想い・思い・おもい ver.2

***つなぎ、つながり、つなげあう***
since 2009.7.16(2009.3.28~ver.1)

第996回 居宅サービス計画と個別援助計画

2011-10-21 01:08:52 | ケアプラン
ケアマネジメントは、
利用者からの依頼を受け付けたあとは
アセスメント→計画の作成→ケアの実施→モニタリング→評価→(再)アセスメント→計画の作成・・・
と、螺旋状に続いていく。
そして、時に、軽快されたり、施設に移られたり、亡くなられたりして、終結を向かえる。

で、ふと、このサイクルに置ける「ケアの実施」ということに引っかかった。
だって、直接、私たち介護支援専門員が、ケアを実施する訳じゃないんだよな、と。
でも、じゃぁ、介護支援専門員にとって「ケアの実施」とは、どういうことだ?とも。

利用者さん宅に訪問して、介護サービスのことを説明すると、時々、
「あなたが来て、掃除したり、お風呂に入れてくださったりするのではないんですね」
と言われたりする。
「そうなんですよ。私たちは、どんなサービスが必要かな、って相談には載らせていただくんですが、
 直接、お世話してくださるのは、また別の方なんですよ」
と説明させていただく。

相談援助は、間接的援助。介護保険サービスは直接援助。
そんな区分けもありか。
とすれば、
介護支援専門員が作成する居宅サービス計画は間接的支援。
介護保険サービス事業所が作成する個別援助計画は直接的支援。

私がこれから介護支援専門員としてケアプランを立てるために事業所で勉強を始めた時、
その時についていたのは訪問看護だったので、当然「訪問看護計画」というものを作成することには
慣れていた。
その感覚で、ケアプランの作成を始めると、どうも勝手が違う。

例えば、
その方に「排便についてケアをしていく必要がある」とニーズに書く。
その方に応じたペースで、排便があることで、食欲を安定させ、健康状態を保つと、目標を書く。
そして、サービスを考える。
定期的に浣腸が必要かな?下剤はどうする?運動は?

うん?なんか変だぞ。
排便を促す方法を直接書いてしまうと、訪問看護計画と一緒になっちゃうよ。
介護支援専門員って、そこまで考えなきゃいけないの?

介護支援専門員の作成する居宅サービス計画には、
どんなサービスを、何の目的でケアに携わって貰うのか。
介護支援専門員が決めるのはそこまで。
そのさき、どんな方法で、その目的を達成していくのかは、
サービス事業者の裁量。

当然、居宅サービス計画と個別援助計画が連動しなければ、
利用者のニーズは解消されることはない。

居宅サービス計画は、間取り図のようなもの。
その人の玄関をあけ、右は通所介護の部屋。左は訪問看護の部屋。
奥のリビングダイニングは訪問介護かな?
その人の状況により、どの部屋を大きくとらなければならないかも考えなくては。
もちろん、部屋を行き来する通路も風通しをよくしなければ。
その風というのは、情報。
どんな情報を行き来させ、それぞれの部屋を使い勝手よくしていくのか。

その使い勝手を考えるのは、それぞれの部屋の担当者。
訪問介護はサービス提供責任者だし、通所介護は生活相談員・・・。
与えられた部屋に、どんな家具、即ちサービスを提供していくと、
その部屋がよくなっていくのか。
それが、個別援助計画。

介護支援専門員が作成した間取り図に見合うよう、サービスを提供しなければ、
その部屋には、物が溢れてしまい、廊下まで荷物が溢れてしまったり、
逆に、その部屋に必要な物が置かれない、ということも生じてしまう。
とすれば、その多い、少ないを調整し、
間取り図通りの部屋が機能し、家となるよう、働きかけが必要だ。
それが、モニタリング。

ケアマネジメントサイクルにおける「ケアの実施」には、
居宅サービス計画に位置づけられた介護保険サービスによる利用者への直接的なサービスの実施と、
それらが、きちんと機能しているかという介護支援専門員による間接的な、一歩下がったところからみる間接的な実施と
その2つがあるように思う。


最新の画像もっと見る