バッタ

「バッタ」　　　domani11


子を乗せてバッタ動かず秋の空

岬

「岬」　　　　domani11


大地　身を投げ出し
孤高の断崖
地層も露わ
激浪　食み続く

灯台　屹立し
永遠の存在証明
空に異議あり
風　吹き止まず

海　受け入れて
すべてを飲み込む
紺青の爽快
波　立ち上がれ

うろこ雲

「うろこ雲」　   　domani11


うろこ雲扇を成して空蔽う

こころ

「こころ」　　　domani11


しばし揺る乙女のこころ秋彼岸

朝顔

「朝顔」　　　　domani11


野分去り開く朝顔水彩色

破綻劇

「破綻劇」　　　　domani11


繰り返す

バブルの果てや

破綻劇

既視感のごと

名月眺む

澄みゆきて

「澄みゆきて」　　　domani11


澄みゆきて耳澄まさずも虫の音の

夕日

「夕日」　　　　domani11


雲の峰消えて夕日の全放射

星ひとつ

「星ひとつ」　　　　domani11


足痛む

子を迎えに

車駆る

都会の夜に

星ひとつのみ