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ローマもの

2005-11-28 14:58:25 | 読書日記(映画)
[花壇のねこ]

「戦争で読むローマ帝国史」柘植久慶 PHP文庫
一言で言えばガッカリ。違う視点を入れたかったのだが、各種の戦争に対する考察についても、(そりゃページ数は違うにしても)「ローマ人の物語」とは違う、ハッとするような視点があるわけではなし。
「コンゴ動乱やアルジェリア戦争に参加」「ラオス内戦に従軍する」などの履歴から、ある意味オタク的な戦略論、戦術論でも展開されていれば、と期待していたのだが。

後から参考文献を見ると、これだけ長大な歴史を扱いながら10冊。しかも2冊は自著という自己消化、タコ足食い。
ギボンの「ローマ帝国衰亡史」は読み通しているが、正否はともかく、少し偏った視点の書き方に見えたのは、そのせいだろう。ありがちな、(キリスト教史観から見たローマ帝国)というほどの視点。
小説とはいいつつ、確かに全四巻で分量は8倍ぐらいではありながら……このあいだ読み終えたばかりの「蒼穹の昴」の参考文献量を考えても……


まあ、よし。
「ローマ人の物語」は20巻が終わりかけ。ありがたいことに、もう文庫の新刊が控えている。
さらに(キリスト教とローマ帝国)視点の新書も、買ってまだ放置状態。
毎日、電車を使いたいなぁ。我が最良の書斎。