活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

安来といえば足立美術館

2014-05-19 11:37:18 | 活版印刷のふるさと紀行

 松江出身のお嬢さんの手みゃげがこの写真のお菓子でした。ひょっとこのお面にドジョウ掬いのザルまでついたまんじゅうは甘党でもある私にとっては実にうれしいおみゃげ。それにしても、たくさんある地元銘菓の中で、彼女がどうしてこのドジョウ掬いを選んでくれたのか、聞きたかったけれどつい、遠慮してしまいました。まさか、「そっくりだから」なんていう答えは返ってこないとは思いましたが。

 さて、「ドジョウ掬い」といえば、安来(やすぎ)、安来といえば、足立美術館。彼女は行ったことがないというので、つい、ひとくさり、『足立美術館』について弁じてしまいました。 安来駅で下車したらドジョウ掬いの踊り姿の写真台があったので、顔のところをくりぬいた穴にわが顔をつっこんで記念撮影してから美術館行のバスに乗り込んだ記憶が手伝ってのことかもしれません。

 足立美術館は日本の庭園美術館のなかでも最たるもの、広い敷地に「枯山水庭」」、「白砂青砂」、「苔庭」、「亀鶴の滝」などがまるで何十年も前からそこに存在していたように観客の歩みにつれて展開するのです。創始者の足立全康さんが横山大観の美の世界に心酔していたといい、大観の『白砂青砂』が「枯山水庭」に、『那智乃滝』が「亀鶴の滝」の景観づくりに結びついたと聞きました。

 とにかく、食事をとったり、大観の特別展示室や北大路魯山人展示室で美術作品にふれて、時間をかえて再度、庭園を歩くと木々の色も岩肌の輝きも水に映る影もまったく前見たときと変わって目に入ってきて、日本庭園の微妙なうつろい、翳りを体感できるのです。時間をとってぜひ、いちど足立美術館をお訪ねになることをお勧めします。もっとも、松江の彼女に「あそこは一人で行ってじっくり楽しむべきで、ツーショットの写真を撮りに行くところではないよ」と余分な念押しをしてしまった私でした。ゴメン。わたしが出雲の神様なれば添わしてあげたい人がある くらいの気持ちにならねば。

 

 

 

 

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