うたノオト

過去、現在、未来、うたとともに

白海原

2007-11-29 00:01:59 | 短歌・俳句

「白海原」     domani11


立ち上がり

崩れ落つ波

泡立ちて

白海原に

秋の風過ぐ



※以前に四国を旅した折、通過した高知県黒潮町の海岸で見た波の美しさは格別だった。


永遠・遺跡・人

2007-11-23 00:48:51 | 

「永遠・遺跡・人」     domani11


パルミラ、砂漠の廃墟
星空、ラクダの隊商
巨大な列柱群

はるか遠く
ローマ兵の勝鬨
女王ゼノビア、果て知れず

億年の星
数百年の国
数十年の人

星、変わりなく
国、興り亡び
ひと、さらに短く

わずかないのち
そのわずかないのちを
いかに



※「平山郁夫シルクロード美術館」で見た平山郁夫作「パルミラ遺跡を行く・夜」を思い出しながら


落ち葉のテニスコート

2007-11-18 22:38:29 | 

「落ち葉のテニスコート」      domani11


風のひと吹き
葉が一斉に落ち
群れとなり
ハムスターのように
コートを走る

微風には
ひらひらと落ち
竹トンボのようにしばし
コートの上を舞う

もみじの木々は
たちまち
裸木

球を打ち合う仲間
混合ダブルス

審判台のわたしには
つかの間の落葉劇

いつか見たような
落葉劇

いくたび見て
またいくたび
見るだろうか


フルートとハープの協奏曲

2007-11-10 00:25:20 | 

「フルートとハープの協奏曲」   domani11

Ⅰ 飛翔のアレグロ

音符階段を駆け上がり
身を投げ出すと
そこは大空
急降下急上昇
水平飛行
ほうきならぬ
笛1本で
かくも
かろやかに飛ぶ
すべてを忘れ空の中

Ⅱ 夢のアンダンティーノ

笛のメロディーは
澄んだ秋の空
透き通るようなアリア
果てしなく鳴り響く
夢見るひびき
永遠にリピートしたく

Ⅲ いのちのロンド


のめるかに
駆け上がり
駆け下り

踊るかに弾み
一瞬一瞬が
ときめき

解き放つ
いのちのコンチェルト
よろこびの輪舞
おお
愉悦のモーツァルト
ブラボー
きみに乾杯!
人生に乾杯!


黄金色の時

2007-11-03 10:41:24 | 
「黄金色の時」     domani11


高原道路、風を切る
落葉松林、駆け抜ける
針葉、道端に降り積もる
落葉松の森、ひろがる
落葉松の山、重なる
高原道路、風を切る

いま
黄金色
緑から黄、橙、赤、茶
様々の色散りばめて
基調は黄金色

黄金色
まばゆく
照り映え
浮き立つ

黄金色
いま
秋の真っ只中


※2007年10月30日~31日、好天の八ヶ岳高原に遊ぶ