「夏雲」 domani11
峰高く沈む陽のうえ積乱雲 いのちあるごと湧き立ちにけり
「プール」 domani11
バタ足を
教えて離れ
手招きすれば
浮き輪の孫は
近づかんと
懸命にバタバタ
帰途にプールを聞けば
チョー、タノシカッタ
おお、チョーを使うかね
「お嬢ちゃん」 domani11
初めてのこと
席を譲られるとは
それも子供に
山手線の午後
カバン手に
電車に乗れば
小学校低学年らしき
可愛い女の子
綺麗にお座り
「どうぞ」と立ち上がる
「いいよ」
「すぐ降りますから」
親切な心傷つけてはと
「ありがとう」
2つ先の駅で降りがての
女の子にもう一度
「ありがとうね」
軽くうなずいて降りて行った
いやあそんな歳に見えたのか
嫌だな
歳を知れと神の声
それよりも
素直に優しい女の子
その親の行き届いたしつけ
午後の山手線に目を閉じる