合言葉は、ボスコーン!

甘く切なく綴ってアン畜生なる彼方。SFと映画そして時々の成人向け漫画で日々精進なるや

屁紋の広がる海

2006-03-19 01:00:47 | Weblog
今日は新作公開って事で、幾らか。


「SPL 狼よ静かに死ね」   ☆☆★

ちょうど重なるように、今月はカンフー映画が2本続けて公開なわけですが。
さてこの作品は、脚本担当のどちらがどう間違えたのか、というのが一番の問題。
てっきりサイモンを主人公に据えての執念逮捕劇かと思いきや、途中からドニー・イェンに摩り替わったりと、悪役のボスも含めてどちらが主役なのか判りづらい構成。そのせいか、いまいちカタルシス感の出てこない困る展開になってしまっていた。
ただ、ただねぇ、幾らなんでもラストのあの話運びはヒデェ。
予想の斜め上を行きすぎて、一瞬口がポカーンと。そしてそのままラストを迎えた時はそりゃ、もう別の意味で男泣きしちまったよ!

カンフーアクションに関しては、大口を叩いてみせただけの事はある入魂の出来でした。個人的には、マー対ジェットが一番のクライマックスだった。
それと、今作で初めて悪役を演じたサモ・ハン・キンポーはやはり神でした。ワルっぷりが実に板についているというか、全身から滲み出ているオーラが半端じゃありませんでした。もう一度悪役やってくれないかしら。



「SPIRIT」  ☆☆

大々的な宣伝を打って公開された割には恐ろしく凡作。 うん、思い切り凡作。
主役がジェット・リーとはいえ、一番のキモであるカンフーアクションは切れ味の点で、「SPL」に軍杯。
やや失笑気味のアクション編集に、ゴチャゴチャしたカメラアングルが加わると余計になぁ。

あと中盤から突然メロドラマになってびっくりした。 これがジェット・リー法則か!

それよりも今週の「からくりサーカス」の方が面白かったという事実。


「ブロークバック・マウンテン」   ☆☆☆☆

普通に感動する俺がいた。
いや、色眼鏡をかけて観る事確実の内容に対して、これだけ普通に感動できたって事自体が凄いわけで。

これは脚本が秀逸というのもあるんですが、保守主義の巣窟であるアメリカ西部を舞台にしたってのが一番上手いと思う。
「リバー・ランズ・スルー・イット」と同じ系統の作品とはいえども、素直に誉めるべきだと思った。