「友」 domani11
遠くの友
時折の長電話が楽しみ
透析生活の難儀
いつも聞きいる
今度は深刻
透析中に血圧急低下
救急車で運ばれた話
いつまたなるやもと
覚悟を決めたよと
とりあえず
お世話になったと言っとくよと
頭の中にこだまする
覚悟の話
最初の会社の長き同期
いまは遠くの友
時折の長電話が楽しみなのだが
「悠ちゃん3題」 domani11
ごちそうさま
皆となえれば
悠ちゃん
ジイジ、オチャイレテ
おお、お茶が好きかい
悠ちゃん!
トイレでウンチ
できないと
幼稚園行けないよ
ハイ、スミマセン
車に乗せて行けば
ジイジ、ミテ
ハッピーセットダヨ
何のことやら
見えるのは
スーパー、靴屋、マックなど
後で知る
ハッピーセットとは
オモチャがもらえる
マックのお子様セット
悠ちゃんには
Mのロゴはハッピーセット
マックさん
幼児に人気
「シベリウスコンサート」 domani11
森の朝生きるざわめき飛び立つ鳥 シベリウス3番冒頭の響き
森の地底樹や草や花養う土 シベリウス4番チェロが褒めらる
どこまでも森と湖どこまでも シベリウス2番いのちの賛歌
爆発のシベリウス2番フィナーレ
大拍手のなか
目が合えり
指揮者リントウと前寄り真ん中の我と
共に満足気な視線でもって
「花火大会」 domani11
いちどきに五色の花火広がりてとどめおきたくも 夜空に消えて
金色にまた銀色に輝きて白熱の空 花火に拍手
連発にさらに畳みかけ連発の折り重なる花火こそ 花火の華
花火からたくさんの星弾け飛び 夜空はもう金平糖だらけ
「まったくもう」 domani11
「まったくもう」と
冗談気味に
口に出せば
マッタクモウッテ、イワナイデ
言葉のわずかな綾に
気づいてか
この返し言葉
3歳児にして
何と繊細な感覚