祢津地区で開催された舞台が丘市民説明会における質疑応答の内容を掲載します。これは私の会場におけるメモをもとに書いています。文責は私にあります。
■ 当初計画が25億円から50億円になった
問 当初計画の25億円が50億円になった。かなりあと出しがあると言わざるを得ない。道路は無駄だ。学校の問題や学校とグラウンドの間の道(県東中線)がなくなるとはじめて聞いた。近隣の人々の利便性が損なわれる。高校整備は県の問題であるのに市が口を出すことがあるのか。道路が止められていると伸びたいというが消防署でまた行き止まりになる。いかがなものか。
駐車場が狭いということはわかる。立体駐車場にしたり、上下水道庁舎の跡地を駐車場にすれば30台くらいは停められる。消防署の今の場所は不便なところだ。交通の利便性のいい国道沿いなどに移転したらどうか。いい場所はある。
橋本建設課長 (高校のグラウンドと校舎との間の)県東中線は田中小学校の通学路になっているが歩道がない。今回できる道路には歩道がつけられるのでそちらを通れば安全になる。地元の皆さんもこの道路を利用してほしい。
この道路は消防署前が渋滞するということだが、中村道(サンテラスの西側の道)を下り右折してこの道路を通り、海善寺を経由しヤオフクの信号で国道に出ることができる。海善寺方面から市役所駐車場を通過していた車などは東部中学校、サンテラス中央公園方面に行く車が多く、逆に小諸方面に行く車は少ないのではないか。
斉藤総務部長 駐車場について傾斜地にあり平らな場所を確保することが難しい。上下水道庁舎跡地をどうかというが、市民はより建物の近くに駐車場を求めるという傾向にある。一方立体駐車場は建物のそばにはできず、フラットではないことなどから現在の計画となった。消防署を移転したらどうかということだがいまただちに建て直すべき理由はない。
■ 説明会の資料に東御清翔高校が書いてない
問 説明会の資料に東御清翔高校の校舎の図が書いてない。隠しているのではないか。2年前の説明会で25億円でやるということで住民合意になった。それが倍になる。理解できない。どの市町村でも公共工事でアップするのは8~9%だ。それが道路を合わせればすごい増加になる。なぜ25億円が35億円になったのか。当初計画できちんとやればこんなことにはならなかった。
道路については市長の説明は理由にならない(拍手)。県立高校に10億円も差し上げるなんて許せるものではない。道路は白紙撤回してほしい(大きな拍手)。駐車場は1台当たりにすれば1250万円にもなる。補助金はすべて国からのお金だ。3・11の被災地にまわしてほしい(拍手)。
斉藤総務部長 資料の中に東御清翔高校の配置が書かれていないということだが意図的に落としたわけではない。県との関係で示すことができなかったためだ。
■ 舞台が丘事業で地域の事業に影響はないか
問 説明会が終わったあと3月議会で決めるのか。各区の長期計画はこの事業で影響を受けることはないか。
五十嵐副市長 各地区の説明会が終わったあと方針を明らかにしたい。この事業は6月議会で審議したい。この事業のため各区の事業へ影響を与えることはない。
■ 賛成の立場で発言する
問 賛成の立場で発言する。市民の多くの反対にもかかわらず高い志で進めている市長に敬意を表する。東御清翔高校の応援で補助金を支出することがわかった。この50億円の費用のうち合併特例債と社会資本整備交付金で25億円補助され、市の負担は25億円なのか。この事業で今後とも健全財政でやっていけるかどうか聞きたい。
五十嵐副市長 この事業を行っても健全財政は維持できるということで実施して行きたい。50億6700万円のうち24億6千万円が市が実質的に負担する額だ。事業費全体に占める割合は48.6%だ。残り51.4%が交付金や交付税で補填される。
■ 東御清翔高校のビジョンがない
問 地図には東御清翔高校のことがひと言も書いてない。1月26日の会議で市長の話を聞いた。その時市長は「県は道路でもかからなければ東御清翔高校の建替えはできないと言っている」と話された。だから道路計画が出てきた。しかしきょうの説明会で東御清翔高校の建て替えを行うための手段として道路を通すということを説明していないのはいかがなものか。
東御清翔高校は県立高校だ。この計画には東御清翔高校をどうするか、どんなやり方があるのか、そういった議論が何もない。おそらく市の設計図の中にも東御清翔高校のビジョンはないのではないか。いったい誰が東御清翔高校のことを考えていているのか。この時期になぜやるのか。少子高齢化で学生数が少なくなりこれから高校はどんどん変わる。
教育はソフトそのものだ。市長の故郷の吉田松陰の松下村塾も建物が立派だったから人が集まったということではないはずだ。道路ができても校舎が良くなっても魅力がなければ生徒は集まらない。なぜ市民をまじえて考えないのか。
東御清翔高校のことについて今まで何も言っていないではないか。建替えるために道路をひっかけたと市長は離された。東御清翔高校のグランドデザインもわからない中ではとうてい納得できない。
パブリックコメントの締め切りは2月20日だ。大切な情報を出さずに締め切りだけ決めるというのは正しくない。もっと情報を与える努力をすべきだ(拍手)。どうしてこれで議論してくれと言えるのか。議論しましたという形だけつくるのか。失望した。(大きな拍手)。
■ 新しい道路は交通量を緩和しない
問 道路15億円は交通量を緩和することにならない。消防署を移転するということも検討すべきだ。15億円の道路は延期してやめるべきだ(拍手)。中央公民館から市庁舎への連絡通路も削るべきだ。
第1期の計画に検討委員として参加し、25億円で現在ある建物を利用してすすめるべきだと提言した。それが35億円になり50億円になった。とても悲しい。15億円は次回に回し削るところは削るべきだ。きめ細かい計画であるべきだ(大きな拍手)。
市長 この事業の必要性について5点あげた。東御清翔高校と駐車場をシェアしたいと県と交渉してきた。東御清翔高校が単位制多部制を選択するプロセスの中で、東御清翔高校を良くする会ができ、生き残っていくためにどうするか考えた。すでに6校が廃校になっている。そして単位制多部制として残してほしいという要望を県にあげた。
市も東御清翔高校の整備を要請した。上田高校は環境がパーフェクトでなくても自ら選べることができるかもしれない。しかしつまずいた子供たちはそうはいかない。こうした子供たちを受け入れる高校として県は東御清翔高校を存続していただきたいと要望した。
道路を通し街区を整備することで、東御清翔高校の整備と市役所の両方ができる。県や国と相談する中で10億円ほどカネをまわしてもらえることになった。市民の理解も得られるのではないか。市民説明会を行いいただいた意見の中で、受け入れられるものは生かして行きたい。そして議会で決定してもらう。その一つとしてパブリックコメントもある。基本的にはパブリックコメントの受付期間は1ヶ月だ。
■ 防災にすれば支援が得られるのか
問 市民説明会の田中会場では市長は駐車場の予算では認められないが防災として実行すれば支援が得られると述べていた。防災のことでしか予算がとれないから東御清翔高校、道路というシナリオができたということがよくわかった。理由付けは何でもいい。道路をつくり防災ということにしたのではないか。これは一種の予算の流用だ。日本の財政が大変な時だ。被災地優先にし、不要不急なものは自粛すべきだ(大きな拍手)。
15億円を東北のために使ってもらうことが何よりの支援だ。滋野の会場で市民がこの問題で住民のアンケートをやったらどうかという意見に対し市側はやらないと述べている。市民の声が届かない市政は寂しい。施設が新しくなるということは本当ならおめでたいことだ。それがなぜこうなるのか。よく考え直していただきたい。
道路ができることでいのちが救われると言ったが、東西南北のいのちを救うために消防署を移転すべきではないか。市庁舎の駐車場を通過する車があるということだが、これはモラルの問題だ。道路をつくっても解決しない。
橋本建設課長 国の予算は3・11で日本全体が厳しくなってきている。東御清翔高校、中央公民館、子育て支援センターは広域避難所だ。2時避難所で非難者が使うことになる。道路をつくれば補償費が生まれる。それを持って東御清翔高校の改修をしていただきたい。
消防署の移転は広域の管轄だ。消防署は市役所の近くがいいということで平成3年にあの位置につくられたものだ。通過車両の問題はモラルの問題だというがその通りだと思う。
■ ハードをつくってもソフトは決まっていない
問 東御清翔高校の単位制多部制は暗中模索中だ。ハードをつくってもソフトが決まっていない。そんな段階でどうつくるのか。いま建てても良くはならない。150人規模の講義室は防災の拠点だというが、本当に必要なものなのか。予算も1割ぐらいの増加ならわかるが2倍になったということだ。市長選挙をやるべきだ。大急ぎで決めることは待ってほしい。
和田教育長 県立高校だから市が口を出すべきではないということはわかる。あまり深入りすると誤解を招く。私は東御清翔高校の教頭、校長を6年やった。東御清翔高校を良くするためには特色ある学校にすることが必要だと考え、コース制をスタートさせた。ところが思いがけず多部制単位制が打ち出された。決まった以上はどう進めるかということが課題となった。暗い環境の悪い校舎をなんとかしてくれという声が校長に寄せられた。私も県教委にお願いしてきた。しかしそれはかなわなかった。今回舞台が丘整備計画の中で東御清翔高校が再登場してきた。時機到来だと思った。
飯島生涯学習部長 中央公民館の講義室については生涯学習の拠点施設としての利用を考えている。これまでの講堂は年間600回も利用され、100人規模の集会も年間100回開かれている。なかなか利用できない状況にある。また会場設営には椅子を出すなど大変だった。使い勝手の良いものにしようということで計画した。
■ 予算が膨れ上がったことに対して吟味が必要だ
問 公共施設の耐震化については賛成だ。しかし25億円の予算が50億円に膨れ上がったことについては吟味が必要だ。費用が倍になったことについて市は財政的にも大丈夫だと言っているが市民のふところから考える必要がある。市民生活はいま大変だ。消費税が上がることへの不安もある。国保税の滞納は22%にもなっている。財政が大丈夫だからいいというのは一面的だ。
市長は議会答弁で「舞台が丘事業が25億円から30億、50億と膨れ上がることはないでしょうね」という質問に、「その枠内にすることが市長としての責務だ」と言っていた。今回の事業の根拠が薄く説明はあとづけという印象をぬぐい得ない。駐車場の必要性について資料を求めた。しかし示されたのは300字程度の文章だった。市長が先ほど述べられた5つのメリットの検討の過程が見えない。15億円もかける事業だ。十分に検討した上で進めてほしい。
防災拠点にしても広域的に考えるべきだし分散化すべきだ。道路は切り離して別途検討すべきだ。市民の意向調査も実施してほしい。
市長 当初25億円で計画したがただ耐震だけということになると、雨漏りも、悪臭がするトイレも、使いづらいエレベーターも変わらないということになる。そこで少なくとも中央公民館については当初計画をはみ出すこともあったが、利用者の意見を聞いて使い勝手の良いものにするようにした。これまで分散していた学校教育課と生涯学習課を中央公民館に統合すると30億円に膨らんでしまった。
一方15億円の道路については舞台が丘整備計画とは別に準備してきた。11月までは道路計画であった。しかし15億円のうち9億5千万円の東御清翔高校への補償料を捻出することは難しかった。しかし舞台が丘整備計画と一体化すれば国から10億円の支援が受けられることがわかり、そのような中で選択を進めてきた。
今日は市への説明をするということで設定した。十分ではないが意見を聞いた。今後いろいろな形で意見を聞いて決定し、最終的に議会の判断でやって行きたい。この問題に対する市民意向調査はやるつもりはない。