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井戸の中よりこんにちは

引き続き。

J・ティプトリー・ジュニア 「故郷から10000光年」   ☆☆☆☆(☆)

ハヤカワSFとしての発刊順では最初に当たるこの短編集の場合、「老いたる霊長類~」と比べるとバリエーション豊かでバランス良く、どれも楽しめた。
中でも個人的に最高傑作だと思っているのは、表題にニュアンスを一部分拝借されている「故郷へ歩いた男」だなぁ。いやもう、これ読んでて体のそこら中を電気が走った。読み終えた後、思わず「ほぅ」と大きく息吐いたほど、とにかく痺れまくり。
発想もさる事ながら、一つの些細な起点から一気に話が拡がって加速していく快感と究極のラスト、感嘆すら覚えるほどの絶妙な技巧がね、もうね、ヤバイ。この話だけで本価格の840円の元が取れたといっていいくらいだ。
次点には「苦痛志向」と「我らなりに、テラよ、奉じるは君だけ」がくるかなぁ。もちろん他の作品も甲乙つけ難い出来なのですが。
あと、最後の締めとして「ビームしておくれ、ふるさとへ」がきますが、これはあまりにも切ない。あまりにも哀しすぎるお話。ティプトリーの、ひどく愚かな種族としての人間への凍てつくような冷徹の眼差しと、心のどこか片隅に秘めた愛惜がない交ぜになった作品としても、涙流すしかない傑作。これだけは思わず心の中で呻いてしまった。



次は「星ぼしの荒野より」をやる予定。


ついでで一つ。
ガラスの艦隊 ギャグアニメのごとく…
第一話で心をアイアンクローされて尚且つ来週の放送が楽しみで仕方が無いという方は必見。


追記。「苦痛思考」じゃなくて「苦痛指向」でした。てなわけで訂正。
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ようこそ宇宙誘拐団体

久々に熱帯夜。蒸し暑い部屋の中で入れたての熱いコーヒーを啜るという苦行。

発刊された短編集の数としては折り返し点に来たので、読了したティプトリー作品三冊をぼちぼちレビュー。

J・ティプトリー・ジュニア 「老いたる霊長類の星への賛歌」   ☆☆☆☆(★)

これほど作者の魅力を軽やかにかつ、数倍にも膨らませて伝えようとしているのはお目にかかった事のない、アーシュラ・K・ル・グウィンによる序文から始まる、この短編集では、一番最初にくる「汝が半数染色体の心」で一気に心を鷲掴みにされた。
タイトルで大体想像がつくとは思いますが、生殖に関してのSFであり、生態系の描写もさる事ながら、何よりも生物としての残酷さと哀しみに満ちている作品として衝撃を受けた。一種族の生態を事細かに構築した上で、そこから一つのテーマに押し上げている分、読み終えた後はただやるせなさに襲われるばかり。
あまりにも暗すぎる背景を抱えた「一瞬のいのちの味わい」は、不気味めいたサスペンス仕立てながらも「EVA」に通じる部分すら見受けれられる作品として、かなり面白かった。
中でも抜きん出ているのは、やはり何といっても名編として知られる「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」だなぁ。読む人の落とし所が上手いというか、あまりにもえげつねぇ。語ろうとするとどうしてもネタバレせざるをえないので、ここまでにしておきますが、これだけは言えます。読み終えた後は2、3日ほど塞ぎこみたくなる。
他の短編も負けず秀作なのですが、揃って精神的にくる物ばかり。ちょっと軽い気持ちで読み始めると、その分ダメージが大きいのでご注意をば。

明日に続きます。
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苦悶の増幅

しまった! 6月24日は「UFOの日」ってぇ事を忘れていたッ!
もうすっかり太陽が二巡しちゃったけども、それでも!

「おっくれてったぁ―――――――――!」

後悔と渇望を共にのせたその叫びは、都会のぼやけた暗色の空にただ虚しく広がるのみであった。


さて、気を取り直して「ウルトラ・ヴァイオレット」レビュー。例によって四つ星満点。

   「ウルトラ・ヴァイオレット」   ☆☆☆★(※カート・ウィマー補正込み)

まず始めに断っておきたいのは、この作品がミラ様映画であるという事だ。
カート・ウィマー監督によるミラ・ジョヴォヴィッチ讃美映画であり、ミラ様に当てたラヴレターであり、ミラ様の優雅な姿を愉しむためにある映画なのである。そして端的に言ってしまうと「監督のオナニー映画」とも。

実際、ミラ・ジョヴォビッチの、主人公ヴァイオレットとしての嵌りっぷりはそのくらい凄かった。というか、これだけ様になるヒロインは現時点では他に見当たらないんじゃねぇかと。少し懸念していたアクションの方も「リベリオン」と比べてしまうとさすがにキレ味は落ちてしまうものの、十分に見応えのある華麗なもので良く動いていました。所所にCG補正がかかってはいても、そこは敵を一掃した後にやる無駄なくらいにカッコイイ決めポーズで中和されていましたし。そういう意味でも、美女のヒーローアクションを楽しむという点ではトップクラスの出来。

さて、ここからネタバレ。






「リベリオン」のプロットそのまんまかよ!
っか、あれだ。ワンちゃんが少年に、ラスボスがデブからほっこり系に。それとプレストンが性転換してヴァイオレット。
この三つしか変わってねぇ。変わってなさすぎにも程があるんじゃないか。
それに増して致命的なのが脚本が相変わらず穴だらけだという事。むしろ「リベリオン」よりもひどくなっている。「リベリオン」は縁ぎりぎりの所で踏み止まってまとめた感がありましたが、「ヴァイオレット」ではヒロインの苦悩や葛藤、少年との触れ合いが淡白に描き飛ばされてしまっている分、それぞれの人物の感情の移り変わりあまり見えてこず感動も大して出てこなかった。構成も中盤はドラマに固執している分かなりグタグタだったしなぁ。この点が次回作で改善されなければ、ちょっと考え物ですぞ。

アクションの方はやっぱり色めき立ったというか、オープニングの鉄球投下→ビル直撃→黒装束の白兵決戦人間が飛び出る→敵を瞬殺という流れで一気に興奮。最後の連続鞘収めはそれこそギャグすれすれで吹いちまいましたが。
ヴァイオレットの殲滅戦(難易度キッズモードばりの)、今作のアクションシーンでで最も一番抜きん出ていた重力無視バイクチェイスなど、前半は本当に素晴らしかった。もうこれだけでお腹一杯になりそうなもんでした。でも、やっぱり数が足りない。後半で目立ったアクションが一つくらいだし。いまいち間の持たせ方が悪いというか、リズム良くアクションを出してくれれば、ずっとテンションMAXのまま観れたんですが。そういう意味でも、ラスボスのいる部屋手前の通路戦が省かれてしまったのは個人的に大減点。
あと、賛否両論になるとは思いますが、ヴァイオレットの無敵っぷり。ラスボスがもうポン刀を振り回すただの中年オヤジにしか見えないというか、いまいち強さが見えてこないせいで最強度のヒエラルキーがトチ狂った形になってしまう罠。えーと、あれだ、先端が思い切り錐状態で、そこから一気にクレープ状に薄く広がる裾の図で。うわ、画鋲そのまんまの形だ!
そこの辺りはヒーローアクションのお約束として納得する部分はあれど「リベリオン」で一度やってしまっている以上、もう一ひねりの仕様があるんじゃないかなぁと。むしろ終始一貫して徹底殲滅戦というのはどうなんだろう。おぉ、何か「ガングレイブ」というか「ブレインデッド」チックで面白そう。
もし次回作をやるとすれば、脚本と構成、あとお金のかけ方を改善して、もう少し洗練されたものにしてほしいもんです。


ここまで打ってふと頭に浮かんだんですが、下手したらカート・ウィマー監督も「シックス・ストリング・サムライ」と同じ道を辿ってしまう(悪い意味で)可能性もあるんじゃないかしらと。それがかなり不安。
あ、念のため一応。 「シックス・ストリング・サムライ」は好き。めがっさ好き。
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けものの涯

というわけで高揚とした気分で劇場へ赴き、「ウルトラ・ヴァイオレット」観てきました!

堪能した。堪能したぁ。
カート・ウィマー監督独自のアクション描写もさる事ながら、正にミラ様映画だった。
少なくとも、「リベリオン」ファンの期待を裏切るような真似はしなかった。それだけの出来栄えでした。
そういうわけで星評価は四つ星満点で☆☆☆★。  いやー、えがったえがった。

詳しくは明日に書く予定。
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終焉の中心交差点

日本もついに終わってしまったかぁ。
まぁ、そんな事よりもですね、感覚的には明日、日付としては今日でコレが公開されるわけですよ。あぁ、楽しみだなぁ。実に楽しみだなぁ。明日はもうずっと鼻息荒くして上映を待つぜぇ。(傍から見たら要注意人物
それはそうと、ちょくちょく読んでいる日刊スポーツの週間映画コラムが今週のお題で上の作品を取り上げたわけだが、普段と丸きり違うハイテンションな文調で吹いた。しかもさりげなく『カート・ウィマー監督の作品ではアクション映画の傑作「リベリオン」がある』と紹介する辺り、ほのかに信者臭を発してらっしゃる。

「半導体レーザー、ドーナツ型ビームに成功」
リップルビームですよ、旦那。

ティプトリー「老いたる霊長類の星への賛歌」読了。
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全ては無法松

あと2日。 やべぇ、なんかそわそわしてきた。

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ピンク玩具屋敷

先日の記事について翌日に一度読み直してみたら、イメージ変更というよりはヒロインそのものが刷新という事実を読み逃していた致命的な罠。原作のヒロインである和子がアニメ版では叔母役に置き換えられて、新しく主役が…と。
とりあえず訂正をして…そばに穴があったら潜りてぇ。

ついでに5月21日付けの読売新聞夕刊に見開きで、細田×筒井対談「時をかける少女」が載っていました。


それと赤兜経由で、三和出版の「フラミンゴR」が廃刊になるらしく。今のエロ漫画業界では貴重なハード変態漫画雑誌なだけに、これはキツイ。ベギラマや堀骨、栗田、天竺とかの作家陣を受け入れてくれる雑誌って他にあるのかなぁ。

直接の情報ソース>しのざき嶺blog
公式の方も見てみたら表紙からして廃刊っぽい>「三和エロティカ」(※18禁注意)


とりあえず、あと3日。
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蘇生されて108回目

三千世界の駄目人間魂を焼き尽くすその日まで、あと4日。

筒井康隆、アニメ「時をかける少女」を語る
相変わらず、身も蓋もない発言をいきなりかます筒井康隆。
原作のヒロインである和子から新しくオリジナルヒロインの真琴にバトンタッチして、これまで清楚なイメージしかなかったのが今作ではさばさばした雰囲気のスポーティ少女に変わっているのが一番の変更点かぁ。この変更で話がどう違ってくるか、その視点からも期待。


レイモンド・F・ジョーンズの作品に興味がむくむくと。気が滅入る内容との評判で。
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テキ屋の天に結ぶ恋

約束された日まで、あと5日
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魍魎のサバト

電車内で友人と雑談を交わしていた折。

「あぁ、そういやさ、そろそろだな。」

「ん、あー…うん、そろそろだねぇ。」

これだけで会話が成り立つのも全てはこの約束された日があるからこそ。
そして必然のごとくガン=カタで話に花を咲かせ、二人して妖しい笑みを浮かべるのであった。
てなわけで本日を以ってカウントダウンを開始したい所存。 では、あと6日。

さて「インサイド・マン」と「トランスポーター2」をレビューとな。

  「インサイド・マン」   ☆☆☆☆(☆)

この作品については、手堅くまとまりすぎるなどといった反論もあるでしょうが、個人的には、ここ近年の犯罪映画としては傑出した出来だと思っています。犯罪のトリックはある程度予想通りになってしまったとはいえ、また清清しい結末であった点からも高評価。強盗団や交渉人ばかりクローズアップせず、その事件に何らかの形で関わりを持つ人々もしっかりと捉えて、一つの太い紐へと撚り合わせて見事に完結させてしまう辺り、実に良く出来た構成でした。古風さすら持ち合わせながら上品に仕上がった映画としても、完成度は高いんじゃないでしょうか。この系統の作品で、観終わった後に満足の気分を覚えたのは「クライム&ダイヤモンド」以来だなぁ。

あと警察の現場状況やSWATのシーンがたっぷり出てきたのもデカイ。 緊迫した現場や突入といい、あぁ幸せ!


  「トランスポーター2」   ☆☆☆★

げぇっ! 意外と面白いっ!

友人からの薦めと最終日という事で慌てて観たのだが、良い意味で裏切られた。
予告でいきなりランジェリー露出の変態ルック女殺し屋が出てきた時点で「そういう映画か!」と防衛体勢に入っていたんですが、いざ観てみると笑いそうになるほど全然肩の凝らない内容で、かなり楽しかった。肝心のアクション描写とかも馬鹿映画とは微妙に違って、むしろかなり真っ当なB級映画をやっていました。っかスタッフも分かっててやっているノリがあったなぁ、アレ。

それにしても…オープニングでボスがやったヘンテコ剣道は一体何だったんだ。あえて真剣に突っ込むとしたらソコだ。

あと女殺し屋のフルオート二丁拳銃については、実際にやるとなるとこういう具合になるんだよなぁ。(その銃撃まで少し時間がかかりますが、容赦あれ)いやまぁ、十分にカッコよかったですし、興奮しましたが。




結局、成人漫画新刊は5冊購入に留めましたと。
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