虎(黄にゃんこ)と馬と猫

競馬とタイガースと時たまねこのお話

度胸星

2008-05-22 12:35:51 | 読書日記(映画)
今回の「ヤンサン」休刊騒ぎで
「度胸星を打ち切った能無し編集長なら当たり前」
こういう感じの書き込みが多く、気になったので読んできた。

作者は山田 芳裕
今はモーニングで「へうげもの」を連載しているが、最初に出会ったのは、やはりヤングサンデーの「デカスロン」
ペース配分をちっともしない十種競技選手を主人公とした作品だった。

誇張の激しい、パースを狂わせたような絵柄に、エキセントリックな主人公。
どっちかというと綺麗な絵柄好きなのでコミック購買にはいたらなかったが、常に気にかかる作家の1人。

しかし…全4巻ということもあって、チェック漏れしていたねぇ。
立ち読みの過程でチラッと見た記憶もなきにしもあらず、だが。



ストーリーは、火星に初めて降り立った探査隊が謎の物体に襲われるが、映像も通信も断絶して、地球側(アメリカ)は正確な事態の把握ができないまま、莫大な予算の問題で激しい議論をしつつ、救助隊の編成を企画
日本でも全国から候補者を募り、トラック運転手の父(死亡)を持つ主人公も応募。厳しい訓練で振り落としが行われ、ライバルと競い仲間となりながら……紆余曲折
ついに主人公がロシアから飛び立つところで「完」
……まあ主人公の問題だけは片をつけた形だったが、一方で【謎の物体】がより高次元の存在である、ということだけが示され、その目的も能力も弱点も、語られることなく、実は話がどこに進むのか丸ごと切り落とされて終わっている。

後から考えれば無茶だと思うところは多々あるが、やはり作者の力でグイグイ引っ張り込まれる内容。
確かに途中で連載を取り上げられた読者は怒るだろう。


詳しくは知らないが、おそらく「萌え」だとか「エロ」だとかにシフトして読者におもねろうとしたんだろうね。

一応、自分としては埋もれた佳作に出会えたイチ事件ですね。