう。
今日の事務所での会話。
4年目のケアマネが担当。
認知症があり、訴えは曖昧な女性。
「何だが、下腹の方が不快らしいのよ」
「医者には通っていて、膀胱炎じゃないか、と言われていて、お薬は飲んでるみたい」
「熱はないようなんだけど、データがスッキリしないみたい」
「もう少し、身体がスッキリするまで、デイサービスは休みます」
そんな情報を持ってきた。
ケアマネジャーが支援する上でも「予後予測」は大事だ。
そうしなければ、支援が後手後手に回る。
後手後手に回れば、本人、家族も慌てなければならないこともあるし、
ケアマネジャーも、時には「振り回させる」といった感覚になってしまうこともある。
おそらく、私だったらこんなふうに考えたり、情報をとったりする。
「何だが、下腹の方が不快らしいのよ」
→膀胱炎の症状である排尿時痛の訴えを上手く伝えられないのかな?
「医者には通っていて、膀胱炎じゃないか、と言われていて、お薬は飲んでるみたい」
→薬名の確認は必須だろうな。
薬そのものの名前はわからなくても、「抗生剤と言われましたか?」とか「熱冷まし?」とかでもいいかもしれない。
「熱はないようなんだけど、データがスッキリしないみたい」
→高齢者の場合、顕著な症状が出にくい場合もある。とすれば、検査データの確認は大事だ。
「血液検査はしましたか?」ときいて、CRPや白血球数の上昇があるかなどを聞いてみる。
家族が、具体的には聞いていない、ということもあるかもしれない。
その時は、医師とのコミュニケーションを促す意味でも、
CRPや白血球数は聞いてきてほしい、と依頼する。
だって、自分や自分の親の身体や治療に関わることなのだから、
何でも医師にお任せではなく「具体的に」医師に説明をもとめ、理解するためには、
大事なことだろう。
と、ケアマネジャーだって、このあたりのデータを知る事は、
何ら、聞きすぎることでも何でもないと思う。
もちろん、これらを元に診断するのは医師である。そ
ケアマネジャーはそれらのデータを元に、生活に与える影響を予測する。
抗生剤を飲んでいるにもかかわらず、症状が改善しない。
何か、他の病気もあるのかな?
とすれば、しっかりと、症状を観察し、受診を継続できるよう、働きかけなくてはいけない。
抗生剤を処方されているなら、食欲はどうだろう?
抗生剤を飲むことで、消化器症状はでてこないだろうか?
ましてや、自分の症状を適切に伝えることができない、認知症の利用者さんだ。
他覚的に確認できることは、していく必要がある。
ましてや、家族は、本人が直接訴える下腹の不快感に、意識が行きがちで、
他の症状を見落としてしまうかもしてない。
今まで通っていたデイサービスを休み、家の中での生活が中心だと、
少なからず、足腰の力が弱ってしまうかもしれない。
体調が回復し、さぁ、サービス再開!となったときに、足下が不安定になり、転倒してしまう、
なんていうことになったら、困ってしまう。
病状が回復したとき、身体的な機能がどの程度変化するだろうか、
といったことも気になる。
万が一、長引くようなことがあれば、サービスのありようも変えなくてはならない。
等々、ほんの少しの情報でも
それらの質をよくすることで、予後についても、よりいろいろなことを考えることができる。
ケアプランの作成時に「予後予測」というと、とてつもない、これからの生活設計のことのように思うが、
ケアマネジャーの行う生活支援は、
このような小さな予後予測の積み重ねなのかもしれない。
予後予測の幅を広げるためにも、押さえるべき医学的な知識は持つべきだろう。
そこがどこなのか?
実務研修試験のためとは別に、考えて行かなくてはいけないだろうな・・・と思う
今日この頃だ。
<<実務研修試験のためとは別に、考えて行かなくてはいけないだろうな・・・と思う
ケアマネ業務は、利用者様の環境を含めた生活の流れを把握し、そこに体調不良が無いか?訪問介護などからの情報を集めて、速攻に対応が求められますね。近くで拝見していて、医学的に知識も必要だし、大変な仕事です。ただ、それだけに、利用者様は頼りにしているのだと思います。
あるお宅で、利用者様が横っ腹の強い痛みの訴えが有る。湿布薬のかぶれか?皮膚もただれている。
ヘルパーさん介助にて整形外科へ通院しました。
湿布薬ではなく、痛みを和らげる塗り薬が処方される。
戻られて、安静にされていたのですが、
翌日は訪問看護師の日、その看護師から「帯状ヘルペスでは?」と情報がケアマネに入る。
また、翌日、家族対応で内科に通院。
案の定、帯状ヘルペスでした。
この在宅介護の連携は、凄いと思いました。
それから、整形外科のドクターには
皮膚のただれを看て、帯状ヘルペスと分からなかったのだろうか?
でも、誰だろう
(文面を読んでも推測できず、すみません)
コメントに頂いたようなことって、
少なからずありますね。
決して、医師を否定するわけではないですが、
医師がいったこと=全て正解、
ではないですね。
だからこそ、日頃の観察が大事だし、
まず「正常」を知る事が大事なのだと思います。
実は、昨日居宅の新規ケースで初訪問をしたのですが(ご存知のように完全に居宅のケアマネにもなりまして)…偶然今回どりーむさんのお書きになったような思考で、面談を進めていたことに驚いてしまいました。
たぶんこのブログでの学びが、知らず知らずの間にココロと体に染み込んでいったのでしょうね。ありがとうございます。
さらに、小生が研究を手がけているリシリエンシー(リジリアンス)の思考を応用し、危険要因を突き止め、保護要因に変容させるよう、きちんとアセスメントすることにも心がけようと思っております。
感謝!
そんなふうに言っていただき、
嬉しい限りですが、
さはらさんの場合は、
もう、充分に、ご自分なりの面接のスタイルを
作り上げていらっしゃることと思います。
生活支援において、リスクをしることは、
決して、制限を増やすことではないですね。
しかし、身体状況からの予後予測は、一般的にはなかなか難しいのが現状でしょうね。
ドリームさんは、看護職だったのでするっと予測できることも、医療職でない方には、なかなか難しいことではないでしょうか・・。
看護学校での目いっぱいのカリキュラムに、臨床経験があってこその問題抽出やアセスメントが、ケアマネ研修だけではとても難しいと思うのです。
これは、ドリームさんの言う通り、別枠での研修と言う事になりますね。
であれば、在宅で予測される病状や経過を、看護職のケアマネが伝えていく必要があると思ういます。
ただ、怖いのは、聞きかじりで自己判断して、ご利用者さんを違う方向に誘導してしまう事です。
アセスメントの結果立てた予後予測や対応方法は、出来るだけ医療関係者と確認することも必要だと思うのです。
コメントの方の、ヘルペスの件にしても、訪問看護が入っていたから早期に発見でしたわけですし、ヘルペスひとつとっても、頭部の中から眼瞼まで出来ることもあり、知らなければ見過ごすことはいっぱいありますし・・。
中途半端な判断が、重篤な結果を招いてしまうリスクもあり、出来ることなら、いつでも相談が出来る訪問看護師(訪問看護が入っていなくても)との連携関係を強化してほしいなと思ってしまいます。
医療職が行う予後予測と
介護支援専門員が、介護支援専門員として行う予後予測。
それは、かならずしも一緒ではないはずです。
色々な資格がベースになった介護支援専門員。
お互いの得意な分野についてを情報共有し、
介護支援専門員としての底上げが図られることを、
私も望んでいます。