活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

天正遣欧少年使節の足跡を訪ねる旅 1

2011-06-19 11:40:20 | 活版印刷のふるさと紀行
これはコンスタンチノ・ドラードの顔です。天正遣欧少年使節に従者と
してローマに行き、ポルトガルのリスボンでグーテンベルク方式の活版印
刷術を習得して、1591年(天正19)日本に最初に活版印刷をもたら
した諫早生まれの日本人です。 
 
 伊東マンショをはじめ4人の使節の肖像こそ京都大学の図書館に所蔵さ
れていますが、従者ドラードはどんな顔をしていたか残念ながらわかりま
せん。この顔は私の『活版印刷人ドラードの生涯』の装丁のために、イラ
ストレーター杉浦範茂さんが描いてくれました。

 というより、この紫綬褒章受章のエライ人を私がなだめ、すかし、脅か
して描いてもらったというのが真相です。
 「マカオの修道院の院長だった晩年の顔にしてくれ」「混血説もあるく
らいだから、日本人離れした顔だ」「司祭だから神に近付いた雰囲気がほ
しい」今にして思えばいい気なものでした。 竹馬の友なればこそでし
た。

 宣伝めきますが7月にこの本の再版が印刷学会出版部から出ます。未読
の方にぜひ読んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。


 さて、前回の神田川大曲塾の研究会で4人の使節の一人で最期には穴吊
りの刑で殉教した中浦ジュリアンの子孫として講師をつとめられた小佐々
学先生が団長として「天正遣欧少年使節団の足跡を訪ねる旅」イタリア8
日間が7月29日成田出発で催行されます。
次回、その旅の詳細をご紹介します。
コメント
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